【編集後記】 みなさん、こんにちは。日本のポップカルチャー「カワイイ」文化と「寿司」の日本食文化とを合体した新コンセプトの寿司レストランがこのほどニューヨークのソーホーに開店しました。世界のセレブに愛された原宿「KAWAII MONSTER CAFE」を生み出した “King of Kawaii”の異名を持つアーティスト、増田セバスチャンさんがクリエイティブディレクションを務めているお店「SUSHIDELIC(スシデリック)」です。店内に入るとまるで異世界に迷い込んだようなサイケデリックでアイコニックな空間が広がります。ゲストを案内するのはカラフルなオーダーメイドの衣装を身に纏ったキャストたち。天井には、3匹の猫のアートが展示され、カウンター席から楽しめる回転寿司レーンは、ピンク色の特注品。増田セバスチャンの「カワイイ」を見て触れて食べる、単なるレストランでの食事を越えた体験を提供するのがコンセプト。パフェグラスに盛られたチラシパフェ、カラフルなアペロール、マカロンのマグロづけサンドなど斬新なメニューのおまかせが85ドル。6月28日にオープンしたばかり。増田さんは「ニューヨークに移住してきて約1年。街を見て思ったのはNYは意外と色がないことです。そこでアートで元気にするのは何かと考えたら、カワイイを使ってこの街に勇気を与えられる寿司の新しいプレゼンテーションをやることにしたんです。サイケデリックとデリシャスをテーマにアートや音楽も含めてアディクトするものというのがコンセプトで店名をスシデリックにした」そうです。寿司を握るのは、自動寿司ロボットで、日系メーカーのオーティックが全面的に担当していて、米国で年間2000台を販売する勢いのある会社が技術面を支えています。もはやこれが寿司と呼べるのかどうかもわからなくなるカラフルな寿司アート。誰も考えつかない世界の提言ですが、すでに7月の予約は一杯でSNSでインフルエンサーが拡散してなんと2300人がウエイティングの予約待ちという食べる前からの大人気です。住所は177 Lafayette St, New York, NY 10013です。それでは皆さんもよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)
増田セバスチャン=1970年生まれ。ニューヨーク在住。1990年代前半より演劇や現代美術に関わり、95年に表現の場としてのショップ「6%DOKIDOKI」をオープン。一貫した独特な色彩感覚からアート、ファッション、エンターテインメントの垣根を越えて作品を制作。2017年度 文化庁文化交流使、18年度ニューヨーク大学客員研究員、19年 Newsweek Japan 世界が尊敬する日本人100人に選出。
21日は日本酒伝道師のジョン・ゴントナー氏が「Flavors Across Japan」と題したワークショップを行った。各蔵のテロワールや地域性、それぞれの蔵の日本酒の特徴を紹介しながら参加者はテイスティングをした。22日はurbansake .comの創設者ティモシー・サリバン氏が「In Search of the Perfect Sip」と題した、楽しい日本酒の飲み方について講演。また今年秋にはニューヨーク州ハイド・パークに製造蔵をオープン予定の山口県旭酒造「獺祭」の桜井博志会長がニューヨークの製造蔵について講演した。
ホワイトプレーンズから車で北へ約45分、パットナム郡の小さな町ガリソンの南に位置する「マニトガ」。1900年代半ばに活躍したデザイナー、ラッセル・ライト(1904〜1976)の居宅とスタジオ、庭園を一般公開しているもので、ライトはこの場所を原住民族アルゴンキン族の言葉で「Place of great sprit」を意味する「マニトガ」と名付けた。数年前に「インテリアデザインやガーデンに興味がある人は必見」と米雑誌に紹介されていたのを読み、行ってみよう!と思ったものの冬季は閉鎖+春から秋も金〜月のみ公開+完全予約制のため、タイミングが合わずなかなか実現できずにいたが、この6月にようやく訪れることが出来た。期待を遥かに超えた素晴らしい体験で、NY郊外の「お気に入りの場所」がまた一つ増えた。
ラッセルは他に家具やテキスタイルもデザインし、当時のアメリカンデザインを牽引する一人として活躍。妻のマリーはビジネス面で才覚を表し、「ライト・ブランド」を不動のものに築き上げた。また、夫婦は効率的な設計と家事管理により家事を減らして余暇時間を増やす方法「Guide to Easier Living」を出版、ベストセラーとなる。