【編集後記】 みなさん、こんにちは。ニューヨーク市の公立高校で、第二外国語の選択科目に日本語を取り入れているクイーンズ区のフランシス・ルイス高校で16年間、日本語教師として米国人高校生に日本語を教えてきた木村光子さんが7月1日付で同校を退職されました。こんなお手紙をいただきました。「『週刊NY生活』は発刊された2004年1月当時から、NYに住む私たちにとって唯一の情報源でありました。私たちの生活の一部となって金曜日の発売の日を待ちました。その後Covid-19が蔓延し、世の中の動きが変わり、教育界もonlineでzoomによる指導になりました。今日の生徒はiPhoneをもって生まれてきたと言われる生徒ですから、すべての学習は映像をとり入れたITの時代です。しかし私は副教材として『週刊NY生活』の紙面を通して学習してきました。とくに新年号は、新年登校日の授業に間に合わせるために、数日前から食料品店をまわり20部ずつ取り寄せました。その全生徒分120部を学校へ運ぶのは、車の運転をやめているので、大変な仕事でした。新年度の最初の日本語の授業の時間に、インクの匂いの新しい『週刊NY生活』を手に取った生徒たちのモチベーションの高まりを見ると、前日の苦労は一気に解消されました。NYでの日本語教育は、環境に恵まれています。特に『週刊NY生活』は日本の文化の行事やイベントが目白押しに紹介されます。NYで日本語を勉強した生徒たちは、国際感覚を身に着けた生徒たちです。一人前の日本人として日本で活躍できます。これからの日本の人口減少による人手不足を救う日が必ず来ると信じています。振り返ってみると、私は補習校の立ち上げから、そして全日制校、さらにNY市立高校と60年間ここNYで教師生活を続けてきました。その間『週刊NY生活』には、生徒の作品の発表、イベントの様子、本社訪問などがありました。卒業して社会人となった彼らにとっていつまでも愛読されていく『週刊NY生活』です。最後に「週刊NY生活」のさらなる発展を願っています。ありがとうございました。2023年7月2日 木村光子」。ありがたいことです。今週号のNY生活ウーマンで記事としても掲載させていただきました。こんな風に思って読んで、新聞を使って下さっている人がいたことを支えに、これからも大きなニュースがある時も、そしてない時も、毎週発行されるNYのローカル紙であり続けていられたら本望です。それでは皆さんもよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)