日本政治の技術革新提唱

落合陽一・著
SB新書・刊

 平成の時代がまもなく終わる。日本はこの31年間で国民の28%が高齢者という超高齢者国家となり、阪神淡路大震災、東日本大震災によって受けた自然災害のリスクに曝されながら国民が生活している。

寒い冬の遠足は水族館へ 家族や友人、カップルで!!

 日本式の時候の挨拶では「小川の水もぬるむ」3月だが、ニューヨークはまだまだ寒さ厳しく、春は遠い。3月の休日、一日中家でゴロゴロするのはもったいないが、スキー、スケートに行くのは億劫だし、公園を散歩するには寒い…、そんなあなたにおすすめなのが水族館! 子供と一緒に、あるいはカップルや友人同士で楽しめること間違いなし。

■ノーウォーク・マリタイム・アクアリウム
 グランドセントラル駅から電車で約1時間。サウス・ノーウォーク駅下車、徒歩約15分。車ならホワイトプレーンズから約30分。1988年オープンの水族館は1860年代建造の鉄工場を修復改築したもので、入り口から展示場に向かう通路の木製の床や上部の鉄製の梁など、旧工場のオリジナルが残されている。後述のミスティック水族館に比較すると規模は小さく、地味な雰囲気ではあるが、エイをはじめクラゲやヒトデなどの水棲生物を直に触れる水槽がいくつかあり、子供も大人も腕まくりして、キャーキャー騒ぎながら楽しんでいる。おさわりコーナーで一番賑わっているのは「エイとサメのおさわりプール」。低めの水槽で泳ぐエイとサメを上から触れるのだが、特にエイは人馴れしていて、向こうからこっちに寄って来て水面から顔をヌーっと出して観客を喜ばしてくれる。
 おさわりはできないけれど人気者なのがアザラシ。室内と屋外の両方からアザラシのひょうきんな動きを観察できる。そしてノーウォーク水族館自慢の展示がクラゲ。各種クラゲのほかクラゲの変性の展示、クラゲを世話する飼育員の仕事ぶりも間近に見られ、一通り見学すると気分はもうクラゲ博士だ。
 また、水族館併設のIMAXシアターではテーマが異なる映画を随時上映していて、映画代も入館料に含まれているのがうれしい。現在は「Oceans: Our blue planet」「Panda」「Backyard Wilderness」の3本を上映。3月15日(金)からは「Superpower Dogs」も始まる。 
The Maritime Aquarium (10 North Water St. Norwalk, CT 06854)
開館時間:午前10時から午後5時まで(7月1日からレーバーデーまでは午後6時閉館) 
入館料:大人(13〜64歳)24ドル95セント、子供(3〜12歳) 17ドル95セント、シニア(65歳以上) 22ドル95セント
休館日:感謝祭、クリスマス(各前日は午後3時閉館)詳細:www.maritimeaquarium.org/
■ミスティック・アクアリウム 
 ペン駅からアムトラックで約3時間、ミスティック駅下車、バス(SEATルート10)で約10分。車ならホワイトプレーンズから約2時間。ロングアイランド海とミスティック川に面した町ミスティックはかつて港町として栄え、現在は米国北東部最大のマリタイム(海事)博物館があることで知られている。
 水族館は1973年にオープン、99年に52億円を投じた大規模な増改築が行われ、ベルーガ(白イルカ)展示場を増設。ベルーガはガラス越しに眺めている子供の正面にやって来て、その子供の目をじっと覗きこんだり、からかうような仕草をしてダントツの人気を誇っている。ほかにアシカとアザラシ、アフリカペンギンも多数飼育されていて、アシカショー(と言っても日本のアシカショーとは趣が随分異なるが)も開催している。
 ノーウォーク水族館同様、サメやエイに触れるコーナーをはじめ、米北東部に生息する魚類、カラフルな熱帯魚、カエル各種のほか恐竜好きの子供のために恐竜コーナーもあって盛りだくさん。現在4Dシアターでは「シャーク」を上映中。立体映像に照明効果が加わり、まるで海中にいるかのような臨場感が体験出来る。車でも電車でも往復に時間がかかるため、一泊して水族館とマリタイム博物館両方を見るのも一案。Mystic Aquarium (55 Coogan Blvd, Mystic, CT 06355)
開館時間:午前9時から午後4時50分まで(4月1日からレーバーデーまでは午後5時50分閉館) 
入館料:大人(13〜64歳) 36ドル99セント、子供(3〜13歳) 26ドル99セント、シニア(65歳以上) 31ドル99セント。入館料に4Dシアターまたはブルーシアター入場券がついたバリューチケット:大人(13〜64歳) 40ドル99セント、子供(3〜13歳) 30ドル99セント、シニア(65歳以上) 35ドル99セント
休館日:感謝祭、クリスマス 
詳細:www.mysticaquarium.org

運河で知られる港町の演劇祭へ

ドイツ北部キール市

 キール市はバルト海に面したドイツ北部の都市で、デンマークに近い。私の作品「舞踏メディア」がセスピス演劇祭(第11回国際独り舞台演劇祭)に招待され昨年11月に訪れた。
 ハンブルグ飛行場を降りると肌寒く、冬を先取りしたような気候を感じた。市内に向かう車窓からの紅葉がとても綺麗で時々目を奪われた。 
 時差ボケも何のその、ホテルに到着するなり開会式に出る準備をしなくてはならない。日本/アメリカ代表だけに身なりを整える。ドイツ国内のテレビ番組や映画で活躍する俳優の作品で幕が開き、一週間自分の作品の発表とともに各国のソロアーティスト、地元の演劇関係者、観客と国際交流をしながら過ごすこととなる。 
 やはり旅の醍醐味は飲食。最初にびっくりしたのは夕食の軽さである。到着した日は機内食が何も出なかったため、朝から何も食べずに開会式と観劇で、ようやく夕食にありつけたのが夜10時過ぎ。待ちに待った夕食にスープが一杯だけ出され、「前菜?」と思ったらそれがドイツ風というか中欧の風習とのこと。ドイツでは昼食がメインで、次に朝食だ。夕食は最も軽く、大抵はスープとパンのみ。数日後には演劇祭に参加する各国からの滞在者からの要望で、夕食時にパスタなどが出るようになったが、昼食は変わらずドイツ料理。でも、これが何より私の旅の楽しみになった。多種多様のドイツもしくは中欧のビール(チェコ、オランダ、ポーランド)、肉料理(牛、子羊、豚、チキン)か魚料理(シャケ、白身魚、海老)、ポテトかご飯、そして野菜サラダが一皿に盛られ、かなりお腹一杯になる。昼食後はダウンタウンを散歩しつつホテルに帰り、夕方から2作品観劇。観劇の合間はバーで飲みつつ談話。毎日のスケジュールはほぼ同じである。
「舞踏メディア」は4日目に上演だった。照明デザインが複雑ということ説明したにも関わらずリハーサルに現れたのは照明見習いさんで、何とか照明が出来上がるという時にプログラムしたものがすべて消えるという事故も起き、舞踏を全く知らない照明の見習いさんはパニック状態で照明をゆっくり落として暗転ということすらできない。しかも英語がほぼできない。とにかくポジティブ思考で励まして、なんとか本番に持ち込んだ。満員御礼、公演は盛況に終わった。時に本気で生きた心地がしなかったし、もう少し満足いくものを提供したかったが、お客さんからしたら人生で一回しか観ない作品である。いろいろなアクシデントも含めてのライブパフォーマンス、そこはできる限りのものを精一杯のいのちを込めて提供したと思う。
 終わりよければ全て良しという具合に、終わった後は滞在を楽んだ。最終日は、市内観光がしたいという皆の要望で、ガイドさんが演劇祭参加者を半日観光に連れて行ってくれた。キール市は第1次世界大戦時は重要な港町で、キール運河で知られる、ヨーロッパの重要輸送ルートだった。そのキール運河に連れて行ってもらう。ちょうど日の入り時刻で、西日が差すなか、エルベ河口沿いを皆で歩き、文化、歴史、芸術、恋愛、人生の話をして盛り上がった。灯台の岬にたどり着き、河口を眺めることのできるカフェでココアを飲んだ。ドイツチョコレートもなかなか美味しい。
 ともに時間を過ごしたのは地元ドイツ人(主にキール市、ベルリン市から)、イタリア人、南アフリカ人、アメリカ人、イギリス人、アルメニア人、ポーランド人、スペイン人、イスラエル人、スロバキア人、フィンランド人とまさしく国際演劇祭。私のしていることは国際交流だと最近痛感する。各国の作品を観劇し、自分の作品(アメリカ/日本合作)を観劇され、人生について芸術について個人のレベルで語り合い、繋がり、互いに理解していくのはとても意義を感じる。この国際演劇祭の主催者であるヨランタさんはポーランド移民でドイツ人と結婚した。1980年代にポーランドでロシア共産主義が強まった時、彼の地からかなりの人が政治難民としてドイツに移住したらしい。ポーランド語、ドイツ語、ロシア語を話すが英語は話せないから、お互いの会話は身振り手振りの片言。それでも演じ終わった後、彼女は泣きながらキスの嵐と抱擁を私にしてくれた。
 最後のランチの前に一人でぶらりと街を歩いた。通ったことのない路地を通り、入ったことのない古着屋に入った。会食予定の時間よりも早くついたので、街の中心にある湖のほとりのベンチで一人の時間を過ごした。湖面が光を反射してキラキラとしている。冷たい風が心地よくて目を閉じる。アヒルの声が360度に聞こえる。人が歩いてベンチの前を通り過ぎるとその振動が体に伝わる。ふっと目を開ける。美しい風景が目の前に広がる。平和を感じた。もう少し長く居たかったが、寒さに身震いをしたので歩き出した。冬の到来を感じた。(YOKKO/動作芸術・舞踏家)

想田和弘特集

「港町」など観察映画9本
ブルックリンで一挙上映

 ブルックリンのミニシアター「スペクタクル」(南3丁目124番地)で3月と4月、映画作家・想田和弘(そうだ・かずひろ)の観察映画全9作品が上映される。

ミュージカル女優目指しNY留学

「トビタテ! 留学JAPAN」留学生
森川華子さん

 日本の文部科学省が官民協働で推進する留学キャンペーン「トビタテ! 留学JAPAN」。東京音楽大学声楽科に在籍する森川華子さん(22)は昨年、この奨学金を得てミュージカル修業にニューヨークに来た。2014年に始まった同奨学金は、次第に周知度も高まり教育や医療などの分野で留学する人は増えつつあるが、ミュージカル留学で交換留学の大学生は過去にいたが、大学が受け入れ先ではないケースは森川さんが第1号だという。約1年の留学終了を3月末に控え、ぜひとも多くの人に「芸術枠」で同奨学制度に挑戦してほしいと取材に応じた。
 同奨学制度では、「日本への貢献」が問われるが、芸術分野は具体的な答えが難しい。個人面談では用意した模範解答ではなく「小さい頃からミュージカル女優になりたくて、そのためだけにニューヨークに行きたい」と正直に熱意を伝えた。20分ほどの面談では50以上の質問が投げかけられ、「自己満足で行くんじゃない」という気持ちを固めることができたと話す。
 二十歳のお祝いに両親からプレゼントされたニューヨーク旅行で、個人レッスンを受けた先生から「どんなふうに歌いたいの? どんな歌手になりたいの?」と質問され驚いた。「上手に歌うことだけ考えてきて、そんなふうに聞かれたことがなかった」。もう一度ニューヨークで学びたいと決意した。
 留学初日からカウントダウンして、「今これを、というのではなく、将来につながることを」視野に、個人レッスンや講習を受けたり、オーディションや舞台芸術助手の体験をしたり、どん欲にあらゆることを吸収している。初めて海外で暮らし世界中の挑戦者たちに囲まれ、「音楽を学ぶには世界のさまざまな文化や価値観に触れることも必要」と肌で感じる。
 留学以前から「学生の公演や小さな発表会でも気づいてもらい、芸術をもっと気軽に、身近にしたい」と漠然と考えていたが、芸術があふれるニューヨークでその思いを強くして、トビタテ留学生同窓会のネットワークで相談したらITに強い仲間が得られた。違う分野の大学生と知り合えるのも同留学制度の魅力、帰国後の課題が明確になったと話す。
 1年前に答えに窮した質問に、「自分にしかできない、私だからこそできる表現方法で歌う」と、今ならはっきり言える。型にはまらず人の真似をしない表現方法をニューヨークでたくさん学んだ。卒業したら日本でプロを目指す。東京都出身。
 同事業は、2020年までに留学する大学生支援数12万人を(現在は約6万人)目指している。(小味かおる、写真・三浦良一)

キーン先生さようなら

日本文学愛した生涯
コロンビア大で基金設立

 日本文学研究者のドナルド・キーン氏が2月24日、東京都内の病院で心不全のため亡くなった。

国際ミートボールデー 特大100ドル和牛が登場

「デビオズ・ノーザン・イタリアン・ステーキハウス」は、3月9日(土)の国際ミートボールデーに「100ドルの特大和牛ミートボール」を提供する。トリュフカチョカバロチーズ、フォアグラ、白トリュフ入りの特大和牛ミートボールに、エシャロットのクリーミーなシャンパンソースを添えた一品で、大きさもさることながら質にもこだわっている。
 さらに、相性ぴったりなワインとして「プルノット・バローロ2012年」も提供。ミートボールは昨年の同日以降レギュラーメニューとなり、金・土・日曜に毎晩50皿ずつ用意しているという。100ドルは高すぎるなら看板メニューのアメリカ産和牛ミートボールをお勧めする。15ドルで手頃な価格だ。

Davio's Northern Italian Steakhouse -Manhattan
447 Lexington Ave.
Tel: 212-661-4810
https://davios.com
ディナー 17:30〜22:00(月〜日曜)
ランチ 11:30〜14:30(月〜金曜)