常盤新平 ニューヨーカー三昧 I LOVE NEW YORKER 12 「十一時五分、JFK着」とノートブックの日記に書いてある。日付は十月二十三日(月)。たぶん一九八〇年代のことだろう。 同行者は写真家の岡村啓嗣氏 […]
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リトル・イタリーの朝食
常盤新平 ニューヨーカー三昧 I LOVE NEW YORKER 11 ニューヨークをはじめて訪れたときは、二週間の予定が出版社めぐりで終わってしまった。 出版社やエージェンシーを何十社か訪ねたのだが、五番街にあった […]
地下鉄で通う編集長
常盤新平 ニューヨーカー三昧 I LOVE NEW YORKER 11 四月も半ばなのに、きょうの東京は寒い。 この冬は例年よりも寒かったように感じられて、ほとんど外出せずに家にこもっていた。 街へ誘ってくれる人も […]
古い日記の中の古本屋
常盤新平 ニューヨーカー三昧 I LOVE NEW YORKER 10 とうに時代おくれの老人になって、冬の寒さがいっそう身にしみる。 長生きも辛いものだね、と猫のブラッキーに言ってみる。この牝猫も妻に拾われてきてか […]
春近き冬のころ
常盤新平 ニューヨーカー三昧 I LOVE NEW YORKER 8 朝から晴れてはいるが、外は寒い。春は名のみの、春近き冬のころだ。ウィンターセットというのだそうだ。 新宿の紀伊國屋書店に行って、「ニューヨーカー」 […]
もぐり酒場の客
常盤新平 ニューヨーカー三昧 I LOVE NEW YORKER 7 「ニューヨークには何年住まれましたか」と訊かれるたびに、もう赤面はしなくなったが、気恥ずかしくなる。ニューヨークに住んだことはなく、この都市について […]
ゲイ・タリーズ描くマフィアに興味
常盤新平 ニューヨーカー三昧 I LOVE NEW YORKER 6 2年ぶりにゲイ・タリーズの『作家の生活』を読みかえした。彼が人生を振り返った回想録だ。父親は長靴のようなイタリア半島の最南端の寒村に生まれて、若いこ […]
ハドソン・ストリートのあたり
常盤新平 ニューヨーカー三昧 I LOVE NEW YORKER 5 そろいのコーヒーカップがふた組ある。ハドソン・ストリートの瀬戸物屋で買った安物だ。カップのひとつはひびがはいっているが、捨てるにしのびなくて、いまだ […]
マイナーな作家が好きだった。
常盤新平 ニューヨーカー三昧 I LOVE NEW YORKER 3 作家は死ねば、たいてい忘れられてしまう。二流三流の作家のものなど古本屋でも見かけない。私は日本語版のミステリー雑誌に短編を翻訳していたころ、ある作家 […]
ヴィレッジの物語
常盤新平 ニューヨーカー三昧 I LOVE NEW YORKER 3 O・ヘンリーの『賢者の贈物』は懐かしい短編小説だ。貧しい夫婦がクリスマスに自分の大切なものを売って、贈物をする素朴な物語で、私は高校二年の冬に英語の […]
朝めしの楽しみ
常盤新平 ニューヨーカー三昧 I LOVE NEW YORKER 2 はじめてニューヨークに行ったときは、プラザに泊まった。勤務していた翻訳中心の出版社の社長のお供である。 ガイドブックを見て、グランド・セントラル駅 […]
下町の人情酒場
常盤新平 ニューヨーカー三昧 I LOVE NEW YORKER 1 「ニューヨーク物語」(NHK・BS)をときどき見ている。先日は建設現場で働く女性たちを取り上げていた。彼女たちが力のいる難しい作業を懸命にこなす姿が […]