老舗洋服店内に憩いの場


 アメリカン・トラッド・ウエアの老舗ブルックス・ブラザーズの店内カフェ「レッド・フリース・カフェ」2号店が、このほどマンハッタン東44丁目マジソン街のブルックス・ブラザーズ本店1階に開店した。
 一昨年にブロードウエーと20丁目の角にある同店に1号店が開店して老舗洋服店にカフェ併設と話題を呼んだが、マンハッタンのビジネス街にある本店は、洋服売り場と同じフロアでしきりがなく、売り場の中でコーヒーを楽しめるスタイル。米国では書店内にカフェが併設される所が多いが、洋服店では珍しい試み。
 カフェ名のレッド・フリースは、ブルックスがアメリカン・トラッドの服飾ラインを若者にもっと着てもらおうと作った新ブランドで、値段がブルックス・ブラザーズ本体ブランドよりも幾分安いのが特徴。同ブランドを広く浸透させるのと同時にオンラインショッピング全盛のなかで実店舗に足を運んでもらう試みとして注目されている。
 店内で出されるコーヒーはオレゴン州ポートランドのスタンプタウン・コーヒー。そのほか紅茶、ワインなどが飲め、サンドイッチやバルザベーカリーのペイストリーなどが楽しめる。ブルックス・ブラザーズのクラウディオ・デル・ベッチオCEOは「本店にカフェができたことで、長年おつきあいいただいている近隣のビジネスパーソンの皆さんに憩いの場が提供できる」と話している。赤い可愛いコーヒーカップも15ドルで販売している。(三)

Red Fleece cafe
Brooks Brothers
346 Madison Ave,
(bet 44th & 45th Sts)
Tel:212-682-8800
営業時間
月曜〜金曜 8:00~20:00
土曜   9:00~19:00
日曜   11:00~19:00

ウイグルへのオマージュ

ミヤコ・ヨシナガ画廊で開催中
リサ・ロス写真展

 ニューヨーク在住の米国人写真家、リサ・ロスの個展「アイ・キャント・スリープ:ウイグルへのオマージュ」が17日、チェルシーのミヤコ・ヨシナガ画廊(西27丁目547番地204号室)で始まった。
 タクラマカン砂漠では人々は屋外にベッドを置いて暮らしている。新疆ウイグル自治区で暮らすウイグル族の文化や人々を15年前から撮影してきたロスは、近年、中国政府の人権弾圧が強まるなか、被写体となった人々の行く末を憂う気持ちから同展を開催した。女性や子供が屋外ベッドの上で遊んだり凝視したりする素朴な姿を写した写真9点を展示、画廊壁面には、ロスの親友で1年半ほど前から行方不明となった人類学者ラヒル・ダウットさんを撮影した単色写真をインスタレーションとして配置している。
 初日夜にはレセプションがあり、大勢の人が詰めかけた。フランス在住のウイグル人パフォーマー、ムカダス・メジットが近年行方不明となった詩人や音楽家のためにロスと協同で創作した歌や踊りを演奏した。ロスは、「今回の個展はウイグルの人権問題を広く知ってもらう目的。2007年頃に撮影した写真で被写体はありのままの姿、特にポーズをお願いしていない」と話した。ニューヨーク在住ウイグル人のアメジャン・カシュガリさんは、「たくさんの人が会場に来ていることがうれしい。ウイグルで何が行われているか知ってもらうきっかけになる」と話していた。
 2月23日(土)まで。入場無料。開廊時間は火〜土曜の午前11時から午後6時まで。詳細は電話212・268・7132、またはウェブサイトwww.miyakoyoshinaga.comを参照。 (小味かおる、写真も)

お片づけで!ときめき再び

「近藤麻理恵さん流」ネットでも大ブーム

 片づけコンサルタントの近藤麻理恵さん(34)が新年早々、ネットフリックスのオリジナル番組に登場するや「コンマリ流片づけ」が米国で大ブームとなっている。
 同番組は全8回で世界配信、近藤さんが毎回米国内の家庭を訪問して、一点一点「ときめく(スパークジョイ)」ものかどうかを見極めて片づけていく。放送直後からミレニアル世代がインスタグラムなどで話題にして、すっきり片づいた引き出しなどの写真を公開し合い、「一か所に集めてみたら90%の衣服にときめかなかったのよ」「コンマリメソッドに夢中」などの投稿が殺到した。
 11日付ワシントンポスト紙によると、地元リサイクルショップ「グッドウィル」には放送後1週間で前年比66%増の寄付があり、競売業者には家具の引き取り予約が殺到したという。同紙は、連邦政府機関の一時閉鎖のために自宅で片づけに取り組む人が増えたのではとも分析する。
 近藤さんは2011年に『人生がときめく片づけの魔法』を出版、14年に英語訳が出版され世界的に有名になった。現在はカリフォルニア州在住。

ビッグイベントに参加して アローハ!

ホノルル マラソンと市内散策

 昨年12月9日に開催されたホノルルマラソンは今回で46回目を迎え、世界最大級の市民マラソンになりました。多くのランナーを虜にするホノルルマラソンの魅力をご紹介いたします。

ブルックリン最小のオペラ団レジーナオペラ公演

 1970年にブルックリンのボローパークで創設されたレジーナオペラ。レジーナパシス教会の会員だったマリー・カント二さんとニコラス・ティエルノさんが地元で一流の舞台芸術を紹介したいと賛同者を募って「ブルックリン最小のオペラ団」として始めた。ニューヨーク市内にはこうしたオペラ団がいくつかあったが、同オペラ団はアットホームな雰囲気ながらもオーケストラや舞台演出、出演歌手など本格的で、若手の歌手や演奏者に上演機会を与え着実にファンを獲得して生き残ってきた。
 第49季となる今季は昨年11月に「ヘンゼルとグレーテル」を終え、3月上旬には「ラ・ボエーム」、5月には「イル・トロヴァトーレ」をオーケストラ付きで上演予定だ。
 オペラ上演以外にも定期的にコンサートを開催、2月3日(日)午後3時から5時まで、本拠地のOLPHオーディトリアム(マンハッタン6番街5902番地、60丁目の角)で「サリュー・トゥー・ブロードウエー」と題する公演がある。オペラ座の怪人、マイフェアレディーなどのブロードウエーミュージカルの曲を、ギターとフルートとピアノの伴奏で、ケイティ・リポウ(ソプラノ)、ジャスティナ・ジエモラ(ソプラノ)、エリン・モール(メゾソプラノ)、マアヤン・ボス・デ・ベタンコート(メゾソプラノ)、タイ・コリンズ(テノール)、マーク・コットン(バリトン)が歌う。
 入場券は16ドル。問い合わせは電話718・259・2772、またはメールreginaopera@seijo.com (Mr. Joe Delfausse)まで。ウェブサイトはreginaopera.org を参照。

出版とニューヨークの街

 

秦 隆司・著 ボイジャー・刊

 昨年12月に発行されたニューヨーク在住の編集者、秦隆司の著作『ベストセラーはもういらない』は、アメリカの出版事情を元にニューヨークの街を描いた本だ。

編集後記 1月19日号

みなさん、こんにちは。本紙「週刊NY生活」を発行するニューヨーク生活プレス社は1月13日、コンテンツ共有プラットフォーム「nor.(ノアドット)」を利用した情報サイトなどへのニュース記事の配信をはじめました。nor.は共同通信デジタルとヤフーが設立したノアドット社が運営するサービスで、2015年12月にスタート、ニュースなどのコンテンツを制作する「コンテンツホルダー」と、ニュースをそれぞれの視点で選択し、自らのウェブサイトで伝える「キュレーター」をつなぐ機能を持っています。現在コンテンツホルダーには日本の全国紙や地方ブロック紙など40の新聞社をはじめ放送局、自治体、各種ニュースサイトなど約400媒体が登録されています。ノアドット社の中瀬竜太郎CEOは「記事を受け取る読者の文脈は、記事の作り手自身が想像する以上に多様。そうした多様な文脈を付与してくれる多様なキュレーターを使って、記事の流通経路を拡大できることがnor.のメリット。また、自身もキュレーターとなれば、ウェブサイトのコンテンツ拡充もはかれる」と話しています。NY生活プレス社では「週刊NY生活」と英語版「THE JAPAN VOICE」の2ユニットを登録し、独自取材のニュースや話題を配信していきます。ただこれは一般向けではなく、すでに媒体・報道でニュースを発信しているマスコミや情報サイト業者向けの「ニュースの卸し販売/共有」のB to B(Business to Business)です。親会社の共同通信社とネット大手のヤフーがそれぞれの得意分野を持ち寄って始めたビジネスですね。今回そのノアドット社様からお誘いいただき、本紙としても、記事の配信がほぼ自動化されており、コストをかけずに独自取材のニュースを日本全国の媒体に迅速に伝える経路を確保できるメリットは大きく、収益面だけでなくウェブ版へのアクセス数増加も期待できて媒体としてより影響力を持てると判断、参加させていただくことに致しました。今後は、週刊NY生活で取材した記事や写真が、日本国内のさまざまな媒体のネット上で「週刊NY生活」のクレジットがついて掲載になる機会も多いかと思います。取材される側にとっては、週刊NY生活に記事が載るということが、日本国内での露出度も一気に拡大させることにもつながることを意味しますので、メディアとしての価値が高まったということが言えます。ニューヨークに特化した独自取材の記事だけで紙面を作ってきたかいがありました。紙面に掲載になっている記事の著作権を全部まるごと自前で持っているというのが強みでした。年明けからまずは朗報をお伝えできました。今週号の記事もいくつかすでに配信されています。それでは、みなさんよい週末を。(「週刊NY生活」発行人兼CEO三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】 (2019年1月19日号)

今週のデジタル版はこちらから

https://www.nyseikatsu.com/editions/709/709.pdf

(1) 週刊NY生活の記事日本へ配信 ノアドット経由で 日本国内400媒体に(1面)
(2)新潟の食文化売り込む 花角知事が来米しPR 日本酒など地元産品(1面)
(3)新公的医療保険制度導入へ デブラシオNY市長が発表(1面)
(4)MEN’S COLUMN 三味線プレーヤー 史佳(Fumiyoshi)(3面)
(5)国連平和の鐘 説明書を作成  寄贈の歴史をガイドのマニュアルに(4面)
(6)ゴーン被告の保釈却下 勾留長期化へ 海外メディア批判高まる(5面)
(7)出版記念講演会 イノウエ博士がJAAで NY日本人社会の草創期語る (6面)
(8)高額な米国の介護 潤沢な蓄財が必要 もしくは無一文でメディケイド(10面)
(9)ローカルスクランブル Queens & LI 空港へは余裕持って 搭乗身体検査で混雑も(14面)
(10)食EAT OUT Henry at Life Hotel アフリカ料理をモダンに表現(15面)
(11)現代ウォーホルを感じる店 70年代のエネルギー再現 ザ・ファクトリー380(15面)
(12)NY生活ウーマン  ダンサー 祐真由規(すけざねゆき)さん (17面)
(13)「子連れ狼」特別上映 JSで25、26日(26面)
(14)シネマ映写室MOVIE If Beale Street Could Talk 自由と幸せをこの手に(26面) 
(15)シJCAT展開幕へ 所属80人の作家参加 (27面)

平成の次に来る時代予言

白井 聡・著     集英社新書・刊

 小田和正の歌で有名な『東京ラブストーリー』は平成3年、1991年1月7日〜3月18日放映のドラマだ。