【編集後記】 みなさん、こんにちは。ニューヨークに感謝の気持ちの表明と、日本文化の紹介、そして日系社会の連帯を目的に13日、マンハッタンのセントラルパークウエストでジャパン・パレードが盛大に開催されました。81丁目から67丁目まで日系98団体約2500人が着物姿や神輿で行進し、沿道を埋めたニューヨーク市民約5万人が大きな声援と拍手を贈りました。パレードのグランドマーシャルとして1992年のアルベールビル冬季五輪フィギュア女子シングル金メダリストの日系米国人アスリート、クリスティ・ヤマグチさんが先頭のオープンカーから手を振りました。また歴代市長としては初めてエリック・アダムス市長がオープニング式典に出席し、日の丸の小旗を振ってスタートから終点まで一緒に行進したのは画期的な出来事でした。NY市民との連携、米国メディアでの取り上げ方も一段レベルアップしたのではないでしょうか。お天気にも恵まれ、大成功だったといえます。ただ、一方で、沿道には日本人の小中学生の子供たちの姿はあまり多く見られませんでした。パレード当日は土曜日。補習授業校に通っている日本人、日系人の子供たちは、授業があるため見ることができなかったのです。会場にいた日本人女性は「郊外からおいでになる人は学校を休ませるしかないですね。夫がいま学校にこどもを迎えに行ってますが、ナルトを見せてあげたかったです」。また別の保護者のからは「補習校の子供たちとその親たちは、日本人コミュニティにおいてある一定の規模を占めている。日本ではできない経験をする、 海外における日本の位置づけを知る、つまり日本を相対的にみる力をつける、現地校において日本を考える機会を提供するといった教育的観点からも、今後の国際交流を担う子供たちに早くから、そのような体験を、これほどの規模で経験する機会は非常に貴重だと思っている。来年以降に関しては、できれば補習校の子供たちも参加できる形にしてもらえれば、よりよいイベントになるのではないか」と話していました。パレードの運営事務局の吉井久美子事務局長は「事務局のスタッフにも補習校に子供を通わせているママさんもいて、日曜日開催も断然候補に入れるべきと考えます。パレードは、そもそもNYPDからの許可が出ないと実施できません。で、許可が出たのが5月13日だったのです。土曜日開催か、実施しないかという二択で泣く泣く事務局としては『許可が出た日での実施』だったのです。この件は、種々ある課題の一つだと思っています」と話しています。ニューヨーク補習授業校には約600人、ニュージャージー補習授業校には約400人、NY育英学園のサタデースクールに約500人、リセ・ケネディ日本人学校の土曜課程に約150人の児童生徒が在籍しています。このほかにも土曜日に授業をしている日系の学校は多いです。NY市長が日の丸を振って歩く姿や、ナルトのアクションをもし子供たちが見ていたら、きっと大人になっても覚えている貴重な思い出となったことでしょう。大人たちの課題といえそうです。それでは皆さんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)