ニューヨークの魔法 ⑲岡田光世 通りを歩いていると、信号の手前で体格のいい白人の中年男性が、両腕をバタバタさせて、何やら情けない顔であわてている。身動きできないようだ。よく見ると、キャラクターが描かれた、小さなピンクの […]
カテゴリー: ニューヨークの魔法
あなた、それでも日本人?
ニューヨークの魔法 ⑱岡田光世 My bonsai is dead! 私のボンサイが、死んでしまったじゃないの! 突然、サラに激しい口調で責め立てられ、私は言葉を失った。 ミッツィ(私の […]
意外なほめ言葉
ニューヨークの魔法 ⑰岡田光世 I love your coat. あなたのコート、すてきね。 I love your bag. そのバッグ、いいわね。 見知らぬ人に、服装や身につけている物をほめられることは、 […]
土曜日の朝のカフェ
ニューヨークの魔法 ⑯岡田光世 ドアを開けると、すでに店内は朝食をとる人で活気にあふれていた。土曜日の朝、アッパーウエストサイドでブロードウエイを、「ゼイバーズ・カフェ」(Zabar’s Cafe) に向かって私は歩い […]
日本への祈り
ニューヨークの魔法 ⑮岡田光世 2011年3月11日のあの日を、私はニューヨークで迎えた。朝起きると、日本にいる家族からは無事を知らせるメールが、私が東京にいると思っていた友人からは安否を尋ねるメールが、続々と届いてい […]
ホームレス夫婦のバレンタインデー
ニューヨークの魔法 ⑭岡田光世 ホームレスの青年と出会ったすぐそばで、携帯電話会社が真紅のバラの花を配っていたので、一輪もらった。 その東側で、また地べたにすわり込んでいる人がいた。膝の上に段ボール紙を置 […]
ジョークはもう、たくさん
ニューヨークのとけない魔法 ⑬岡田光世 クリスマスシーズンの夜は、おそらくニューヨークの街が最も美しいときだろう。12月に入ると、ロックフェラーセンターやリンカーンセンターの大きなツリーにライトが灯される。金色に輝く無 […]
クリスマスイブの盗人
ニューヨークのとけない魔法 ⑪岡田光世 クリスマスシーズンの夜は、おそらくニューヨークの街が最も美しいときだろう。12月に入ると、ロックフェラーセンターやリンカーンセンターの大きなツリーにライトが灯される。金色に輝く無 […]
バスの守り神
ニューヨークのとけない魔法 ⑩岡田光世 夜九時頃だったので、かなり不安だった。知人の家はバス停から近いとはいえ、アメリカでは、夜の郊外の住宅地に人影はほとんどない。以前、この州で別の友人のところへ行ったときに、バスを乗 […]
名画を守るMoMAのヒーロー
ニューヨークのとけない魔法 ⑨岡田光世 日本の人気特別展の比ではないものの、その日のニューヨーク近代美術館(MoMA=Museum of Modern Art)は、かなり混雑していた。この日は閉館時間がいつもより三時間 […]
自由の女神の君
ニューヨークのとけない魔法 ⑧岡田光世 ある夏の日の夕方、夫とふたりで並んでウッドチェアにすわり、しばらくぼうっと川を眺めていた。突き出した桟橋がウッドデッキになっている。 ここを訪れるのは久しぶりだった。水辺に木 […]
敵国、日本を訪ねて
ニューヨークのとけない魔法 ⑦岡田光世 反日感情を抱いていた元米国軍人ね。それは私ですよ。 今からもう二十年前、日本の全国紙の日米姉妹都市についての特集で、そういう人がいると知って、調べていた。ケン・ウッドさんを探し […]