「日本海」で応酬 日韓国連でバトル双方譲らず

 ニューヨーク国連本部で4月29日から5月3日まで、世界の地名の標記方法について話し合う国連地名専門家グループの会議が開催された。
 同会合では、韓国提出の文書の中に「東海・日本海」併記表現が含まれていたところ、川村泰久国連大使(日本政府代表団長)が、「日本海(Sea of Japan)が国際的に確立した唯一の呼称であり、事実と異なる内容を含む韓国の文書は受け入れられない」「技術的議論をすべき国連会議の枠組みの下で韓国がセミナーを開催して政治的プロパガンダのキャンペーンを行っていることは極めて不適切である」と韓国側の対応を強く非難した。
 これに対して韓国代表団は、日本のコメントには留意するとしつつ、「セミナー」開催は規則に合致、また政治的重要性をもたない。「東海」は国際的に広く使われている。地図会社や出版会社のかなり多くが、他の名称とともに「東海」の名前を使用または採用している、と発言した。
 これに対しては川村大使が、「これは韓国側の政治的な意図をもったロビー活動の結果」であり、「日本海」で19世紀以降確立している国際的呼称が変わったと地図出版社が認識した上で行ったものではない、と反論した。

既成事実化に強く抗議 国連地名専門家グループ会議
韓国「東海」併記主張 日本「受け入れられない」

 国連地名専門家グループの会議の4月29日のセッションにおける日韓のやりとり詳細は次の通り。5月1日の議論もほぼ同じ内容。
 日本側川村泰久国連代表部大使の発言は次の通り。
 日本は地理学的名称に関する国連専門家グループ(Uited Nations Group of Experts on Geofraphical Names/略称UNGEGN)の技術的かつ学術的な性質を尊重し、地名情報の提供などの技術的な貢献を通じて地名標準化の議論を促進するというUNGEGNの趣旨を支援している。我々は、UNGEGNの議論を政治化するつもりは全くない。その上で、韓国が提出した文書に事実と全く異なり受け入れられない記述があるためその点について指摘する。
 最初に「日本海」は日本、ロシア及び朝鮮半島東岸の境界に面した海洋の国際的に確立した唯一の名称だ。地名学の観点から「Sea of Japan」やフランス語での「Mer du Japon」は17世紀初めから米国、英国、フランス、中国およびロシアによって他の地名よりも先立って用いられていた先行地名として使用され、19世紀初めには国際的な名称として確立した。さらに国連やその他の国際機関でも「日本海」の名称が一貫して用いられている。
 次に韓国側の文書が「名称についての争い」、「韓国と日本との間の名称の問題」や「(名称の)併記」といった表現を使っていることは、「日本海」が当該海域を指す国際的に確立した唯一の名称であるとの事実と相容れず、UNGEGNの趣旨である地名標準化の流れに反する政治的な意図を示すものだ。国際的に確立した名称と国内で使用する名称の併記に係る韓国の主張を許すことは、他国が同様の事実無根の根拠の無い他の名称の併記を主張することに繋がる。その結果として、地名に関する潜在的な争いが増加し、地名標準化を遅らせることになる—。我が国は、韓国が用いた誤った表現を受け入れることができない。韓国に対し、今後、UNGEGNにおいて同セミナーに関する同様の文書を提出しないことを求める。
 韓国の代表の発言は「海洋の名称に関するセミナー」は本件会合の手続規則に従っており、政治的重要性をもたない。しかし本件に関する日本代表のコメントには留意する。「東海」は国際的に広く使われている。また、地図会社や出版会社のかなり多くが、他の名称とともに「東海」の名前を使用または採用している。

第1回焼酎カクテル・コンペティション開催

蕎麦焼酎「十割」
「雅」全田さん優勝

 イーストビレッジのバー、ミスター・パラダイスで6日、第1回焼酎カクテル・コンペティションが開かれた。46人の応募者の中から6日の最終審査には最終選考に残った13人が参加した。
 優勝したのはマンハッタンの高級寿司レストラン「雅」の酒ソムリエ・全田将さん。母親が日本人、父親はルーマニア人でインドネシアで育ったという。バーテンダー歴は8年。全田さんが作ったのは、蕎麦焼酎「十割」を使ったカクテル。全田さんは「気合いを入れて作った。優勝できて本当にうれしい。ニューヨークではアルコール度が低いカクテルが人気になってきている、焼酎はそのポジジョンにある」と笑顔で話した。
 同コンペティションを企画したのは焼酎を日本から輸入している輸入業者のニューヨーク共同貿易、スカーニック・ワインズ、ネハン・スピリッツの3社。3社が扱う焼酎メーカー、高橋酒造、三和種類、宝酒造、薩摩酒造、柳田酒造、黒木本店、宗政酒造の7社がそれぞれ出資して主催した。   
 審査員のひとりニューヨーク総領事の山野内勘二大使は、「新しいカクテル作りに挑む参加者の情熱とそれぞれのコメントに感激した」と話した。同コンペティションは日米交流事業「Japan 2019」の一環。(石黒かおる、写真も)

レトロ気分で味わい豊か シトロエントラック珈琲

 1943年型シトロエントラックがロックフェラーセンターの北プロムナードに駐車している。フィラデルフィア生まれのラルフコーヒーが夏の間、コーヒー、紅茶、レモネード、マフィンを提供中。午前8時から午後8時まで営業。古典的なビストロの席が34席。一息つけばレトロな気分。
   (写真・三浦良一)

非日本人役に舞台で挑戦

俳優 高島ヒロさん

 NYを拠点に活動する俳優の高島ヒロが、17日(金)と18日(土)の両日ともに午後6時30分から、マンハッタン・レパートリーシアター(西45丁目17-19番地3階)で上演される新作オフ・オフ・ブロードウエー作品「A Sickness of the Mind」に出演し、ブラインドキャスティングによる非日本人役に挑戦する。高島は、長崎県出身で2017年に神田外語大学を卒業後に来米した。プロの俳優を目指してオーディションに朝5時から並ぶ生活を続けた。身長182センチの大柄な体格で、欧米俳優の中に混じってもひけをとらない堂々とした演技だ。
 物語はニューヨークの、とある病院の救急救命室で繰り広げられる。数日前に父親を銃殺された医師の元に、救急で若者が送り込まれてくる。この若者は有名になるために街中で警察官を銃殺し、護衛官との銃撃戦ののちに足を負傷し病院へ送られてきた。正義とは一体何なのか。社会のなかでの自分の役割とは何なのか。一刻を争う救急救命室での医師の葛藤を描く。
 高島は、警察官を銃殺し病院へ送られる若者エディーを演じる。現代のアメリカ社会で広がる犯罪への人種的なステレオタイプを払拭するべく、アジア人の高島がカラーブラインドキャスティングにより選ばれた。高島はアジア人の彼が犯罪者役を演じることにより、犯罪に関する人種や移民へのステレオタイプを払拭できればと願っている。
 問い合わせはEメールhirotakashima63@gmail.com(高島さん)まで。

NYでアート活動を続ける JAA展に32人が出品

  ニューヨーク日系人会(JAA)が主催する第24回ニューヨークで活躍する日本人・日系人美術家展覧会(後援:在ニューヨーク日本国総領事館、ニューヨーク日本商工会議所、日本クラブ、週刊NY生活、よみタイム)が2日開幕した。オープニングレセプションは大勢の来場者で賑わいニューヨーク総領事の山野内勘二大使が祝辞を述べた。
 会場では長年にわたりニューヨークで創作活動一筋で生きている日系画家から最近来米した若手まで32人の現役アーティストが出品。60点の作品が展示されている。芸術を見て楽しみ、そして、販売された売り上げの半額がJAAの活動資金として寄付される仕組み。売れ行きは今年も上々だという。
 参加アーティストは、服部夏子、廣瀬ジョージ、百田和子、市村しげの、出口雄樹、飯塚国雄、キノマホ、河合敦子、三浦良一、宮森敬子、森本洋充、森本和也、森戸泰光、本宮陽子、永野みき、野田正明、岡田桂、岡本泰彰、小野知美、作山畯治、皿井まゆみ、佐々木健二郎、佐藤正明、澤野水纓、篠原乃り子、篠原有司男、竹田あけみ、渡辺啓子、ウインチェスターセツ子、依田順子、依田寿久、依田洋一朗。18日(土)まで。

ハリソンで ザ・祭に笑顔

 第6回「ジャパン・カルチュアル・フェスティバルザ・祭」が5日、ウエストチェスターのハリソンで開催された。当日は朝から生憎の雨に見舞われたが、会場を公園から隣接のリクレーションハウスへ移し、図書館と2会場の屋内イベントとなった。今年のテーマは「ラブジャパン!」。
 ロン・ベルモント市長、ニューヨーク総領事館から溝渕将史政務部長が祝辞を述べた。
 ゲストに岩佐麻里子(フィジカルコメディアン/俳優/クラウン)が特別友情出演。また、日本から「長谷川将志(雲の上)」、ブリカマが特別出演、ニューヨークからは伊東友子トリオらの音楽、WAVEダンス、パフォーマンスなどが参加、よさこいのテンテコマイ(10tecomai)も踊りで参加してエンターテインメントを披露した。また、櫓と和太鼓で盆踊りを踊る来場者一体型企画「ザ・祭初企画の盆踊り」でフィナーレを飾った。屋外では焼そばや、お団子焼きなどの実演販売、屋内では寿司や綿飴、かき氷、レトロなレコード販売コーナーや学習塾、旅行代理店のPRコーナーも賑わっていた。

野外彫刻の庭 ロックフェラーセンター

 ロックフェラーセンターは現在、世界各国のアーティスト14人が制作した20体の作品を敷地内の各所で展示している。同野外展示「フリーズ・スカルプチャー・アット・ロックフェラー・センター」は、毎年5月初旬にランドルズ島で開催される芸術祭「フリーズ・アート・フェア」の協賛で、クイーンズのノグチ美術館のブレット・リットマン館長がキュレーターを務めた。
 広場でまず目を引くのは著名なスペイン人彫刻家ジャウメ・プレンサの女性が両手で目を覆っている巨大な白い彫刻。スケート場を囲う旗棒にはイブラヒム・マハマが手掛けた古びた黄麻布のバナーが掲げられ、ブラジル人芸術家のパウロ・ナザレスはローザ・パークスや1968年のメキシコシティー五輪の男子200m走競技で金メダルを獲得したトミー・スミスを含む4人のアフリカ系米国人の公民権運動活動家のシルエットのパネルを展示している。展示は6月28日(金)まで。

初めての南半球

ジャズピアニスト浅井岳史のオーストラリア旅日記(1)

 今年(2018年)は海外ツアーの多い年である。夏のロンドン、パリ、南フランスに続き、秋はオーストラリアに出かけることになった。NYからだと地球の裏側に当たるこの国はあまりにも遠く、それゆえ馴染みは薄いのであるが、まことに幸運な事に、かの地に住むソルボンヌ大学の博士号を持つスカラーが私の音楽の大ファンになってくれ、メルボルンで私のコンサートを企画してくれるとの誘いをいただいた。元々はフランス繋がりだったと思うが、詩人でもある彼は事あるごとに私の音楽や私の言葉に詩を書いてくれていた。もちろん、それは私の宝物になっている。
 9月25日午後、飛行機が飛ぶかどうかも心配な豪雨のなか、私たちはLyftでJFKに出発した。生まれて初めてのオーストラリア、生まれて初めての南半球、生まれて初めてのカンタス航空である。昔見たトム・クルーズとダスティン・ホフマンの映画「レインマン」で、「最も事故を起こしていない航空会社はカンタスだ」というシーンが蘇る。天候のせいで時間がかかったが、なんとかJFKに到着。だがカンタスのチェックインカウンターで「ビザはあるか?」と聞かれた。まさか。最悪の場合入国できないことも覚悟したが、「大丈夫、今から申請すれば」と係員がその場でオンラインで申請し、10分ほどでビザが発行された。あの心配は何だったんだ(笑)。
 豪雨のおかげか飛行機がなかなか飛び立たず、1時間半も機内で待機。乗り継ぎが無事にできるか不安になったが、なんとか飛び立った。映画を数本見て6時間後にLAに到着。すでにパリに行くのと同じフライト時間を過ごしたが、ここからメルボルンまではさらに14時間、私の経験したなかで最も長いフライトである。そもそも火曜日にNYを出て、現地に着くのは木曜日。そして金曜日が最初のコンサートである。
LAの空港では、メルボルン行きの便がNYから遅れて到着した私たちを待っていてくれた。走ってゲートに行くと「Asaiか」と聞かれた。私たちは最後の搭乗客であった。で、14時間。寝られずにひたすら映画をみた。映画に飽きた頃、隣の乗客と会話が始まった。シアトルに住んでいるアメリカ人だが、メルボルンに数年住んでビジネスをしていたという。かなりの音楽好きで、すぐさま私のことをGoogleして探してくれ、メルボルンの演奏に来てくれると言ってくれた。旅の出会いは嬉しい。
 永遠とも思われる飛行時間の後、私たちはメルボルンに着く。ほとんど寝ていない目に太陽は眩しい。空港でコーヒーをオーダーしたら「ヨノーム?」Your nameのことだな。初めて聞く生きたオーストラリア英語であった。ソルボンヌのピーターが迎えに来てくれた。タクシーでメルボルンの街へ。
 目の前にはまるでカリフォルニア郊外のように赤茶けた大地が広がる。街に入った。さすが英国連邦、この夏に行ったロンドンを思わせる街並みが美しい。なんと桜が咲いている。9月ー6=3月、今は北半球でいう3月で、ちょうど桜が開花する時期なのだ。
 ホテルは、3つのコンサートのうち2つの会場に歩いて行けるようにアップタウンの長期滞在用のアパートメントホテルを取った。スタッフが親切で、ありがたいことに昼前なのにチェックインさせてくれた。体内時計はもう何時なのかさっぱりわからないが、ランチを食べに街へ出る。ホテルの周りの街は古くて埃っぽいが、よく見るとヴィクトリア様式の鉄の屋根飾りが一様に施されている。ホテルの横には郵便局があり、そこにはEiiRと刻んである。エリザベス2世のことである。さすが英連邦、アメリカではない。通りには路面電車が走り、子供の頃の日本にタイムスリップをしたようにも思う。
 人々は中国系が人口の半分を占めているように見える。かつては人種差別政策が敷かれていたはずであるが今はインド、中国、ベトナムやネパールなどアジアからの移民が多く人口がどんどん増えているブームタウンだそうで、地価も軒並み上がっているという。かつてはたくさんの日本の移民もいたらしい。
 もちろんイタリアンも多く、イタリアンレストランにも事欠かない。目抜き通りはたいそうお洒落でどの店もすごく良さそうだ。悩んだ挙句、ベトナム系の餃子屋へ。美味い。
 食後は花見。公園には綺麗な桜が咲いていた。夏には暑くなるのであろう、見慣れない植物も生えている。NYはメランコリックな秋であったのがここは春、何やら全てが始まるような躍動感がある。が、私たちは20時間以上のフライトで地球の裏側からやって来ただけあって非常に眠い。今寝たらダメだと言い聞かせながらも、ホテルに戻ってベッドの上に横になった瞬間眠りに落ちてしまった。そこからたっぷり寝てしまい、目が冷めると夜中の12時であった(涙)。時差ボケは辛い。明日(もう今日である)のコンサート、大丈夫かなぁ(笑)。(浅井岳史/ピアニスト&作曲家)www.takeshiasai.com

大型駐車場が完成 2年ぶり412台収容

フォートリー駐車場事情を説明すると
でも月極客優先。さて他は?

 米東部の交通の要衝、ジョージワシントン橋のたもとにあり住宅地のみならず商業地としても発展を遂げているフォートリー。ここには、ワシントン橋とメインストリートの間の広大な敷地に数百台が駐車できる市営駐車場があった。しかし、町の再開発に伴い、この場所を閉鎖、立体駐車場の建設工事が始まっていた。その間、路上駐車可能なスペースに限りがあるため、メインストリートやセンターアベニュー周辺にある駐車場を持たない多くの飲食店や店舗は客が減るなど大きな影響を受けていた。
 2年強の閉鎖期間を経て、このほど同地にようやく412台収容可能な立体駐車場が完成した。ただ、現時点では、近くに勤務地があったり、同駐車場に駐車してワシントン橋からマンハッタンに通勤するような人のための「月極駐車契約」のみ受け入れているようで、同エリアに食事に来る一時的な客はまだしばらく利用できない状態だ。
 そこで、フォートリーの駐車事情を説明しよう。メインストリートとセンターアベニュー、そしてレモインアベニュー沿いにはメーター制度の駐車スポットがいくつかある。中心地より少し離れたシュロッサーストリートやパーカーアベニューにもメーターパーキングはある。道路沿いのメーターパーキングは月曜から土曜の午後6時以降と日曜祭日は無料なので、これらのスポットが空いていればラッキーだ。また、終日有料だが、センターアベニューのメインストリートより少し南と、メインストリートからジェロームアベニューに入ってすぐの場所に市営駐車場がある。ただ、センターは10台、ジェロームは27台分のスポットしかない。
 今回完成した立体駐車場(センターアベニューのメインストリートの北側、もしくはブリッジプラザサウスからアクセスがある)の入口正面にも10数台分の市営有料駐車スポットがあり、ここは一時的な利用客も使用可能。市営の路駐メーターや駐車スポットの駐車料金は、初めの3時間は1時間あたり75セント。4時間目からは1時間あたり1ドル25セント。(最短で20分25セントから使用可)ただ、中には短時間しか停められないスポットもあるので指示を確認すること。なお、市内のメーターパーキング以外の一般道路沿いは、実は同市の住民でフォートリー・パーキング・オーソリティーに登録をした車両のみ駐車を認められていて他地区から来た車は駐車禁止となっている(道路沿いに小さな文字で説明あり)。たまに巡回しているパーキング・オーソリティー職員に運悪く見つかると違反切符を切られる。
 そこでお勧めなのは、以前本紙でも紹介したことがあるが、数年前にワシントン橋そばに新しくできた映画館や飲食店、ドラッグストアなどが入居する複合商業施設「ハドソンライツ」の駐車場。ここは、90分まで駐車無料なので、ちょっとメインストリートなどに食事や買い物に行く人には最適だ。また、あまり知られていないため、いつも空いているのも魅力。
 ほかには、市営立体駐車場入口の前に位置しラーメン店や日系ヘアサロンが入居する「オーク・ツリー・センター」はビルの地下に数台分だけ同店の客専用の駐車スポットがある。「ワシントン・ブリッジ・プラザ」や、シュロッサーストリートのショッピングセンターにも大きな駐車場はあるが、これらは私有地であり、同センター内の店舗で買い物や食事をする客専用で、よそに用事があるのに停めたことが見つかった場合は、レッカー移動となり高い罰金を請求されるので注意が必要だ。(本紙・久松 茂)

NYの名店を塩で支える

グラムソルト創業者
原田 真樹子さん

 原田真樹子さん。1974年東京都杉並区出身。在米歴30年。コロンビア大学大学院で教育学部健康教育修士号を取得し、プラットインステチュート大学院ではアートセラピーの修士号を取得。NY州&全米アートセラピー協会認定のアートセラピスト。娘とニューヨークで二人暮らし。現在は「グラムソルト(glamsalt)」という名前の塩卸し販売会社を経営する。
 ニューヨークで「旨い」、「高いけど美味しい」と言われる寿司屋をはじめ、イタリアン、シーフードの名店御用達の塩屋として職人の間では知られた存在だ。
 店の了解を得た上で、グラムソルトの塩を使っている店名を挙げてくれた。ニューヨークで今一番のっている寿司屋「Sushi by Bou」は全店に卸し、白人の女性板前が握る人気店「Sushi by Bae」、老舗「初花」、「寿司安田」、「寿司中澤」、「Uchu」、サッカー選手のベッカムがふらりと訪れる屋台の寿司店「Sushi on Jones」、安田時代からのお得意さん「Omakase by Tatsu」、チャイナタウンにあるヒップな寿司屋「Juku」、精進料理の「嘉日」、高級肉店「ジャパン・プレミアム・ビーフ」(店頭売り)を初め、米国でもっとも古い自然食品のコープの一つ「High Falls Co-Op」、ノリータにあるミシュランのモダン・ニュージーランドの店「The Muskett Room」、料理界の天才児の店で若干20歳がきりもりする「Gem」、ノリータの美味しいロブスターの店「Ed’s lobster」、イタリアンの王道の店「Del Posto 」などなどそのほか多数。「ニューヨークの美味しいと言われている寿司屋さんの8割のお店に卸しています」とあっけらかんと言う。
 原田さんが塩と出会ったのは、人生の暗闇の真っ只で「キプロス島のレモン塩」にたまたま出会ったことだった。「これだ!」と直感し、塩の女神に導かれるように2012年、ニューヨークでグラムソルトをスタートした。
 母親の実家が以前、ニジマスの養殖場を営んでおり、宮内庁御用達だったこともあり、東京の一流の料理人との交流もあったということから塩の商売にはご先祖との繋がりも感じているそうだ。
 好きな言葉は「敵塩」。戦のライバルでもあったにもかからず上杉謙信が、武田信玄が塩がなく困っていたため、塩を送った話。「たとえ、宿敵であっても、リスペクトを忘れてはいけないという男前のコンセプトです。この教えを忘れずにこれからもお客様に笑顔で塩の精進をしてゆきたいです」とキッパリ。(三浦良一記者、写真も)

福島の生の声を伝える

現在何が起きてるのか
展示や講演でハコ画廊

 ブルックリンのウイリアムズバーグにあるハコギャラリー(グランド通り31番地)は5月31日(金)から「フクシマ・ジャパン・アット・ハコ」を行う。映画上映、工芸品の展示、座禅会などを通じて、福島の生の声を伝え、人間の生活のあり方を共に考える。
 31日(金)午後7時30分(開場7時)はドキュメンタリー映画「ライフ:生きてゆく」の上映会。笠井千秋が6年かけて制作した同映画は、南相馬市の住民の姿から津波と原発事故がもたらした福島の知られざる悲しみを伝える。福島の酒テイスティング付き。参加費は15ドル、売り上げは映画に登場した人への寄付に充てられる。
 6月1日(土)と2日(日)は、安洞院住職の横山俊顕師とお香の老舗「上信堂」代表の蔵立雅也さんを迎える。横山師は東日本大震災の後、生活のすべてを重んじる禅という日本独自の考えを軸に寺でさまざまなプロジェクトを運営している。横山師のトーク「現在の福島で何が起きているか」は1日正午から12時45分と2日午前11時から11時45分、参加無料、寄付を奨励。座禅会・お茶会・禅講話は1日午後1時30分から3時30分と2日午後1時から3時、参加費は20ドル。お香作り・座禅会は1日午後5時から7時と2日4時から6時、参加費は30ドル。
 また、6月1日から30日まで、「禅と生活」と題した展示会を開催。安洞院所蔵の曹洞宗歴代管長掛け軸コレクションが米国で初めて公開されるほか、震災や放射線汚染の風評の影響を受けた大堀相馬焼(松永陶器店、京月窯)、川俣シルク(斎栄織物株式会社)が展示される。
 ハコギャラリーは2017年、福島市出身のきょうだい、末次琢と庸子が開設。問い合わせは電話917・582・0803、詳細はウェブサイトwww.haconyc.comを参照。

永遠のマドンナがすぐそばに Long Shot

片や、聡明で美人、スタイルも抜群の洗練されたレディー。対する相手はどう見ても三枚目ルックスでセンスはゼロに近く、間違っても品がいいとは言えないコメディアン系。この組み合わせは映画のタイトル通りうまくいく可能性は極めて低い、のだが、物語はその低い可能性を全力で引き上げようとする微笑ましくガッツあるカップルを描くロマコメだ。
政治とジャーナリズムが激突するシビアな環境を背景に、建て前と本音、実を取るための政治駆け引きが飛び交う現場での不釣り合いな二入の急接近。
脚本は「The Post」(2017年)のリズ・ハナと人気TVコメディー「Office」のダン・スターリングがそれぞれの得意分野を生かして共同で書き上げた。監督は「The Night Before」(ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー、15年)のジョナサン・レヴィン。主演はシリアスものからアクション、コメディーまでこなすシャーリーズ・セロンとレヴィン監督とはしばしばコンビを組むコメデーィまっしぐらのセス・ローゲン。イケメンのスウェーデン俳優、アレクサンダー・スカルスガルド演じる政界の花形(?)カナダ首相はピンポイントのはまり役。
フレッド(ローゲン)はリベラル系ジャーナリスト。辛口正論の腕利き記者だがある日、勤め先が保守系メディアに買収されお払い箱に。腐っていたところを友人に誘われファンドレイジングのパーティーに出かけ、そこでフレッドにとっては永遠のマドンナであるシャーロット(セロン)に再会する。
シャーロットはフレッドが子供の頃のベビーシッターで今はなんと世界を飛び回る国務長官。昔以上に雲の上の人なのだ。しかしそのシャーロットが雲の上から声をかけてきた。しかも彼女のスピーチライターのジョブオファーだ。シャーロットは初の女性大統領を目指しており、親近感を演出するためにユーモアのあるスピーチが書けるライターを必要としていた。大好きな人のそばで書く仕事ができる。天にも昇る気持ちのフレッドに待ち受けている試練とは?
セロンとローゲンの相性も抜群で特にセロンはますます演技の幅を広げている。1時間55分。R。 (明)

■上映館■
Regal E-Walk Stadium 13 & RPX
247 W. 42nd St.
AMC Empire 25
234 West 42nd St.
AMC Loews 34th Street 14
312 W. 34th St.