東宝映画特撮の名作「怪獣総進撃」

16日JSで特別上映

 ジャパン・ソサエティー(JS)映画部とトライベッカ・フェスティバルの一部門「エスケープ・フロム・トライベッカ」は16日(金)午後7時から、JS内劇場(東47丁目333番地)にて、1968年に公開された東宝特撮の名作『怪獣総進撃』(Destroy All Monsters)の55周年を記念した特別上映会を開催する。本多猪四郎監督、伊福部昭の音楽、ゴジラシリーズやウルトラマンシリーズの特撮で知られる円谷英二の特技監修によるこの作品は、東京、パリ、北京、モスクワ、ニューヨークを舞台に怪獣が集結し、斬新なアクションと破壊を繰り広げる昭和最大のゴジラシリーズ。ゴジラ、ラドン、モスラ、アンギラス、バラン、バラゴン、キングギドラなどの東宝怪獣が集結する。出演は、久保明、田崎潤、小林夕岐子ほか。カラー、日本語上映・英語字幕付き。上映後はレセプションが開催される。

 入場料は一般18ドル、JS会員14ドル。チケット・詳細はウェブサイトhttps://japansociety.org/ 

(写真)NYに出現したゴジラ © TOHO CO., LTD.

バレエの楽しさを伝える

針山バレエ NY Dance Artistry主宰

針山 真実さん

 針山真実さんは2005年にニューヨークで自身のバレエスクール「針山バレエ教室」を設立し、その後、ニューヨーク・ダンス・アーティストリーと改名、日米でバレエ講師、バレエピアニストとして活動している。今月4日、スプリングパフォーマンスがアッパーウエストサイドのリバーサイドチャーチシアターで森大使夫妻を迎え開催され、3歳から18歳までの生徒54人がステージで日頃の練習の成果を披露した。2019年に現在のウエストサイド33丁目のスタジオに移転した時には110人いたが、移転半年後に新型コロナウイルスのパンデミックとなり、フィットネスやバレエは軒並み対面レッスンができなくなりZOOM指導が主体となる中で、生徒数が半減したが、幸いスタジオは政府のサポートや大家の理解があり維持することができた。

Photo:Naoki Fukuda 

 針山さんは大阪出身でクラリネット奏者の父親とピアニストの母親、2人の姉の影響を受けて幼少よりバレエとピアノを学んだ。2003年ニューヨークに単身移住。アメリカンバレエシアターをはじめ有名ダンススタジオやバレエ団でピアニストとして活躍。Avexより発売されたディズニー公式バレエレッスンCD計6枚の全曲を編曲、演奏。同時にバレエ指導者としても活動。生徒らはコンクールで数々の優秀な成績を受賞。多くの公演プロデュース・制作・振付もしている。「コロナ以後さらにスタジオの経営は悪くなり精神的にも厳しくなりスタジオを閉めようと思いましたが、昨年日本で新しく発足したバレエプロジェクトのメンバーとなり立ち上げと同時に、日本に避難したウクライナバレエダンサーたちのサポートのためニューヨークを一時離れました。現在またニューヨークに戻り自身のバレエスタジオで指導、パフォーマンスの準備をしています」と心機一転、新しい気持ちでニューヨークでのスタジオをまた盛り上げていきたいという意欲に駆られているところだ。

 今後は「バレエを教える、表現することを教える、それらの楽しさを伝えたい。そして目標を持つ大切さや、バレエ以外で私がこれまで多くの先生方や先輩陣から学び得て人生のために良かったことを教えていきたい」と話す。今回、多くの人、特に子供たちに音楽やバレエの楽しさや良さを知って欲しいと思い、スタジオを改良したという。「劇場ではなくてもバレエや他ジャンルの芸術に身近に触れ楽しめる機会をこれから創っていきたい」。家庭では6歳長女と2歳長男がいる。「小さくても人格があり自我もあり、バレエを教えるよりずっと難しいです」と一瞬母親の顔になった。

(三浦良一記者、写真も)

世界の仲間と考え語るプロジェクト

JOES Davos Next 2023
基調講演 阪口秀博士

エントリー開始、6月30日締め切り

 海外勤務に伴う子供の教育に関連するあらゆる支援活動を行っている海外子女教育振興財団(JOES)が運営を担うオンラインイベント「JOES Davos Next 2023」プロジェクトのエントリーが始まり、小学校高学年から中学生の世代の児童生徒たちの参加を世界中に呼び掛けている。

 このプロジェクトは、次世代を担う国内外に在住している児童生徒が、世界的課題に対して関心を持ち「自ら調べ、考え、発信し、行動する」主体性を養い、 異なる視点を持つ仲間と連携・協働して磨き合って、その課題解決・改善に 向けた取組を進めていくきっかけとなる学びの場を提供することを目的としている。昨年度に行われた第1回目の開催では、京都大学 iPS細胞研究所名誉所長の山中伸弥教授を講師に迎え「夢を叶える力」と題した基調講演を行い、オンライン配信により世界各地から約1万人の児童が参加した。

 今年はまずパート1として、9月7日(木)に笹川平和財団海洋政策研究所所長の阪口秀博士を迎え、「- 海の生き物からのメッセージ – 住みにくくなってきた? 仲間がいなくなってきた? 海の今と未来を考えよう!」というテーマで「基調講演」を行う。パート2の「協働作業」は、9月から10月までにかけて6人程度のグループでオンラインによるディスカッションを行う。基調講演に参加して各自考えたことをふまえ、世界中の仲間とともに学びを深める。さらにパート3として11月19日(日)にオンラインで気軽な「交流会」を開催する。

 参加費無料。エントリーの締め切りは日本時間6月30日(金)の正午まで。問い合わせ・申し込みはEメール jdnext@joes.or.jp 、または電話81・3・4330・1351(Davos Next事務局)まで。詳細はウェブサイトhttps://www.joes.or.jp/kojin/jdnextを参照する。

編集後記 2023年6月3日号

【編集後記】 みなさん、こんにちは。なぜ、失恋の痛みはかくも深いのか? なぜ、多くの人は自分は損ばかりしていると思っているのか、なぜ、人は墓にこだわるのか、なぜ品川ナンバーは練馬ナンバーの人をバカにするのか、など一見無関係に見える人の気持ちやさまざまな日常現象もすべて「自己愛」という共通のレンズを通して見ればスッキリ納得する。今週の書評欄で取り上げた一冊の本に書き連ねてあることは著者自身が「学問的観点から見て、はなはだ客観性に欠けることばかりだ。しっかり吟味した根拠があるわけではなく、体系だった研究や地道な調査に基づくものではない。どれもこれも、友人のダンナが言うところの「Heavy Moon(重い月)=思いつき)に過ぎない」とある。本のタイトル『人は燃やせば骨と自己愛しか残らない』(東京図書出版)通り、全編がその一点で貫かれている。著者の木田橋さんは、40年以上にわたり米国で暮らし、現在はニュージャージー州フォートリー在住。市場調査会社勤務でキャリアを積む傍らビジネス関連記事を多数寄稿し、退職後はコロンビア大学客員研究員として社会の高齢化に関する研究活動を行ってきた。ここ数年、ダイバーシティーという言葉が企業で持てはやされ、コンサル報告書に「多様性」などと訳して書くと企業側から「ダイバーシティーそのままで」と注文がつくほど市民権を得た言葉だが、ダイバーシティーが進むとなぜ良いのかという点について著者は「序列の松竹梅」の中で、自分の価値を確認するのが難しい松以外の竹と梅が松と混じることによって新たな価値観や単に「正しいこと」以上に「質が高まると得になる」という価値創造のメカニズムがそこにあるからだと論じる。そして自己愛の究極は、他人がどう思おうと「Every one is special! You should proud of yourself (誰もが特別の存在! 自分自身に誇りを持つべきだ!)というスローガン。「オリンピックは参加することに意義がある」というが、オリンピックは参加するまでのハードルが恐ろしく高いので、所詮他者との比較は無意味だと。比較さえしなければ、極悪人であろうとも誰でも間違いなく価値ある人になれると説く。最後に若い世代が最近使う「YOLO!」。「You only live once)=人生は一度きり」という言葉を紹介する。「日常的には、高いけどこれ買おうかなあ。YOLO! 買ったら?」という感じで使うそうだ。人生は一度しかないという厳粛な事実を明確に認識し、その時々の自分の思いを大切に人生を積極的に楽しもうという自己愛と相性の良いモットーだ。実はまだ半分も読んでないけれど、面白かったので書評でご紹介しました。あと半分読むのが楽しみです。それでは皆さんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2023年6月3日号)

(1)世界から艦艇 NYでフリートウィーク 

(2)移民受け入れ限界に NY市避難所確保免除訴え

(3)世界が認めた本格芋焼酎 MORRISダブル受賞

(4)まるで 太陽にほえろ!

(5)元女子プロレスラー山崎五紀が経営 EATOUT

(6)在外はネット、国内は郵便投票が安全弁 海外日本人サポート

(7)NYに眠る日本人たち メモリアルデー墓参会

(8)自宅でできる声トレ 吉井江里さんオンライン講義 

(9)子供の遊び場「ポップイン!」 ラーチモントに

(10 )おまかせ和菓子アフタヌーンティー 八木さん手作り

NYでフリートウィーク、世界から艦艇

今年はNATOも参加

艦艇から降りて自由時間を楽しむ水兵たち

 1984年以降、ニューヨーク市で行われている米海軍、海兵隊、沿岸警備隊の推進週間「フリートウィーク」が、メモリアルデーの週末を挟んだ5月24日から30日まで開催された。

 ハドソン川に巨大な海軍艦艇が停泊し、約2400人の水兵・沿岸警備員が上陸。期間中は、船のパレードや水難救助のデモンストレーションなど、さまざまなイベントが開催された。 

 ピア88には強襲揚陸艦として世界最大級のUSS WASPの一般公開も行われ、多くの観光客や家族連れが普段見ることのない戦艦内部を見学した。隣のピア86に常設展示となっている空母イントレピッド海上航空宇宙博物館では甲板に往年の米海軍機やヘリコプターなどが展示されており、大勢の観光客が訪れている。今年は米海軍の艦船3隻、沿岸警備隊の艦船2隻、米海軍兵学校の艦船4隻のほか、北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるカナダの海上沿岸防衛艦、イタリアのフリゲート艦、英海軍の測量船が寄港した。 (写真上)米国海軍の艦上戦闘機などが展示されている空母イントレピット海上航空宇宙博物館の甲板(5月27日、三浦良一撮影)

航空母艦が常設博物館

ハドソン川に「イントレピッド」

米側から見た戦争の歴史

 フリートウィークで賑わいを見せたニューヨークで、イントレピッド海洋航空宇宙博物館(Intrepid Sea, Air & Space Museum)には、連日多くの観光客が来館している。同博物館は、米海軍で使用されていたエセックス級航空母艦「イントレピッド」を利用し、艦船や航空機の展示を行っている。場所は、ウエストサイド・マンハッタンのハドソン川沿いの西岸・86番桟橋に接岸。イントレピッド財団が運営を行っており、1982年に開館した。86年に合衆国国定歴史建造物に指定された。飛行甲板上には各種航空機が展示されている。このほか潜水艦やコンコルドも展示されている。また博物館にはアメリカ海兵隊の募集事務所があるほか、艦隊週間の際にはホストとして機能する。また館内にはレストランやミュージアムショップなどの各種施設もある。 

 退役後の空母「イントレピッド」は築80年以上になる86番桟橋が老朽化が著しく、2006年には近代的なものに改築するのと同時に、「イントレピッド」にも補修改修工事を施すためにハドソン川を約8キロメートル下ったニュージャージー州ベイヨンのドライドックへ一時移動。飛行甲板の修理、未公開エリアの整備、外装の再塗装などの補修改修工事が施され、2008年秋には改修された86番桟橋に無事戻され博物館として再オープンした。同博物館は、航空機を展示している甲板(フライトデッキ)とギャラリーデッキ、体験見学・歴史展示会場となっているハンガーデッキの3層からなっている。ハンガーデッキには、特別展として太平洋戦争中に米海軍を恐怖のどん底に陥れた日本軍の神風特攻隊のアメリカ側から見た分析や映像などが展示されているコーナーもある。詳細はhttps://www.intrepidmuseum.org

 入場料は大人(16歳から64歳まで) 36ドル、シニア(65歳以上) 34ドル、子供(5歳から12歳まで) 26ドル。4歳以下は無料。(写真・三浦良一)

まるで太陽にほえろ!

 メモリアルデーの5月29日と30日、今年最初の「マンハッタンヘンジ」が観測された。太陽がマンハッタンを東西に走る通りに沿って沈む現象で、年に2回だけ見ることができる。高層ビルの間を沈みゆく美しく輝く夕陽を見るため毎年多くの人が訪れ、この時期の風物詩となりつつある。特にグランドセントラル駅の前にある橋の上やチューダーシティブリッジの上は印象的な眺めが楽しめる。今回、、29日午後8時12分にこの現象を42丁目から撮影した写真家の植山慎太郎さんは「メモリアルデーの本日は天気も良く大勢のフォトグラファーやビデオグラファーが駆けつけていました」という。燃えるような大きな太陽が落ちていく。昔の日本の人気テレビドラマ「太陽にほえろ!」のオープニング音楽が聞こえてきそうだ。次回今年2回目のマンハッタンヘンジは7月12日(水)と13日(木)。  

(写真・植山慎太郎)

移民受け入れに限界

NY市避難所確保の免除求める

 ニューヨーク市のアダムス市長は5月22日、連邦の移民流入制限措置「タイトル42」が5月11日に失効し、先週は5800人以上、先々週は4200人以上の移民が市内に到着し、ホームレス保護施設(避難所)の確保や受け入れ業務に負担がかかっており、市の福祉サービスを脅かしていると語った。

 アダムス市長は、市には求めた人には避難所を提供しなくてはならないとする「避難所法」があるが、全員を受け入れる能力を超えていると主張、義務の一部を免除する許可をニューヨーク市裁判所に求めた。「安全で適切な避難所を提供するための十分な避難場所、人員配置、警備を確立し維持する資源と能力が不足している」場合には、ホームレスの成人や成人の家族への避難を拒否できる」と条文を変更するよう求めた。

 テキサス州のアボット知事(共和党)は昨年春より、移民問題の深刻さが分かっていないと国境に押し寄せる中南米からの不法移民をニューヨークなど移民に寛容な都市にバスで移送しているが、ホームレスを支援している団体はテキサス州からの不法移民はホームレス増加の一部分に過ぎないと主張している。ホームレス連合によれば移民で避難所利用を申請した人は1日あたり100人ほどで、市の予算局が述べている約600人よりはるかに少ない。ホームレス・サービス・ユナイテッドのキャサリン・トラパニ事務局長は、「誰が亡命希望者で、誰が避難所を探している人なのかを市当局がどのように判断しているのか不明だ」と語った。

 コロナ禍で移民を制限する緊急公衆衛生命令「タイトル42」の失効でメキシコとの国境に押し寄せる移民が増加すると予想された。しかし連邦当局によれば失効直前の数日間こそ1日あたり約1万人と急増はしたものの失効後は5000人ほどに半減したという。アボット知事の広報担当者は、先週数百人の新規の移民希望者をニューヨークに送ったとしており、アダムス市長の5800人といった数字とはかけ離れている。移民支援を行っている団体によれば、先週到着した移民は550人未満だという。これとは別に旅客機で空港に到着する移民も1週間で数百人程度という。

移民に寛容なNYに影

連邦政府に財政支援の訴える

 ニューヨーク市は不法移民に対して寛容な政策を取っているいわゆる聖域都市(サンクチュアリ・シティ)の一つ。移民の増加に対応するためアダムス市長は昨年10月、非常事態を宣言し10億ドルの特別予算を組んだ。ホテルや学校の体育館を避難所として利用したり、移民の一部をバスで北の郊外の町に送るなどしている。市の推計によれば、昨年1年間に保護施設に来た移民や亡命希望者は約7万3000人。うち約4万4000人市が運営するホームレス避難所や緊急住宅に住んでいる。 

 アダムス市長は5月10日、避難所法にある「バス、トイレ付き」の条件や夜10時までに来た子連れの移民には必ず寝床を提供しなくてはならないとする決まりを一時停止する行政命令を出した。現在では学校の体育館も避難所に使っている。ルーズベルトホテルなど緊急避難用ホテルでの30日以上の滞在は認めない方向だ。市は財政負担が大きいため連邦政府や州の支援が必要だと訴えている。

世界が認めた本格芋焼酎 MORRISダブル受賞

鹿児島発の飲む香水

サンフランシスコとロンドンで受賞

 日本発ファッションブランド CHIE IMAI プロデュース 本格芋焼酎 MORRIS(モーリス)が世界で最も権威ある2大酒類コンペティション「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション2023」で2度目の「ダブルゴールド賞」を、ロンドンで開催の「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ2023」において「ダブルゴールド賞」を受賞した。

 ファッションデザイナーは次なるアイテムとして香水をプロデュースするが、CHIE IMAI のリードデザイナー今井千恵の感性は、ただの香水ではなく「飲む香水」を造りたいと考案。生まれ故郷の鹿児島で1年半もの時間を掛け、固定観念を打ち破る華やかで飲みやすい「 花、香る、飲む香水 本格芋焼酎 MORRIS」を誕生させた。アルコール度数25度、容量720ミリリットル、糖質0。問い合わせ・詳細はウェブサイトhttps://chieimai.comを参照する。

元女子プロレスラーの山崎五紀がNYで経営

 マンハッタンのミッドタウン西35丁目に2021年秋オープンした「変なホテル」。その1階にある「五助-秋光」は、カウンター寿司席8席、ダイニング席26席のほか、貸切宴会のできる屋外ダイニングエリア14席を持つ落ち着いた和食レストランで、ホテルの宿泊客はもちろん仕事帰りのニューヨーカーたちで賑わう人気の店だ。

 同店のオーナーは、かつて日本の女子プロレス黄金時代を築いたJBエンジェルスで立野記代と名コンビを組んだ「ロープ際の魔術師」と言われた女子プロレスラー、山崎五紀(いつき)さんだ。五紀さんは、1981年に全日本女子プロレスに入門し、87年に米国遠征、88年WWF(WWE)タッグチャンピオン、91年に後楽園ホールで引退試合をして92年に来米した。3人の子育ても手を離れたことから1年半前、同店の経営を始めた。

 東京浅草の老舗天ぷら店「秋光」とコラボして出される天ぷらは、浅草本店に引けを取らない美味しさだ。

 パーティーなども受けており、グループ客などに人気なのはボリュームたっぷりでシェアできる天ぷら盛り合わせ「極み」=写真=。穴子2本、海老、キス、鶏肉、野菜4種が入って90ドル。寿司は、お任せで150ドルと100ドルのコースがある。どちらも異なった小鉢と前菜がつく。また酒の肴として人気なのが、鯖の竜田揚げ(12ドル)、蛸の磯辺揚げ(9ドル)、手作り餃子(9ドル)。食事ものとしてはカツ丼(30ドル)、すき焼き(小鉢2つと温泉玉子付きで35ドル)、鍋焼き(30ドル)、天ぷら蕎麦、うどん(ランチ27ドル、ディナー30ドル)も定番料理だ。

 「従業員一同フレンドリーなお店としてお客様が食べにきてよかったと言ってもらえるお店を心がけてます」と話す五紀さんの笑顔に魅せられ、プロレスファンはじめ、NYに来る日本人レスラーは必ず立ち寄る店になっている。

 先ごろ、女子プロボクシングの元WBO女子世界スーパーフライ級王者の吉田実代が、米国デビュー戦で勝利した後の祝勝会も同店で行われた。(三浦)


GOSUKE-AKIMITSU

@HENN NA HOTEL

235W 35th St.

(bet 7th & 8th)

月ー土ランチ11:30-14:30(L.O)

ディナー 17:00-22:30 (L.O)

日曜:定休日 TEL: 646-861-1741

https://gosukerestaurant.com


NYに眠る日本人たち

メモリアルデー墓参会

日本人墓地で合掌

 メモリアルデーの5月29日、クイーンズのマスペスにあるマウント・オリヴェット日本人墓地で恒例の墓参会がニューヨーク日系人会(JAA)の呼びかけで開催された。墓参会にはニューヨーク総領事の森美樹夫大使、佐藤貢司JAA会長、岡田雅彦ニューヨーク日本人学校校長、岡本徹ニューヨーク育英学園学園長、相田道治NY日系ライオンズクラブ会長ら30人余りが参列した。竹田勝男JAA副会長の進行で、NY仏教会のイザベラ・バーナード両住職が読経し、一人ひとりが焼香と献花を行いソプラノ歌手の田村麻子さんが日米国歌斉唱とアベ・マリアを歌った。前日NY日系ライオンズクラブがボランティアで清掃し、墓石にはNY育英学園児童手作りの日米の小旗が一面に飾られた。(写真)写真は、左から竹田氏、相田氏、バーナード住職、岡田氏、田村氏、森大使、佐藤氏、岡本氏、ウエイン牧師

 JAAは1907年に医師・高見豊彦博士が日本人墓地の購入と日本人の相互扶助を呼びかけ設立した日本人共済会をルーツとする。1914年に高峰譲吉博士を会長とし、高見博士を副会長にNY日系人会が設立された。高見博士は、新島襄に憧れ、1890年熊本藩を出藩して1891年に大阪から米国に向け出航。コーネル大学医学部を2番の成績で卒業した。在学中の日本人男子の解剖に立ち会った際、番号だけで処理されてしまう現実を目の当たりにし、コロンビア大学学生会で在留邦人に相互扶助と親睦、日本人墓地の購入を説く演説をして協力を訴え、1912年に同墓地内に日本人のための土地を2500ドルで購入した。現在同墓地には、100人近い日本人、日系人と無縁仏の霊が眠る。

 佐藤JAA会長は「墓参会は今年で112年目。今後も相互扶助、助け合って100年をモットーに活動を続け先駆者に感謝の意を表し、今後もその意思を引き継いでいきたい」と挨拶した。森大使は「日本を離れ、この地で生き抜くために苦難を乗り越えていった人々が、遠く日本に思いを馳せながらも同胞を深く思いやる気持ちを持ち続け、日系社会の礎を築かれたことに深い畏敬の念を抱くと同時に米国との友好関係を一層進化、深めて行かなくてはならないとの思いを新たにした。総領事館としてJAA、関係諸団体と共に日本人墓地を今後も大切にお守りしていきたい」と挨拶した。

 日米合同教会のピーター・スタンレー・ウエイン牧師、岡田NY日本人学校校長、岡本NY育英学園学園長、相田日系ライオンズクラブ会長がそれぞれスピーチした。

在外はネット投票、国内は郵便投票が安全弁

 5月16日「在外投票を推進する議員連盟」総会が開催され、新体制で逢沢一郎会長、岩屋毅副会長、青柳仁士副会長、西村智奈美事務局長などが出席しました。私は数年前に会長を務めていました。

 海外有権者ネットワークNYの竹永浩之さん(ZOOM)、海外有権者ネットワーク日本の若尾龍彦さん、総務省森源二選挙部長、外務省長尾成敏領事局政策課長からヒアリングを行いました。

 若尾さんは、1993年の「海外在住者投票制度の実現をめざす会」の設立以来の、村山首相への陳情、1998年の比例区の郵便投票の実現、最高裁での違憲訴訟の全面勝訴、2005年の小選挙区・比例区・郵便投票+在外公館投票の実現などを報告しました。              

 竹永さんは「在外投票困難問題 投票したくても投票できない海外有権者たち」という題で報告しました。一、遠すぎる在外公館 片道数時間/飛行機や船、宿泊も/在外公館未設置42カ国 二、短すぎる投票期間 平均の在外公館投票期間4・17日 三、間に合わない郵便投票 不安定な各国の郵便制度/郵便サービス低下/選管のミス、が骨子です。

 特に郵便投票が、日本国内での配達日削減、不確実で長時間を要する各国の郵便制度などで5割前後が無効となり、在外公館投票に代わる安全弁として機能していない実態が示されました。つまり、在外公館増設や投票期間延長が不可能な中、ますます在外投票ができないのが現状です。

 岩屋毅副会長がこの点を指摘し、在外郵便投票は無理なので、ネット投票の安全性を高めるべきと指摘しました。

 日本国内の場合は、投票所に行けない場合は郵便投票が機能します。郵便制度が信頼でき、投票可能日数も在外よりはるかに長いからです。つまり、郵便投票が安全弁として機能するのです。

 与党の中には「在外ではネット投票しか安全弁が無いことは理解できても、それを導入すると将来必ず国内でもネット投票の導入につながるので反対」との強い意見があるようです。

 「在外はネット投票、国内は郵便投票が安全弁」との視点を訴えることも重要です。

 超党派の議員連盟でこうした議論をボトムアップで積み上げる一方で、国会の政治倫理公職選挙法特別委員会で意見を出してもらい、そこから合意を探ることも一案との提案も出されました。議員連盟の今後の活躍に期待しましょう!

 ふじた・ゆきひさ=慶大卒。世界的な道徳平和活動MRAや難民を助ける会で活動した初の国際NGO出身政治家。衆議院・参議院議員各二期。財務副大臣、民主党国際局長、民進党ネクスト外務大臣、横浜国立大講師等歴任。アメリカ元捕虜(POW)の訪日事業を主導。現在国際IC(旧MRA)日本協会会長。岐阜女子大特別客員教授。