【編集後記】7月3日号
みなさん、こんにちは。本紙でも、毎年国連総会の開始と重なる国連平和デーに関連して紙面にたびたび登場する「国連の平和の鐘」。このほど、国連平和の鐘を守会(本部・東京都、高瀬聖子代表)が国連NGOとして正式に承認されました=本紙今週号7面で詳報=。ニューヨークに本部を置く国際連合グローバルNGOエグゼクティブ委員会(パトリック・シアラッタ会長)は6月26日、日本の国連平和の鐘を守る会から申請が出されていたNGO(非政府組織)への加盟について、前日開かれた25日の委員会で審査・協議し申請が承認されたことを通達したのです。即日国連NGOとしての身分が発効しました。これにより、同団体は国連の民間の外郭団体としての位置付けを得られ、さまざまな国連主催のイベントへの参加、配布物の支給、職員採用情報などの提供を無償で受けることになります。国連憲章に基づくNGOは、国際連合と連携を行う民間組織と定義されており、この文脈での非政府組織は、国際連合と協力関係にある国際組織と同義と考えられ実際に、国際連合が連携・協議する国際的な非政府組織は、国際連合NGOとも呼ばれ、国際政治を動かすほどの影響力を持つ組織として同等と認知された訳です。営利団体、政党、基金は除外されています。今回、快挙と言えるのは、ニューヨークの国連本部に直接申請して、本部からダイレクトに承認を受けたことでしょう。国連職員採用試験もそうですが、外務省を通して日本という国が後ろ盾になって国連に関わりを持つことが多い今日、徒手空拳で直に申請して、国連と独自のパイプを地道に築いた努力は多とします。国連平和の鐘は1951年、第6回パリ国連総会に出席した日本国連協会理事で、元愛媛県宇和島市市長の中川千代治氏が、「国を越え宗教の違いを越えて、平和を願う世界の人々のコインを入れた平和の鐘を造りたい」と当時の国連加盟国に訴え、国連事務次長ベンジャミン・コーヘン氏の協力を得、趣旨に賛同した65か国の代表者からのコインとローマ法王ピオ12世から受けた金貨9枚を入れて日本が国連に加盟する2年前の1954年に寄贈されました。毎年春分の日と9月21日の国際平和デーに合わせて、国連総会の開催時に国連本部前の日本庭園にあるこの鐘が鳴らされ、国連日本政府代表部がイニシアチブを執って例年国連事務総長と国連総会議長が国連幹部、各国代表者出席の下、世界平和を祈念して鐘打式を行っています。高瀬代表は、鐘を国連に寄贈したこの中川千代治氏の娘さんです。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)