世界の食 18、19日に祭典

 食の祭典である第2回世界博(ワールドフェアー)が18日(土)と19日(日)にフラッシングのシティーフィールドの駐車場で行われる。ニューヨークの腕利きのシェフたちにより東西ヨーロッパ、南米、アフリカ、アジアからオーストラリアまでの世界のエスニックフードの屋台が100店以上並ぶ。ビールパビリオンでは珍しい60種類以上のビールが楽しめる。
 このイベントは1964年にフラッシング・メドウズ・コロナパークで開催された万国博覧会に触発されたもので、世界各国の音楽、ダンス、格闘技の実演、調理実演、アート展示、子供向けアクティビティーなども行われる。開催時間は両日ともに正午から午後8時まで。
 入場料は一般28ドル。10歳以下は5ドル。ビール飲み放題付きは45ドルと49ドル(時間制)。ラウンジを利用できるなどの特典のあるVIPチケットは199ドル。詳細はウェブサイトhttps://theworldsfare.nycを参照。

薪火が香るメキシコ料理

 最近NYでは伝統の風味を生かした質の高いメキシコ料理店が目立つ。そのひとつが昨年6月に開店した「オショモコ」。開店5か月でミシュラン1つ星を獲得するほか、高い評価を得る話題店だ。
 オーナーシェフのジャスティン・バズダリッチ氏はカンザス州出身。調理師学校を卒業後、屈指のフランス料理シェフ、ジャンジョルジュ・ヴォングリクテン氏の下で9年間修業。薪火を駆使したイタリアン「ローマン」を経て、12年に薪火で焼くピザ店「スピーディ・ロメオ」を開店。その成功を踏まえ、「オショモコ」では薪火の魅力をメキシコ料理に表現している。氏いわく「オアハカ地方を訪れた際、野外マーケットに漂う薪火の香りに強い印象を受けました。薪火には、生来燻香を帯びた原産唐辛子や、トルティーヤの素朴な香りなど、メキシコ料理の風味を自然に引き立てる力があるんです」
 氏が各地を食べ歩いて学んだという品々を集めた約30品のメニューは、つまみ、前菜、タコス、メインディッシュから成る。一例は「ビーツのチョリソー」(13ドル)。薪火でゆっくり燻し焼きにしたビーツに唐辛子、酢、ニンニクなどを合わせたパンチの効いたソースを絡め、アボカドとポテトのフライとともに紫色のコーンを使った自家製トルティーヤに盛り込む。ヴィーガンながらしっかり満足感を与える一品だ。また「マグロのトスターダ」(20ドル)はメキシコへの中国移民がもたらしたという醤油でマリネした本マグロを、アボカドのピュレと一緒に焼いたトルティーヤに載せたもの。カリッとしたトルティーヤの食感とアボカドのクリーミーさが対照を生み、マグロの旨味を引き立てる。
 「これまでこの街のメキシコ料理は、カジュアルなテックスメックスか、一地方の料理にテーマを絞った高級店に分かれていた。その間を埋め、より多くの方々に多彩な伝統メキシコ料理の価値を知って欲しい」とバズダリッチ氏は話す。(ニューヨーク在住ジャーナリスト、片山晶子)

Oxomoco
128 Greenpoint Ave,
Brooklyn, NY 11222
TEL 646-688-4180
ディナー 17.30-22.00
(木22.30, 金土23.30まで)
ブランチ 月-金12.00-15.00
土日11.00-15.00 無休
www.oxomoconyc.com

初夏にマドラスジャケット

イケメン男子服飾Q&A 69

 ここ数年、人気が復活しているクラッシックな夏向けの素材があります。インディア・マドラスと呼ばれる、インド産の綿織物です。無地やストライプはもちろんなのですが、マドラスと言えばなんと言ってもチェック! そうマドラス・チェック!
20年ほど前にインドの大都市の名前がいくつか変わりました。ボンベイがムンバイに、マドラスはチェンナイに。町の名が変わったからと言ってチェンナイ・チェックでは…(笑)、やはりマドラス・チェックでないと(笑)。
昔、インドでは今以上に繊維産業が盛んでした。カシミヤやシルク中心の動物繊維、綿を中心の植物繊維のどちらも。カシミヤの語源はインドのカシミール高原ですし、ペイズリーという花柄はヒンズー教由来。カシミヤのショールや絨毯などの生産の中心地がスコットランドのペイズリーという街だったのでそう呼ばれる様になったのです。
インド産綿製品はフンワリした高級品が17世紀後半のヨーロッパでたいそうな人気となったのですが、出荷港カリカットの名がなまて〃キャラコ〃と呼ばれていました。
そして英国人は考えたのです。植民地としたインドから優れた綿の原料を安価で輸入して英国内で大量生産、それを世界中に売って大儲けしようと。なんと、それが産業革命のきっかけだったのですね。そしてそのために英国は信じられない残酷なことをインドで行ったのでした。インドの多くの優れた繊維職人さん達の両手を切り落として製品を作れなくしてしまったのです! こうしてインドの高級綿製品業界はほぼ壊滅、原料を英国に輸出し英国から高額の綿製品を買うしかなくなってしまったのでした…。こういうのが典型的な西洋の植民地経営。
残されたのは日常着向けの綿。高級品ほどには原糸を吟味せず、撚糸も単糸のままだったり、織られた生地の表面にはブツブツっとしたのがあったりしてカジュアルな雰囲気。こうした安価な生地をインドの商人は19世紀末からアメリカに売りに来ていましたが、商売に火がついたのは半世紀後の1950年代、アイヴィーリーグ・スクールの学生さん達にチェック柄のジャケットが爆発的人気となったのです。チェック柄のデザイン・ソースはタータン・チェックだったという話も。大人気となった理由はその〃不完全さ〃。マドラス・チェックの色柄は確実に色落ちするのです。洗っても、また太陽光線の紫外線の影響などで色が焼けやすかったりと。面白いことに、そうしたテイラードのジャケットが製品として変化していく「不完全さ」が独特の「味わい」としてウケた最大の理由だったのでした。色落ちは breeding と言われました。実はインドは昔から天然の藍インディゴなど、染料の産地でもあったのですね。
 アメリカ人には綿の藍染の色落ちは、ブルーデニムで自分たちの文化だったという意識があったのかもしれません。いま、マドラス・チェックには化学染料が多く使われる様になり、昔ほど色落ちはしませんが、自然で素朴な風合いは昔のまま。この夏、マドラス・ジャケットを羽織られて夕暮れ時にカクテルなどいかが? それではまた。
けん・あおき/日系アパレルメーカーの米国代表を経て、トム・ジェームス・カンパニーでカスタムテーラーのかたわら、紳士服に関するコラムを執筆。1959年生まれ。

労使馴れ合いの恐怖

牧 久・著
小学館・刊

 第二次世界大戦が終わり、その直後から始まった米ソ東西対立〜冷戦は日本にも強く影響した。GHQによる民主改革の洗礼は、戦犯追放、女性参政権付与、農地解放、財閥解体と進み、その頂点に武力放棄と非戦を誓う平和憲法がある。
 一方で労働組合の組織化が進み、国鉄(現JR)の組合は最盛時50万人と言われ、総評の中核組織として保守の自民党と対決する日本社会党の支持部隊を担っていた。
 ところが産業のインフラとして近代化の最先端を走っていた国鉄はマイカーブームの到来とともに赤字路線が増え、累積赤字は総額37兆円を超えた。
 政治家・中曽根康弘は赤字解消を目的に国鉄の分割・民営化を図る一大改革をめざした。同時に国労潰しを狙った。
 著者、牧久は日経社会部記者として、国鉄本社記者クラブである「ときわクラブ」で国鉄解体・民営化を見つめてきた。本書によればその国労の崩壊が新左翼、革マルとJR当局の野合だった、という、極めて理解に苦しむ醜怪な裏話である。
 牧は2017年3月、『昭和解体〜国鉄分割・民営化30年目の真実』(講談社刊)を上梓、517ページに上るこの分厚い大冊の書は本体2500円という高額にもかかわらず6版を重ねるベストセラーとなった。
 本書『暴君』はその続編で、JR総連の名のもとに革マルの指導者、松崎明が動労を乗っ取り、経営当局と手を組んで組織を私物化、一方では中核との凄惨な内ゲバ殺人を繰り返したという怖い話。ヘルメットに鉄パイプを持ち集団で対立を襲い殺す革マルの実態を描いた。主要メディアが避けて通ったJR改革3人組や労組関係者のメモ、証言を集め、実名でその実態を暴いた本格的なJR裏面史である。
 しかも革マル政治勢力は未だ残存し、今後どう動くのか誰も予想できないし、実態の全容は明らかになっているわけではない。
 JR北海道では社長が2代続いて自殺に追い込まれた、という悲惨な現実もあり、革マルの実態は依然闇の中だ。2018年春、JR総連東労組から3万4500人が脱退、この大脱走でかつて〃鬼の動労〃と言われた機関士たちの労組など風前の灯に晒されている。
 牧は日経記者であるとともに経営者として労務を担当した。国家が崩壊する過程を生々しく描いた『サイゴンの火焔樹〜もうひとつのべトナム戦争』、新幹線建設に賭けたドキュメント『不屈の春雷〜十河信二とその時代』(ウエッジ社、上下2巻)、さらに未完に終わった『満蒙開拓 夢はるかなり』(同、上下2巻)など日経退職後、精力的に記者時代に取材した現代史を具体な読み物として蘇らせ興味深い。
 「同時代の目撃者として書き残したい」という著者の弁。1941年大分県生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞社記者、社会部長、副社長を経てテレビ大阪会長。馴れ合った労使の暴力、教訓としたい。(北岡和義/ジャーナリスト・ 元日大特任教授)

小さな平和の音楽大使引き連れて

垂水ヴァイオリン財団理事長
垂水優香子さん

 毎年9月の国連総会初日、国連本部前の日本庭園で、平和の鐘を事務総長が突いて鳴らす式典がある。そこで演奏している少年少女ヴァイオリニストたちがいる。世界19か国の国籍の背景を持つ60人。1996年に設立された垂水ヴァイオリン財団の「平和の音楽大使」たちだ。楽団を率いているのが同財団理事長の垂水優香子さんだ。
 歴代のブトロス・ブトロス・ガリ、コフィ・アナン、潘基文、現グテーレスに至る四代の国連事務総長在任期間中に演奏している。国連以外では、財団が設立された96年に、ワシントンDCのジョン・F・ケネディ・センター、バチカンでヨハネ・パウロ二世に演奏を献上、12月にはホワイトハウスで当時のクリントン大統領、ヒラリー夫人の前でのコンサートで演奏もしている。以来国内外公演数は、数え切れないほど。
 垂水さんは九州福岡市で生れた。祖父の代から医者の家系で、生まれた時に父親はまだ九州大学医学部の学生だった。その父親が開 業した四国香川県丸亀市で幼少期を過し、音楽はピアノから始めて8歳でヴァイオリンに転じた。鷲見三郎氏と辰巳明子氏(現桐朋学園主任)に師事。小学校時代は今治から東京に月に一度出かけていってレッスンを受ける日々が続き、中学からは桐朋学園受験のために居を東京に移した。
「桐朋の受験のことを考えると今でも震えるんです」と当時を振り返る。ヴァイオリンを始めたのが8歳と遅かったため、練習のストレスで、教室の一番前の席に座っても黒板の字が読めなくなったほどだったが「この子は伸びる」と言った先生の一言を信じた。桐朋学園に合格、卒業と同時にヴァオリン界の世界的権威、インディアナ大学のジョセフ・ギンゴールド教授の下で8年間修業を積む。コンクールで優勝を競った音楽家たちの姿が印象に残った。負けた音楽家が優勝者に「おめでとう」と祝福の声をかけると、「ありがとう。今夜祝賀パーティがあるから来ないか?」「分かった。じゃあ、あとでワイン持っていくよ!」と明るく交わす会話に「世界に通用する音楽家はこれくらいのスケールがないとだめだ」と痛感した。82年にニューヨークに移った。以来、アメリカで演奏活動と若手ヴァイオリニスト育成の音楽教育に身を捧げてきた。その活動が日本政府からも評価され、昨年外務大臣表彰を受けている。聴衆に感動を与えることが音楽家としての最大のテーマ。それには、大きな心とそれに伴った行動が大切だと子供達に伝えている。(三浦良一記者、写真も)

郊外画廊的な展覧会 フリーズ・アート祭始まる

カイカイキキが出展
ギャラリー38も注目

 ニューヨークのランドールズ島で5月1日から5日まで、「フリーズアートフェア」が開催された。ミッドタウンから車やフェリーで20分ほど離れた島で行われるこのアートフェア、会場の外に設置されたスペースでゆったりとした時間を過ごしている人たちが見られる。明るい会場内もちょっとしたリゾート地に来た気分にさせてくれる。
 そのなかで目を引いたのは、チェルシーにあるPPOWギャラリー。インディーズロックバンドの影響を受けたスティーブ・キーンによるデモンストレーションでは、マスプロダクションを信じる彼が目の前で手際の良い速さで次々に作品を書き上げていく姿を垣間見ることができた。アーティストのスタジオをそのまま持ち込んだようなパブリックアートだ。同じようなサイズのウッドパネルに版画のように一筆書いては次のパネルに一筆、その動作を機械的に続けながら同じ絵柄の作品を大量生産していく。その作品は15ドルから50ドルで販売された。
 今年は日本のギャラリーが少なくなったなか、ギャラリー38とカイカイキキギャラリーが参加。カイカイキキには上田勇児による大小、数々の陶芸作品が並んだ。なかには本当に陶器で作られたのかと思えるほど、人よりも大きいダイナミックな作品も見られた。アーティストが得意とされる亀裂やひび割れが使われたものや可愛らしい熊やキャラクター、人の顔を使った作品が印象的だった。TENGaoneの作品を展示したギャラリーの入り口の古びたトタン波板を使ったインスタレーションは多くの人の目をひき、写真を撮る人が多く見られた。(城林希里香、写真も)

五番街のBB バーグドルフグッドマン

 五番街58丁目の高級百貨店バーグドルフ・グッドマンのショーウインドウが、さる6日メトロポリタン美術館で開催されたファッションガラをテーマに現在デスプレイされている。
 同店デザイナーのデビッド・ホイ氏の手による作品で、米作家スーザン・ソンタグ(1933〜2004)が1964年に発表した論文『「キャンプ」についてのノート』に基づいて「不自然なもの、人工的で誇張されたもの」を愛好する感性、美学を表現。往年のブリジット・バルドー(BB)を思わせるファッションの過激さと不真面目な遊び心が、後のメインストリームのカルチャーにどう影響したのかを考察しているという。 (写真・三浦良一)

愛と友情をエネルギーに Tolkien

「The Lord of The Rings「(指輪物語)、「 The Hobbit」(ホビットの冒険)の著者、J・R・R・トールキンの若かりし時代を描く伝記もの。夢とロマン溢れるいくつもの壮大な物語を生み出したトールキンが歩んだ道とは一体どんなものだったのか。誰の影響を受け、どんな試練を超えて人々に希望と夢を与える世界を作り出せたのか。
類い稀な才能を持っていたには違いないが、その原石に磨きをかけるのは経験であり試練だ。物語はトールキンの半生を追うとともに、校友たちとの友情と絆を強く印象付ける。
主人公トールキンにはイギリス俳優ニコラス・ホルト。「X-Men」シリーズのハンク・マッコイ/ビースト役で知られるが、人間味あふれるゾンビを熱演した「Warm Bodies」(2013年)はホルトの演技力を見せつけた。トールキンの初恋の相手でのちに妻となるエディスにはミュージシャン、フィル・コリンズの娘で「Rules Don’t Apply」(ハリウッド・スキャンダル、16年)のリリー・コリンズ。脚本は「Don’t Go」(18年)の監督・脚本デイビッド・グリーソン。監督はフィンランドで最も成功を収めている監督の一人で「トム・オブ・フィンランド」(17年)のドメ・カルコスキ。
トールキンは幼いころ父親を亡くし、弟と母親の3人で暮らしていたがその母親も他界し、一家が親しくしていたモーガン神父が保護者となった。教育熱心だった母親の影響で低学年からラテン語を学び有名校バーミンガムのキング・エドワード・スクールで勉強を続けた。
トールキンの想像力逞しい幻想の世界を作り上げる力は母親の影響が大きかったともいえる。母親はトールキンと弟に動作を加えながら様々な物語を読んで聞かせた。おそらくその中には彼女自身が創作した物語も含まれていたことだろう。
トールキンの人生で最も特筆すべき事柄は学校で出会った3人の友と胸ときめかせたエディスの存在だ。校友はトールキンに両親がいなくても経済的に豊かでなくても見下すことなく心通わせ、闊達な意見を交わし、自由精神をはぐくんだ。まさにこれらがトールキンの原動力の源だ。1時間51分。PG-13。(明)

■上映館■
AMC Empire 25
234 West 42nd St.
AMC Lincoln Square 13
1998 Broadway
Cinepolis Chelsea
260 W. 23rd St.

魅惑のアメリカ旧国道「ルート66」をフォーカス

その2:現地が発信するルート66の情報源

 ルート66ファンの皆さんこんにちは! 日本はゴールデンウィークの10連休が終わり、天皇陛下の退位から新天皇の即位へ伴い年号の変わり目となる5月。ニューヨークの皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
 先月より始まりました「魅惑のアメリカ旧街道ルート66 シーズン3」。前回はおさらい目的でルート66とは何かを今一度お話ししました。シーズン3は、ルート66に関するある特定のトピック、街、人物、そしてルート66の抱える問題点や将来のテーマ等、それぞれの内容に少し深くフォーカスして、「この場所行ってみたいな、あの人に会ってみたいな」という気持ちをより持っていただけるような内容となります。ぜひお付き合いください!
 さて、今回は「現地が発信するルート66」と題して、ルート66の情報を小まめに仕入れられる情報源のご紹介をしたいと思います。もちろん「現地が」というからには内容は100%英語ですが、ニューヨークやその他の米国にお住まいの皆さんには問題のないことと思いますので、お時間を作ってぜひ情報収集を楽しんでもらえれば幸いです。
 「Route Magazine」は、2018年2月、ルート66を代表する作家であり歴史家であるマイケル・ウォリス氏の独占インタビュー記事をメインに、颯爽とこの世に登場しました。その雑誌のシンプルで美しいデザインと内容の素晴らしさに私たちルート66ファンは一瞬で魅了されました。「Route Magazine」はアメリカという、素晴らしく、偉大な国の中にしっかりと存在する「ヒューマン・ストーリー」に焦点を当てた、単なる旅行誌に留まらない「文化誌」です。創刊号にあたる18年2月・3月合併号から隔月で発刊しており、ルート66上の主要なホテル・モーテルとお土産屋さん、そして大型書籍店チェーン「バーンズ&ノーブル」で販売されています。内容はルート66の話題が中心ですが、ルートを離れたネバダ州、ユタ州などの個性的な地域からも、そこに住む「人々」や「文化」の物語を展開する、読み応え満点の雑誌なのです!
 「Route Magazine」は、ケニアのモンバサ出身のブレナン・マシューズという男性の手によって生まれました。ブレナンは2000年にWorld Visionでナイロビの食糧安全保障担当官としてキャリアを始めます。その後、国際開発学の修士号、社会学とコミュニティ開発学の学士号(文学の副専攻)を取得し、世界最大級の営利団体、例えば World Vision、CARE、赤十字、そしてUKのティアファンドと仕事を始めるようになります。さらにはケニア、ウガンダ、マリの全国レベルでのコミュニケーションとマーケティング戦略も担当しました。一方で、熱心な読者そして作家でもあったブレナンは、01年にカナダの大手日刊紙に9/11時のアメリカの壊滅的な攻撃に対するケニアの反応に焦点を当てた彼の最初の記事を掲載。それ以来彼の作品は世界中のさまざまな新聞や雑誌に掲載されるようになり、東アフリカでも有数の高級ライフスタイル・タイトルである「Destination Magazine」の編集長としてエンターテインメント業界にて、スカーレット・ヨハンソン、マシュー・マコノヒー、ライアン・レイノルズ、フォレスト・ウィテカー、LLクールJら著名な人々と仕事をするようになりました。
 ブレナンのプロとしての道のりは、13年以上の管理職、18年間のフリーランスの執筆、そして東アフリカで受賞歴のある「Destination Magazine」での8年間の編集長としての経験と、彼独自のスキルの融合が、現在の「Route Magazine」にその魅力として凝縮されているわけです。
 ブレナンは彼の家族と15年半ばに環境を変えるため北アメリカに移住し、そこを起点として新たな生活を開始しました。彼によれば、ルート66との出会いは「偶然」だったとのことです。どうしても西へ向かって旅をしたくなったその時に、まさにその旅行中でルート66に出会い、「一瞬で恋に落ちた」と語っています。その証拠に過去3年間で、シカゴ〜サンタモニカのフルストレッチを何と6回も走ったんですって!(笑) 何ともまあ羨ましい。  
 「Route Magazine」の公式サイトはwww.routemagazine.usで、ウェブサイトでも多くの記事が読めますが、北米以外に住んでいる皆さんはデジタル版の無料ページも購読できます。この機会にぜひ無料登録して読んでみてはいかがでしょうか? ご心配無用、登録したからと言って宣伝メールなんかは送られてきません。でも、ニューヨーク在住の皆さんなら、お近くのバーンズ&ノーブルで「一家に一冊」、いかがでしょうか?
 最後にもう一つ、筆者の運営するルート66日本アソシエーションも多大にお世話になっている、ルート66本家本元の関連ニュース・ウェブサイト、「Route 66 News」(www.route66
news.com)もおススメの情報源です。こちらは遡って05年からずっと15年近く続いているウェブサイトで、発行人のロン・ワーニック氏は筆者の大切な友人の一人。ルートに出るときは極めて有益な情報が満載です。それではまた来月お目にかかります!
(後藤敏之/ルート66協会ジャパン・代表、写真も)

編集後記 5月11日号

編集後記 5月11日号

みなさん、こんにちは。風薫る五月などと言いますが、なかなか暖かくならないニューヨークです。春のお祭りの季節でもあります。先週末はウエストチェスターのハリソンで4回THE MATSURI が開催され、雨の中、屋内特設会場で大賑わいで盛り上がっていました(本紙3面に記事と動画)。そして今週末12日(日)は「ジャパンデー@セントラルパーク2019」が、同公園内のバンドシェル(メイン入口は69丁目&五番街から)で開催されます。こちらも雨天決行です。同日夜は、ジャパンナイトという日本からのエンターテイナーを招いてのライブ公演もあり、日曜日は日本一色の日となりそうです。ジャパンデーは午前9時30分から午後4時まで。折り紙、甲冑試着体験、歌舞伎隈取り、書道などがあり、午前11時30分から午後2時までお菓子2種、お好み焼き、お茶、おにぎり、餃子のフード5テントが並びます。ただこれは毎年長蛇の列ですから、お子様連れは、これでランチをあてにしないで予めお弁当持参が無難です。ステージは日本から甲斐バンドのステージが午後3時10分からあります。12日夜の「ジャパンナイト」では昨年デビュー20周年を迎え、第60回日本レコード大賞を受賞した日本の歌姫のMISIA。ラルク・アン・シエル(L’Arc-en-Ciel)のリードボーカリストHYDE。日本の和楽器とロックを融合させた「和楽器バンド」、米国で大人気のパフィー・アミユミなど多彩な顔ぶれです。昼間のセントラルパークの方は入場無料です。それでは、みなさんよい週末を。(「週刊NY生活」発行人兼CEO三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2019年5月11日号)

今週のデジタル版はこちらから

https://www.nyseikatsu.com/editions/724/724.pdf

(1) 地名表記問題 「日本海」で応酬 日韓国連でバトル双方譲らず(1面)
(2) 第1回焼酎カクテル・コンペティション開催 蕎麦焼酎「十割」「雅」全田さん優勝(1面)
(3) レトロ気分で味わい豊か シトロエントラック珈琲(1面)
(4) MEN’S COLUMN 非日本人役に舞台で挑戦  俳優 高島ヒロさん(2面)
(5) NYでアート活動を続ける JAA展に32人が出品(2面)
(6) ハリソンで ザ・祭に笑顔(3面)
(7) ウッドストック50周年コンサート開催危うし!(4面)
(8) 江川央の DIGITAL 最前線 グローバルなワン切り詐欺にご注意!(4面)
(9)  野外彫刻の庭ロックフェラーセンター(4面)
(10) ガイドツアー禁止に 自由の女神とエリス島(5面)
(11)  NY生活ウーマン NYの名店を塩で支える グラムソルト創業者 原田 真樹子さん(13面)
(12) 早稲田アカデミー海外受験講習会(16面)
(13) 上智大学が説明会 NY補習授業校W校で 首都圏難関入試概況 最新資料で受験対策(16面)
(14) 福島の生の声を伝える 現在何が起きてるのか 展示や講演でハコ画廊(22面)
(15) シネマ映写室MOVIE Long Shot 永遠のマドンナがすぐそばに(22面)