自宅でできる声トレ、吉井江里さんがオンライン講義

JAA第15回 春のヘルスフェア参加プログラム

 NY日系ライオンズクラブ企画、第15回JAA春のヘルスフェア「ライオンズ大学・大人の教養シリーズ第6弾」の講演が現在インターネット(YouTube)での配信を行っている。

 講師は、ファーストブランド(本社大阪市、河本扶美子社長)が運営するマイベストプロに登録の吉井江里氏(ボイストレーナー)が「心とカラダを元気に! 自宅でできる声トレ〜日本の歌を歌いましょう〜」というタイトルで講義した。

 吉井さんは「身体は楽器です。声、口周り、呼吸のトレーニングをすることで、飲み込む力を維持し、好きな歌を歌いながら、おしゃべりしながら心と身体の元気を維持していきましょう」と動画の中で呼びかけている。

 講義内容は、声を出す前に鎖骨をさすったり肋骨を左右の手で持って深呼吸をしたりして身体をほぐしたり、顔の筋肉も指や手のひらを使いながら声を出してほぐしていくやり方を伝授した。「ん」「が」「スー」と言いながら呼吸を整え、「P」「K」「T」を連続して音楽に合わせて発音するやり方も。続いて「A」、「O」を交互に「春」の童謡の音楽に合わせて発声し、2回目は音程を少し高めて発声する練習をする。続いて「U」と「I」の発声練習。「U」は口を寄せて、「I」はしっかり横に口を広げて発声する。続いてピアノの伴奏に合わせて、拳を握り、交互に上にあげていきながら「キュッ」「キュッ」と言いながら高い声を出す練習をする。次はうがいのように「ガラガラ」と少し上を向いて練習する。

 声と呼吸の調整に続いて、目につく文章を声を出して読む練習をする。講義では「桜」の歌詞を使って1文字1文字ずつ発声する。このあとは鼻歌で同じく「春」のメロディーに乗せて「んー」と「ルー」を交互に繰り返す。次は糸巻きのように指を回しながら「ラリラリラリ」となるべく長く、息継ぎをしないように、次は口を開いたまま発声する。

 発声練習と呼吸を整える練習をしたあとは、吉井さんの伴奏で「桜」と「朧月夜」を合唱した。

詳細はhttps://mbp-japan.com/okayama/sotto-voce/

おまかせ和菓子アフタヌーンティー

 ネットフリックス、月刊誌『ボナペティ』などの人気メディアや日本クラブ、茶菴で和菓子クラスの講師を務める八木共子さん。

 日本で調理師、栄養士の資格所得。父親の糖尿病と息子の強度なアトピー性皮膚炎、アレルギー体質の改善から、身体に良く免疫を高め、美味しいものを作ることに専念し、その独自の栄養学と料理法は現在では、イーストビレッジで夫である八木ボン氏が代表を務め経営する酒蔵や蕎麦屋、茶菴などTICグループの日本食コンサルタントの基盤になっている。

 八木さんがクラスで教える和菓子は、伝統的であり、ニューヨークでも手に入りやすい材料を使用しているので、自宅でも作ることができ、大勢の人に楽しんでもらえる和菓子作りが学べると定評がある。裏千家茶道歴20年のベテランで、ニューヨークにおける抹茶ブームの仕掛け人でもある。

 そんな八木さんが、和菓子とお茶の美味しさを味わってもらおうと イーストビレッジにあるティーハウス「茶菴」(東9丁目230番地)で6月の特別企画として、4日(日)から30日(金)までの金曜と日曜に「おまかせ和菓子アフターヌーンティー」を開催する。

 毎回八木さんが手づくりした白餡から作った練りきりや琥珀糖餅などの日本の伝統和菓子を提供する。ニューヨークで初めてのおまかせ和菓子アフタヌーンティーだ。

 開催時間は、金曜が午後3時〜4時30分、日曜が午後2時〜3時30分と3時45分〜5時15分。値段は70ドル。

 アフタヌーンティーの予約・詳細はhttps://www.chaanteahouse.com

子供の遊び場「ポップイン!」@ラーチモント

 メトロノースのラーチモント駅から徒歩5分、パルマーアベニュー沿いの商店街にある「ポップイン!プレイスペース&カフェ」は6歳までの子供のための遊び場で、広々したスペースにはジムやミニカーセット、ままごと、スーパーマーケットのレジごっこなど様々な遊具と、お絵かきや工作用テーブルが配置され、運動系の子供も文化系の子供も楽しく遊べる工夫がいっぱいだ。料金は親または同行の大人が一緒にいる「ポップイン」が一時間20ドル・90分28ドル・半日35ドル、子どもを預ける「ドロップオフ」が一時間30ドル・90分35ドル・半日65ドル。雨や雪の悪天候や暑さ寒さの厳しい日に子供を遊ばせたり、買い物や美容院に行く時などにドロップオフしたり、親や祖父母の力強い味方になっている。

 「ポップイン!」はオーナーの久留裕子さんが子育てをする中で、子供が遊んで学び、他の子供たちと交流できる安全で楽しい場所が欲しいという願いと、幼い子供を持つ他の親たちと出会い、関係を築きたいという二つの願いを実現したもので、構想3年、ようやく理想的な現スペースと巡り会い、2020年1月にオープンした。ところが二ヶ月後にはコロナによるロックダウンに直面。同年9月に部分的に再開し、段階的に規制から解放されて昨年9月からフルオープンとなった。

 久留さんのほかにスタッフは4人、そのうち2人は幼稚園教諭の免許保持者なのが心強い。今夏は6月28日から8月末まで、3才から5才の子供を対象にしたデイキャンプを開催する。毎週テーマを決めて、そのテーマに沿った学びやクラフトとスナックタイムを楽しむ予定だ。月〜金、午後1時〜4時で料金は一週間(5日)375ドル。

 奥のカフェには本格エスプレッソマシーンがあり、ラテやカプチーノが低価格(1ドル80セント〜2ドル75セント)で楽しめるほか、ハーツデールの「紀州屋」特製ショートケーキやマンゴープリンなどスイーツも販売している(スイーツのみの購入も可)。プレイスペースを元気に走り回る子供を見ながら、美味しいコーヒー、紅茶とスイーツで一息入れられるのも「ポップイン!」の魅力となっている。


Pop In! 

Play Space & Cafe

1997-1999 Palmer Ave. Larchmont

電話914-315-6863 

営業時間は曜日によってことなる

https://popinplaycafe.com/


編集後記 2023年5月27日号

【編集後記】 みなさん、こんにちは。ひと頃、電子書籍ブームで、猫も杓子も本が発行されれば電子書籍化というムードがあり、個性溢れる街の独立系書店、個人経営の書店がどんどんと看板を下ろして、さらにここ3年のコロナ禍のパンデミックの波で大型書店の閉店が続いていました。ところが最近、そんなここ数年の流れに逆行するように、NYを中心に米国で書店復活の兆しが鮮明になってきています。大手書店のバーンズ&ノーブルが、コロナ禍で閉店したアッパーイーストサイド店を新たなロケーションで7月12日に再オープンすると発表しました。同社の出店規模は、2009年から19年まで年に1、2店舗程度でしたが、今年はすでに16店舗が開店し、NY市内で年内に新たに30店舗をオープンする予定です。NYタイムズの報道によると米国内で過去数年に新規オープンした個人経営の書店は300店舗を超え、今後2年間でさらに約200店舗がオープンすると推定されているそうです。そういえば、最近は、朝、夜のメトロノースの郊外通勤電車の中で、タブレットやキンドルではなく、本を開いて座席でゆっくり読書しているに人の姿を以前よりも多く見るようになりました。本を開くと活字がある。それは英語であれ、日本語であれ、紙に印刷(プリント・印字)されていて、今この文字、文章を見ているのは自分しかいない。誰かと同時この文章を共有はしていない。まるでレコード針を落として音楽を一人で聴いているような気分になります。きっと読書は個人的な愉しみなのかもしれません。そんなせいか、書店の棚の品揃えにも変化が見られるようです。今週号の1面に記事が出ています。私は今、同じ今週号の10面の書評を書いた常盤新平訳の「新版」『O・ヘンリー ラブ・ストーリーズ 恋人たちのいる風景』をゆっくりとページをめくりながら楽しんでいます。懐かしい『賢者の贈り物』だけでなく、初めて出会うストーリーを紙の印刷で読めることに喜びを感じています。なぜなら、そのページを開くと、印刷された言葉は、消えずにずっと、削除されることなく永遠にそこにあるからです。それでは皆さんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2023年5月27日号)

(1)米国で書店が復活 大手や独立系続々NYで

(2)シン・仮面ライダー全米で上映へ 5月31日と6月5日

(3)大阪国際音楽コンクール カーネギーでガラ公演

(4)冒険と発見の青春 シネマ映写室

(5)郡仙台市長が国連演説 NY宮城県人会が歓迎会

(6)野口英世の墓参会 張本さんに医学奨学金

(7)広島G7サミット 米国の論調 核軍縮機運高まらず

(8)今日から始めるシニアの断捨離(R) 小林理恵さんが講義 

(9)ウクライナの家庭料理 生き生きEATS

(10)日米バイリンガルのジャーナリスト モンゴメリー花子さん

米国で書店が復活

大手や独立系が続々NYで再開店

 大手書店チェーンのバーンズ・アンド・ノーブルは、コロナ禍で閉店したアッパー・イーストサイド店を新たなロケーション(3番街1556番地、東87丁目)で7月12日に再オープンすると発表した。 

 同社のエイミー・フィッツジェラルド副社長によると、2009〜19年、同社の新規出店舗数は年間1、2店舗程度だったが、今年はすでに16店舗が開店し、ブルックリンのアトランティック・アベニュー店を含め今年中にさらに30店舗を新たにオープンする予定だという。同新店舗は、デュアン・リード跡地の築約100年の歴史を思わせる趣のアゴラ・ビルディング内で、同CEOのジェームズ・ダウント氏は声明で「パンデミックの最中に閉店を強いられたのは非常に辛かった。書籍販売は、ほかのどこでもなくNYで再興している。多くのイベントが再開しているように、書店もエネルギーを発揮し始めている」と伝えている。 

 ネット通販や電子書籍の普及で多くの書店が閉店を余儀なくされたが、昨年7月10付のNYタイムズ紙の記事によると、米国内で過去数年間に新規オープンした個人経営の書店は300店を越え、今後2年間でさらに約200店舗がオープンすると推定されている。NY市内でも、グリーンポイントのボデガ裏の隠れ家書店やベッド・スタイのビンテージ専門書店など、個性的な独立書店が復活しつつあると伝えている。 2004年にノリータ地区で開店した独立系書店「マクナリー・ジャクソン」が5店舗目、最大規模となる支店をロックフェラーセンターにオープンした。書籍の取り揃え方に個性があり、文房具が充実している。日系では紀伊國屋書店NY店が西41丁目ブライアントパークに面した6番街に地下1階地上2階の店舗を構えており、1階は完全にアメリカの書籍だけ、2階はアニメ・漫画専門フロアになっていてアメリカ人客で連日賑わいを見せている。

(写真)ロックフェラーセンターに出店したマクナリー・ジャクソン

シン・仮面ライダー全米で上映へ

5月31日と6月5日、全米一挙700館で

© ISHIMORI PRODUCTION INC. TOEI COMPANY, LTD. /2023 Shin Kamen Rider Film Partners

 ジャパン・ソサエティー(JS)で23日、全米劇場公開に先駆けて映画『シン・仮面ライダー』の北米プレミア上映イベントが開催された。5月31日(水)と6月5日(月)に全米700劇場で上映される。プレミア上映を見たエコノミストのダリオさん(35)は、「最高だ! 仮面ライダーを一本の映画にするのは難しいと思うけど、きちんと映画として完成していて驚いた。新しいムーブメントだと信じている。ぜひまた見たいし原作をお勧めしたい」と語った。映像作家のハーンさん(27)は「CG依存を感じさせないところが逆にリアルで妙に新鮮だった」と感想を話した。金融関係のシェーンさん(33)は、「特にアクションシーンがお気に入りだ」と話し、インスタグラムの告知で今回初めてジャパン・ソサエティーに足を運んだが、会員になりたいと思うほど印象的だったという。

劇場情報はウェブサイトhttps://www.fathomevents.com/events/Shin-Kamen-Rider?date=2023-05-31からZIPコードで検索できる。

 NY市内の劇場は、AMC Empire 25(西42丁目234番地)、AMC 34th Street 14(西34丁目312番地)、Regal Union Square ScreenX & 4DX(ブロードウエー850番地)ほか。

大阪国際音楽コンクール、カーネギーでガラ公演

 大阪国際音楽コンクールガラコンサートが23日夜カーネギーホールで開催された。同コンクールはピアノ、声楽、弦楽器、管楽器を学ぶ若手音楽家を世界に送り出すことを目的に、20年以上にわたり地区本選を開催している。同コンクールはセシリア国際音楽コンクールと共に、世界の地区本選を勝ち抜き大阪ファイナルでの入賞者から選抜された奏者によるコンサート。(写真上:カーテンコールで舞台から挨拶する出演者たち)

 大阪国際音楽コンクールでは、昨年8月にNYで開催した地区本選を世界各地でも開催し、勝ち抜いた者たちが大阪に集い、グランプリや多くの賞を競い合う日本をベースにした国際コンクールへと将来的に育てていくことを目的としている。

 今回参加したのは、石川美音、山田凛仁、椎名春奈、成田寛太郎、中島美由、小森桃子、加藤菜子、柳原将也、ウンビョル・ソン、チャリティー・メイプルトフト、ソレイ・ブリューメル、ジェーン・パーク(敬称略)。

 NYからゲスト出演したオペラ歌手の田村麻子さんは「大阪国際の入賞者のレベルがどれだけ高かったのかがわかって頂けたコンサートでした。嵐のような拍手と声援が送られ、アメリカならではの盛り上がりに、演奏者達もとても嬉しそうでした」と話している。

冒険と発見の青春

Are You There God? It’s Me, Margaret.

 少年が青年へと一歩を踏み出す青春映画は「アメリカン・グラフィティ」「スタンド・バイ・ミー」など数多くあるが本作はそれの女子版ともいえる。ジュディ・ブルームの同名ベストセラー小説(1970年出版)を原作に小学6年生のマーガレットを主人公に思春期を迎える少女たちをユーモアたっぷりに描く爽やかな物語だ。

 時代設定は今から40年以上も前だがティーンになる前の少女たちの興味や悩みはいつの世も共通項がたくさんある。

 マーガレット(アビー・ライダー・フォートソン)は特定の宗教には属さない環境で育った。というのも母親のバーバラ(レイチェル・アダムス)の家族は敬虔なクリスチャン、父親ハーブの家族はユダヤ教で、バーバラの両親はハーブとの結婚に猛反対。以来、14年も断絶状態だ。娘には適切な時期に自分で宗教について考えればいいと思っている。

 父親の仕事の関係でマンハッタンからニュージャージーに引っ越したマーガレット。すぐに学校に慣れるだろうか、友達は出来るだろうか、不安はいっぱいだ。しかし引っ越したその日に向かいの家の同い年のナンシーとすぐに友達になり、さらにふたりを加えた4人の仲良しグループは勉強に遊びにと楽しい学校生活を満喫していた。

 ガールズたちの興味のトップスリーは男子、ブラ、初潮。「秘密はいけない、何でも打ち明ける」がルールだが当然、そこには競争心も働く。仲良しグループでの行動は楽しいし、楽でもある、しかし、多数意見に流されやすく、暗黙のプレッシャーに弱くなるというマイナス面もある。

 マーガレットは少しずつ自分の宗教との関わり、交友関係、自分の意思を強く意識するようになる。チャレンジと発見への旅立ちだ。少女たちを取り囲む大人たちの悲喜こもごもの出来事、マーガレットの父方の祖母シルビア(キャシー・ベイツ)のエネルギッシュなライフスタイルなど年代問わず楽しめる作品だ。脚本・監督は「The Edge of Seventeen」のケリー・フレモン・クレイグ。1時間46分。PG-13。(明)

(写真)新しい環境で緊張するマーガレット(フォートソン、右)と娘を見守る母親(アダムス)
Photo : Dana Hawley/Lionsgate


■上映館■

AMC Loews Lincoln Square13

1998 Broadway

AMC Empire 25

234 West 42nd St.

AMC Loews 34th Street 14

312 W. 34th St.


郡仙台市長が国連演説

NY宮城県人会が歓迎会

 仙台市の郡和子市長は19日、国連本部で開かれた防災に関する国際行動指針「仙台防災枠組」の中間評価を話し合う首脳級会合で演説した。そのあとニューヨーク日系人会で開催されたニューヨーク宮城県人会と出身母校の東北学院大学同窓生らとの懇談会に出席した。懇談会には、同窓生の大清水良裕NY宮城県人会会長、風の環メモリアルコンサートを主宰する白田正樹代表、作家の旦英夫さん、映画「最後の乗客」を監督した仙台出身の堀江貴さんら30人あまりが郡市長を歓迎した。

 郡市長は「国連議長からの要請だったので緊張しましたが、世界の多くの国と地域の防災担当者が出席されていて、あちこちで仙台防災フォーラムの名前、仙台の名前が何度も出てきて、ああ、皆さん、防災=仙台という名前を良く知っていらっしゃるんだなと思いました。国民の皆様も安全・安心のために頑張っておられるのだと実感しました。合わせてまだ、課題が残っている途上国の皆さんからの話も色々あり、まだ厳しいところもあるのだと感じました。今回は、震災後の2015年に仙台で開催された世界防災国連会議で防災の指針として採択された仙台防災枠組みについて報告しました」と述べ「仙台の取り組みについて発信できたと思っています」と話した。

 また、コロナ禍後の日本での入国規制緩和に伴う国内観光需要の高まりについて「杜の都と言われる仙台は、豊かな自然と都市機能がマッチしたとても素晴らしい町です。この間、さまざまな取り組みを進めていて、観光名所もたくさんありますし、美味しい食べ物、美味しいお酒もあります。そして何より人情が素晴らしいのでぜひ大勢の皆様に宮城・仙台に足を伸ばしていただきたいと思います」と笑顔でPRした。

 NY宮城県人会と東北学院大同窓生たちから歓迎を受ける郡市長(中央)

第96回忌、野口英世の墓参会

張本さんに医学奨学金

 日本が生んだ世界的細菌学者、野口英世(1876〜1928)の偉業を讃え、遺徳を後世に伝え、米国で医学の道を志す若き日本人研究者を応援することを目的に墓守り活動を続ける「ニューヨーク野口英世記念会」(HNMS、本間俊一代表)が21日、ブロンクスのウッドローン墓地で96回忌野口英世墓参会と第6回NY野口英世記念奨学金授与式を開催した。(写真上)奨学金を受けた張本さん(中央)と奨学金委員の加納医師会会長(左)と樋口医師

 記念会副代表の加納良雄さんの司会進行で、本間代表が挨拶、野口の荒れた墓を日本人医師会とロックフェラー大学が協力して守って行こうと2013年に同記念会を設立した経緯などを紹介。

 ニューヨーク総領事の森美樹夫大使は祝辞の中で外務省でかつてアフリカ会議を担当したことに触れ「野口博士の偉業は日本の外交官や議員の間でも大きな功績として受け止められており、亡くなった地のガーナには5月1日に岸田首相が訪れていると報告。「永眠しているニューヨークで偉業を顕彰する活動を日本総領事館としてもサポートしていきたい」と述べた。

 野口が黄熱病の研究で多くの命を救ったメキシコの在ニューヨーク総領事館、バネッサ・オルテガ領事が、同会の医療奨学金の継続に感謝の言葉を述べた。米国日本人医師会のロバート柳澤前会長が、野口博士の生まれ故郷である福島県猪苗代にある野口英世記念会の倉根一郎理事長からのメッセージを紹介、NY福島県人会の竹田小夜子会長が感謝の言葉を述べた。

 第6回「ニューヨーク野口英世記念奨学金」はハーバード大学大学院ワイス・インスティチュートで抗がん剤製法の研究と開発に打ち込む張本哲弘さん(32)が受賞し、記念の盾と奨学金2000ドルが授与された。張本さんは兵庫県生まれ。高校卒業後に海外留学しカナダのトロント大学薬学部を卒業、その後、ニューヨークのコロンビア大学大学院の博士課程で医用生体工学の研究を修了し2022年に博士号取得。現在はハーバード大学大学院で研究を続けている。

 張本さんは、野口博士の生涯を彷彿させる有望な日本人の若き医師として同奨学金委員を務めた米国日本人医師会会長の加納麻紀医師と樋口聖医師から高い評価を受け、その研究分野における将来の成果に大きな期待が寄せられている。