ピカチュウがくれた贈り物 Pokemon: Detective Pikachu

日本のポップカルチャー、ポケモンのハリウッド実写版。日本の長編アニメは1998年の「ミュウーツーの逆襲」から毎年1作ペースで製作され、今年7月には22作目に当たる「ミュウーツーの逆襲 Evolution」が公開される。その間を割って入ったのが本作。キャラでは誰もが知っているピカチュウがメインのためとポケモンファンでなくても大いに楽しめる。
物語はポケモン・ゲーム「名探偵ピカチュウ」がベースで、失踪した父親を捜す青年ティムとピカチュウが一丸となり事件を追う展開。
主人公ティムには「Jurassic World : Fallen Kingdom」(ジュラシック・ワールド/炎の王国)でITエンジニア、フランクリンを演じたジャスティス・スミス。ピカチュウの声はデッド・プールのライアン・レイノルズ。ダニー・デビト、ドウェイン・ジョンソン、マーク・ウォルバーグらも候補に上がったというが、レイノルズの声は淡々とした軽さの中に柔らかさがミックスされ聞くだけで可笑しさがこみあげてくる盛り上がり効果満点のボイス。ビル・ナイ、渡辺謙らが共演。監督は「シャーク・テイル」のロブ・レターマン。
ティムは保険会社に勤める真面目な青年。昔はポケモン・トレーナーを目指したこともあったがあることがきっかけでだんだんポケモンとは距離を置くようになっていた。ある日、ライム・シティーで父親ハリーが事故死したとの知らせを受ける。ライム・シティーは人間とポケモンが平和に共存する街で人間とポケモンはペアのパートナーになっている。
ティムが父の遺品整理をしているところにハリーの相棒ピカチュウが現れる。しかもティムとピカチュウはお互い言葉が通じびっくり。ハリーはポケモン関連で重要事項を捜査中に事故に遭ったらしい。ピカチュウは事故当時の記憶を失っていたが、ハリーが生きていることだけは確かとティムに断言する。2人はジャーナリスト、ルーシー(キャスリン・ニュートン)の協力を得ながらハリーの足取りを追い、事件解明に挑む。ブレードランナーを思い起こさせるライム・シティ。コダック、リザードンなど他のポケモン・キャラも次々と登場、ラストシーンまで目が離せない。
1時間40分。PG。(明)

■上映館■
Regal E-Walk Stadium 13 & RPX
247 W. 42nd St.
AMC Empire 25
234 West 42nd St.
AMC Loews 34th Street 14
312 W. 34th St.

編集後記 5月25日号

みなさん、こんにちは。 みなさん、こんにちは。「日本のデザイン、いいものがたくさんあるんですけど、アメリカの生活スタイルにフィットするサイズとか値段がマッチしていないことがとても多くて」というのはギャラリー91のデザイナー兼オーナーの海老原嘉子さん。年2回ジェイコブ・ジャビッツ・コンベンションセンターで行われるアクセント・オン・デザイン・ショウ「NY NOW」に35年間にわたり70回の出店を続けていて、これまで日本のデザイナーの作品をニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、クーパー・ヒューイット美術館、フィラデルフィア美術館、ブルックリン美術館、デンバー美術館、モントリオール美術館などに紹介し、300点以上が永久保存作品として収蔵されている。その実績が言わせる言葉だろう。
そんな海老原さんが自信を持って紹介するのが北海道旭川市に本社を置く家具メーカーのカンデハウス。今月19日から22日までニューヨークジェイコブジャビッツ・コンベンションセンターで開催された国際現代家具見本市(ICFF)に3年連続4回目の出展をした。今年4月のミラノ・デザイン・ウィークで発表した際にニューヨークタイムズ紙の記事に取り上げられて話題となった喜多俊之デザインの「NUPRI」を北米初展示し、赤と白のモダンなデザインは900社を越す出展ブースで一際目立った(本紙1面)。
カンデハウスは1984年に現地法人をサンフランシスコに設立、米国ではハーバード大学図書館やスタンフォード大学、アップル本社大会議室などにも机などを納品しているほか、西海岸では俳優のシルベスタ・スタローンや歌手アンディ・ウィリアムスなど著名人が愛用する現代家具の人気ブランド。同社の渡辺直行会長は「インターネットの時代が到来して消費者の購買方法が多様化し流通が複雑になってきてもいいものは売れる」と東海岸での販路開拓に意欲を見せた。家具に限らず日本食やラーメンも地方都市から対米進出が続く。世界が舞台となっている日本企業の活躍がうれしい。それでは、みなさんよい週末を。(「週刊NY生活」発行人兼CEO三浦良一)それでは、みなさんよい週末を。(「週刊NY生活」発行人兼CEO三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2019年5月25日号)

今週のデジタル版は表紙をクリック↓


(1) 大統領選へ NY市長出馬 市民の声庶民派期待も(1面)
(2) 世界が舞台 旭川のカンディハウス 喜多俊之の「NUPRI」NY国際家具見本市で披露(1面)
(3) 日本から食の楽しみ NY出店を目指して(3面)
(4) 視座点描「上級国民」(4面)
(5) 日系警部に無罪 事故の同僚かばった容疑 (4面)
(6) 江川央の DIGITAL 最前線小さな「ハチ型」ロボットが秘める、大きな夢(4面)
(7) ヘリ墜落で無事 ハドソン川に 操縦士を救出軽傷(5面)
(8) 全米オールジャパン ラグビー大会NYで(5面)
(9)  三大盆踊りNYで ガバナーズ島で日本の文化紹介 8月30、31日(10面)
(10) 懐かしの日本のサンドイッチ 人気LA店がNYに(12面)
(11)  心屋仁之助トーク&ライブ ベストセラー作家が語る生き方(15面)
(12) NY生活ウーマン ギャラリー91オーナー、デザイナー海老原嘉子さん 日本のデザインを米国に紹介する(17面)
(13) 文化 ホイットニービエンナーレ幕開け 日系含む75人の作家ローテック多し(25面)
(14) 野外映画シーズンNY厳選の9スポットを紹介(26面)
(15) シネマ映写室MOVIE The Hustle 騙されるも一興  (26面)

大統領選へ NY市長出馬

 ビル・デブラシオ・ニューヨーク市長(58)は16日、2020年の大統領選に出馬することを発表した。
 ユーチューブ動画の宣伝広告で同市長は「労働者家族を第一に(ワーキング・ファミリーズ・ファースト)」をスローガンに挙げ「大統領として、米政府が労働者に仕えるまで、富裕層と大手企業を相手に戦う」と伝えている。また最低賃金の引き上げや有休病気休暇の拡大、プリKの無料化、不法移民のための医療カードの配布など、国内最大都市の市長として果たした功績を主張している。
 同市長は、ニューハンプシャー州を含む期日前投票を行う主要州を訪れ、同市庁舎の職員を連邦政治活動を行う委員会に移動させるなど、今年初頭から出馬の姿勢を見せていた。同市長はすでに20人以上の民主党候補者たちに加わることになるが、クイニピアック大学が昨月行った調査では、ニューヨーク市の有権者の76%が同市長の出馬を望んでいないことが分かった。同日ABCテレビ番組「グッド・モーニング・アメリカ」に出演したデブラシオ市長は同結果に対し、「一般的に世論調査はスタート地点ではなく、終わりの場所」と話した。「労働者の手にお金を戻す」という発言に対し、タイムズスクエアのABC局のスタジオ外に集まった抗議者たちは「(同市長は)嘘つき。ニューヨーク市を運営できずに、どうして国を動かせるのか」と叫んだ。
 トランプ大統領は、同発表後すぐにツイッターで、「彼はジョークだ。でももし市民が高い税金と高い犯罪率を望むのであれば彼は適任だ」と綴った。

市民の声
庶民派期待も

 デブラシオ市長の出馬についてニューヨーカーに聞いてみると、「彼は、私が子供の時、パークスロープの女子サッカーチームのコーチだったんです。近所のおじさんって感じ。今度ももちろん応援するわ」(Sさん)、「庶民派なので好きです。出馬はいいと思う」(Kさん)という声に対し、「国の政治の前に、ニューヨークの地下鉄をなんとかしてほしい。週末の運休とか平日の遅延とか」(Jさん)、「マイノリティー優遇政策などに、アフリカ系アメリカ人の奥さんを上手に使っているようなので、あまり好きじゃない」(Sさん)といった声も聞かれた。(関連記事4面に)

世界が舞台 旭川のカンディハウス、喜多俊之の「NUPRI」

NY国際家具見本市で披露

 北海道旭川市に本社を置く家具メーカー「カンディハウス(Conde House)」がニューヨークで19日から22日まで開催された北米最大規模の家具見本市「インターナショナル・コンテンポラリー・ファニチャー・フェア」(ICFF)に参加した。今年5月発売の新作で深澤直人デザインの「KOTAN」に加え、今年4月のミラノ・デザイン・ウィークで発表した際にニューヨークタイムズ紙に取り上げられ話題となった喜多俊之デザインの「NUPRI」を北米で初展示した。赤と白のモダンなデザインは900社を越す出展ブースで際立った。
 同社は3年連続、4回目の出展(本紙5月18日号既報)。1984年に現地法人をサンフランシスコに設立、米国ではハーバード大学図書館やスタンフォード大学、アップル本社大会議室などにも机などを納品しているほか、西海岸では俳優のシルベスタ・スタローンや歌手アンディ・ウィリアムスなど米著名人が愛用する現代家具の人気ブランド。同社の渡辺直行会長は「インターネットの時代が到来して消費者の購買方法が多様化し流通が複雑になってきても、いいものは売れる」と東海岸での販路開拓に意欲を見せる。

メルボルンのジャズクラブ

ジャズピアニスト浅井岳史のオーストラリア旅日記(2)

 昼夜が真逆になってしまったが、なんとか朝を迎えた。ホテルの窓からはアップタウンの鄙びた街並みに家具屋、楽器屋、レストラン、カフェが並ぶ。その上空をなんと気球が飛んでいる。どうやら今日は祭日のようだ。慌てて動画を撮ってみた。何やら面白そうである。
 朝食で街に出る。昨日歩いたアップタウンに行ってみたが、時間が早いのか、祝日だからなのか、店がたくさん閉まっている。開店準備中のイタリアンカフェに入ってコーヒーとクロワッサンを注文。
 昼に今回のツアーの首謀者であるピーターがホテルに来てくれた。彼は私たちが遠くニューヨークから来ているというので気を使ってくれて、私たち夫婦をダウンタウンまで連れ出して豪華なランチをご馳走してくれようとする。その気持ちは本当に嬉しいのであるが、私は時差ボケが非常に辛いことと、そんな中で今夜メルボルンのジャズクラブ、Dizzy’s Jazz Club でトリオ演奏があるので、なるべくホテルで休みたい。わがままを言ってホテルから歩けるところにあるイタリアンでパスタをいただいた。彼としては、街で一番気に入った中華料理か日本料理をと思ってくれていたと思うが、ごめんなさい。食事をいただいたら、やはりホテルに戻って休憩、起きてからその晩演奏する曲のソングリストを作る。
 演奏の日程は、今回はニューヨークのマネージャーがまとめてくれた。よくまとまったのか、強硬スケジュールなのかは紙一重で、到着して次の日に早速一番ハードなトリオの、しかも結構名門なクラブでの演奏があり、その次の日は午後のピーター主催のコンサートと夜のクラブでのソロピアノがダブルヘッダーで組んである。これは実はかなりきつい。ヨーロッパでの演奏では、時差がなくなるまで3日間遊んでいられたことがたいそうな贅沢に思える。
 でも、頑張るしかない。夕方起きてシャワーを浴びUberでDizzy’sへ。運転者は南米からきた移民であった。移民の立場から、オーストラリアがどんな国かを聞ける良い機会であった。日本を凄く良い国だと思っていてくれた。
 街は意外と小さいので、すぐに会場に到着。今回はオーストラリアのミュージシャン2人とトリオを組む。ベーシストのベン・ロバートソンとドラマーのダニー・フィッシャー。ニューヨークのミュージシャンのつながりでお願いした。なんと私が普段ニューヨークで演奏しているドラマーとは兄弟弟子であり、世の中が非常に狭いことを改めて実感。
 とてもレトロでお洒落な建物の2階がジャズクラブで、その1階のレストランでバンドメンバーと食事。生粋のオーストラリア英語が耳に心地よい。夏に過ごしたロンドンのアクセントと似ているが少し違う。隣にいた若いカップルが、自己紹介しに来てくれた。なんと私を聴きに来てくれているのだという。なんという光栄。
 時間となり上階のクラブへ移動。やはり時差で眠い(涙)。チェコ製のPetrofというグランドピアノが置いてある。美しいピアノだ。ちょっとだけチューニングが甘いが、何とかなるだろう。問題は時差ボケだ。頑張らねば。
 祭日とあってお客さんはたくさんは来てもらえなかったが、日本の会社員時代の繋がりで来てくれた人、現地のファンのかた、ありがたいことに、行きの飛行機で知り合った新しい友達ジムがメルボルンの女性を連れて聴きに来てくれた。まさに、一期一会だ!
 リハ無しで、初めての共演者、初めての土地、かなりの時差ボケで非常に苦しいステージであったが、最後は盛り上がってくれた。この2人のミュージシャン、腕も人柄も本当に良い。クラブオーナーの若いカップルも本当に良心的で採算を度外視してギャラをくれた。感謝感激である。が、演奏はもっと上手くできたと思う。そう思うと悔しくて、ホテルに帰ってもなかなか寝つけなかった。
 明日はハードな1日だ。昼間は教会でのソロコンサート、夜はクラブでのソロ、同じソロでもソングリストは違う。頑張って寝なければ。(続く)
浅井岳史、ピアニスト&作曲家 / www.takeshiasai.com

日本から食の楽しみ、NY出店を目指して

 ラーメン激選区のニューヨークに日本からの出店を希望する人気店が17、18日の週末、マンハッタンの9番街56丁目で開催されたジャパンフェストに参加した。ラーメンStyleジャンクストーリー(大阪)、ラーメン楓(東京)、鬼そば藤谷(東京)お笑い芸人 へいたくちゃんの店、自家製麺ほうきぼし(東京)、炊込物語のしまる(横浜)、れだん(大阪)、JTRRD CAFE(大阪)の各店。
 ラーメンStyleジャンクストーリー(井川真宏社長)は大阪に直営4店舗を構える有名店。こだわり抜いた塩ラーメン「塩のキラメキ」が自慢の一品。4月のラーメンコンテストにも出店し、ジャパンフェス初の2か月連続の出店=写真=。
 井川社長は「日本文化である出汁を感じられるラーメンで、ニューヨーカーのお腹と心を満足していただけるように魂を込めて作りました。ニューヨーク出店を目指します」と語る。美味しそうに食べるニューヨーカーに「オー、アイム・ハッピー」と笑顔で接客。
 ラーメン楓(かえで)は
北海道旭川市出身の魚崎浩敏社長が関東に4店舗を構える北海道ラーメン店。「味噌ラーメンで勝負、高温に熱した中華鍋で炒める、楓独自の調理法で1回1回、味の微調整をしながら心をこめて提供しています」と話す魚崎社長。朝から30丁目界隈のコリアンタウンにスパイスを買い出しに行き、歩いて来たと言う。

ヘリ墜落で無事

ハドソン川に
操縦士を救出軽傷

 ミッドタウンのヘリポートを離陸したヘリコプターが15日午後2時20分頃、ハドソン川に墜落した。乗客は乗っておらず操縦士は無事救助された。左手をけがしたが、軽傷だった。
 エリック・モラレス操縦士(35)が操縦するヘリは西30丁目12番街沿いにあるヘリポートで給油。離陸後すぐに、突然機体がバランスを失い旋回し始め、ヘリポートに戻ろうとしたと見られるが高度を失い川に落ちた。同操縦士は近くを航行していたウォーター・ウェイ・フェリーに救助された。墜落地点はヘリポートから15メートルほどの所で、操縦士は飛んできた破片で右手首に軽いけがをした。
 ヘリは観光ヘリやチャーター便を手がけるジップ・アビテーションのものだが、機体にはマンハッタンから近くの空港までのヘリで送迎するブレードヘリコプターのサインがある。この時は業務を行っていなかったと言う。米国運輸安全委員会が事故の捜査を行っており、キャロリン・マロニー連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は安全が保証されるまでマンハッタンとブルックリンでのヘリコプターの飛行を禁止するよう求めている。

三大盆踊りNYで

ガバナーズ島で日本の文化紹介、8月30、31日

 日本文化をパフォーミング・アーツを通して紹介する団体、ジャパン・パフォーミング・アーツ・インク (JPA、濱田裕子代表)は8月30日(金)と31日(土)午後7時からマンハッタンの南沖ニューヨーク湾に浮かぶガバナーズアイランドで、秋田県の西馬音内(にしもない)盆踊り、岐阜県の郡上(ぐじょう)踊り、徳島県の阿波踊りの日本三大盆踊りフェスティバルを開催する。日本の三大盆踊りがニューヨークで一堂に披露されるのは初めて。日米の愛好家など約50人が踊る。同島の再開発団体から夏の文化行事イベントとして声がかかり、在ニューヨークの三県人会に協力を求め実現することになった。国際交流基金が推進する日本紹介イベント「JAPAN2019」にも認定されている。
 17日午後、日本クラブでニューヨーク日本総領事館の佐藤勝広報センター長、JPA濱田代表、ニューヨーク秋田県人会の山本正俊会長、ニューヨーク岐阜県人会代表の成田敦氏、ニューヨーク徳島県人会の西谷尚武会長の3県担当者代表が出席して記者会見が行われた。ガバナーズ島は、マンハッタンからフェリーに乗って8分でアクセスできる小さな島で、1996年に閉鎖されるまでアメリカ陸軍の駐屯地やアメリカ沿岸警備隊の主要施設として使われた。2003年に国がニューヨーク州とニューヨーク市に同島を1ドルで譲渡し、同州・同市が将来の新しい街、教育と環境思想をベースにした非営利、営利団体が共存する新たな理想の公共空間を開発する計画を立て現在も開発が続いている。
 ガバナーズ島では、5月から10月まで7日間オープンしていて無料のアーツ&カルチャープログラムが開催され、現在では、毎週約1万5000人が島を訪れ、ニューヨークの一つの観光名所になっている。
 JPAが昨年夏、石見神楽をこの島で披露した公演の評判が良かったことから、同島側から2019年のプログラムへの参加リクエストを受けた。
盆踊りが開催されるのはアウトルックヒルで、ガバナーズ島の南に位置する小高い丘の上。自由の女神、マンハッタン摩天楼が一望できる場所で、こちらでパフォーマンスを中心とした公演を行う。アウトルックヒルには、提灯や電光のかがり火などで、盆踊の雰囲気を作り、夕日と自由の女神、摩天楼を望みながらの盆踊を屋外に設置された客席から鑑賞する。盆踊りの鑑賞整理券(無料)は、両日共に当日午後4時くらいから島内で配布する予定(各日限定100人)。
 また盆踊りのほか、31日(土)には正午から午後8時まで、島内ノーランパークで日本食の屋台、模擬金魚すくい、凧あげ、輪投げ、福笑い、スイカ割りなど、昔ながらの遊び・ゲームが紹介される。
 三大盆踊り祭発起人のJPA代表・濱田さんは、「在米中の日本人の子供たちや、アメリカで暮らすさまざまな国の子供達に、盆踊りや遊びを通して、日本の文化、風習などを体験してもらう機会を提供するのもこの企画の目的のひとつ」と言う。

岐阜県の 郡上踊り

 岐阜県の郡上踊りは400年の歴史があり、1996(平成8)年に重要無形民俗文化財に指定されている。特徴は、お盆期間を挟んだ2か月間、町のそれぞれの場所に開催される週末が当てられ、毎週末盆踊りが開催される。
江戸時代に城主が士農工商の融和を図るために、藩内の村々で踊られていた盆踊りを城下に集め、「盆の4日間は身分の隔てなく無礼講で踊るがよい」と奨励したため盛んになった。曲数は全部で10曲あり、踊りの会では1曲長くて50分、短くて15分を踊る。

徳島県の 阿波踊り

 徳島県の阿波踊りは400年の歴史があり、日本国内では極めて有名な踊りで、団体で前進する。江戸時代では、川に囲まれた土地が狭く踊る広場が無いため、盆踊を踊りたい民衆が細い道を前に進んで踊り出したのが今の阿波踊りの原型といわれている。手を高くあげてつま先立ちで踊る独特のフォームは、ほんの36年ほど前(1983年)に一人の女性がやったことから始まったという。

 

 

秋田県の 西馬音内踊り

 秋田県の西馬音内(にしもない)盆踊りは700年の歴史があり、重要無形民俗文化財に1981(昭和56)年に指定された。
踊りの特徴は、優雅でしなやかな踊り。衣装の特徴・絹の着物と花笠、または木綿の藍染の浴衣か彦頭巾。衣装は自前で一人ひとり色や柄が違うが、絹地のつぎはぎの配置などは一定のルールがあるので、全体を見ると統一感がある。盆踊りの輪で踊っている時や、輪の中を通る時は、一切顔を見せず、花笠や頭巾で顔は隠さないといけないルールがある。