タイムズスクエア
10周年、経済効果あり
ニューヨーク市の繁華街タイムズスクエアでの車両禁止(カーフリー)区域導入10年を祝う記念祝賀会「世界の交差点」が4日、導入当時のブルームバーグ市政下の市議や市職員らも参加し行われた。
日本の歩行者天国にあたるタイムズスクエアでの「車両禁止区域」については、間違いなく成功しているとされている。導入同時の市交通委員だったジャネット・サディク・カーン氏は「これを最初に推し進めようとした時、当時のブルームバーグ市長は『これはクレイジーだ』と懸念していました」と当時の状況を振り返った。しかし専門家や提唱者の後押しを受けてデブラシオ市長に代わってからもスペースを広げ「広場化」を進めてきた。またタイムススクエア以外でも、アースデー(今年は4月27日に実施)はじめ年4回ほど、タイムズスクエア以南のユニオンスクエアまでのブロードウエーやワシントンハイツなども1日カーフリー・デーとして車両禁止区域にしている。
車両禁止区域をもっと広げようという動きは現在も続いており、金融街やタイムズスクエアとヘラルドスクエアの間のブロードウエー、またロックフェラーセンターとトランプタワー周辺などを車両禁止区域する案も出されている。しかし、市当局はおよび腰だ。車利用者やビジネス関係者からの反対があり、また着ぐるみで観光客から強引にお金を取る行為やトップレスでうろついたりする人などの取り締まりにも腐心してきたからだ。
地元組織タイムズスクエア・アライアンスは、同地区はこの10年で小売店のレント代は3倍になったものの、訪れる人は1日46万人以上と増加していることを指摘。ラスベガス・ストリップに次ぐ米国第2位(なお3位はセントラルパーク)となっている。交通機関が十分整備された区域では車両が入れないことによるデメリットはほどんとないという。
同市当局は今年4月、交通状況をより詳しく調査し、バスの遅延問題などと合わせ、マンハッタン南部などに車両禁止区域の可能性を探ると発表している。