【今週の紙面の主なニュース】(2019年6月22日号)

今週のデジタル版は表紙をクリック↓

(1)SAIL GP NYへ(1面)
(2)心屋仁之助in NY(2面)
(3)松井が四国選抜を激励(4面)
(4)平和の鐘に寄付(5面)
(5)NYシネフェスト(11面)
(6)SUSHI NOZU(12面)
((7)独立記念日花火(15面)
((8)ウーマン伊藤さちよ(17面)
((9)ジャパンカッツ(26面)
(10)映画 Men in Black(26面)

SAIL GP NYへ

Japan racing past the Golden Gate Bridge. Race Day 1 Event 2 Season 1 SailGP event in San Francisco, California, United States. 04 May 2019. Photo: Beau Outteridge for SailGP. Handout image supplied by SailGP

日本チーム応援

 セールGP(SailGP)第3戦が21日(金)と22日(土)の2日間、ニューヨークで開催される。日本チームは今年2月にオーストラリアで行われた開幕戦で準優勝、5月の第2戦(サンフランシスコ)で準優勝し、現在、首位のオーストラリアチームと4ポイント差の2位についている。
 セールGPは米オラクル社の創始者で自らもセーラーであるラリー・エリソンと、セーリング界のレジェンド、ラッセル・クーツが2018年に立ち上げたプロフェッショナルのチャンピオンシップ。レース艇は乗員5人、全長50フィート、飛行機の翼のような形状のウイングセールと水中翼を搭載し、最高速度50ノット(時速約100キロ)のスピードで疾走する。今年はイギリス、オーストラリア、アメリカ、フランス、中国、日本の6か国が参加。総合優勝チームには100万ドルの賞金が渡される。
 日本セーリングチームは吉田雄悟、笠谷勇希、高橋レオ、森嶋ティモシーら。

スタート両日
午後5時8分

  レースは、両日共に午後5時8分にスタート。自由の女神からマンハッタンのブルックフィールドプレイス前のビルのハドソン川がコースになっている。マンハッタン側、ニュージャージー側両方から試合展開が観戦できる。初日に3レース、2日目2レースの計5レースが行われ、レース総合トップ2か国の決勝戦が2日目午後6時7分スタート。レース時間は15分間。川岸からもかなりの迫力でレース観戦できる。午後6時30分には結果が出て、ブルックフィールドプレイスに面したマリーナで表彰式が行われる予定。(関連記事25面に)

頑張り屋さんは卒業しよう

心理カウンセラー心屋仁之助さん
NYで語り歌う

 累計著書470万部のベストセラー作家で月間1000万アクセスがあるパワーブロガーとして日本で活躍する心理カウンセラーの心屋仁之助さん(54)が13日、ニューヨークのバルーク・アーツ・パフォーミングセンターでチャリティートーク&ライブを開催し、日本人女性を中心に約100人が集まった。
「日本人は、頑張ることが素晴らしいと学校でも家庭でも教わって育ってきた。ボクも頑張り屋さんで生きてきました。でも、頑張るのを辞めたら人生が変わったんです、いい方に。頑張る方が害が多かった。頑張ってる時は、自分はこんなに一生懸命にやってるのに、なんであなたはそんなに怠けてるのと怒ってばかり。自分が1の力で10頑張って、一人で意地はってなんとかしないと、頑張らないと人に認められないと苦しみ、そのループから抜けられないでいる現状。そこからどうやったら抜けられるのか、または、どうして抜けられないのか。抜けたら人生が終わる、みんなから見捨てられると思っているかもしれませんが、そんなことはないんです。もうどうなってもいいやって思って行動した瞬間に、頑張らなくても人が助けてくれます。だからわがままに、自分のやりたいこと、楽しいことだけをやって、やりたくないことはほっぽり投げ出してください」と話す。
 ステージでは「頑張ったね、ありがとうね、ご飯も作らなくていいよ、おかずは今日もお惣菜でいいよ、家ではジャージーのままでいいよ」など、家庭の主婦や一人暮らしの女性が聞いたら心にジーンと響くような優しい言葉と癒しのトーク、それを歌に乗せた10曲を披露すると5分もたたないうちに客席のあちらこちらでハンカチで目頭を押さえる女性が続出。
「頑張り屋さんの呪縛から解かれるためには、自分という人間を信じること。それは自分は頑張れないけど、それでも、まわりの人は助けてくれると人を信じること。それで人生が変わる」というメッセージをステージから送った2時間半だった。寄付した人を招待するという形で行われた当日のイベントで、1万3935ドル65セントが集まり、全額が女子教育を支援する国際NPOのルーム・トゥ・リードへ寄付された。
 (三浦良一記者、写真も)

ストランド書店建物、歴史建造物に指定

オーナー家反発も登録可決

 ニューヨーク市歴史建築物保存委員会(LPC)は11日、創業1927年の老舗書店ストランドブックストアが入るビルを含むブロードウェー沿いの6棟のビルを歴史的建造物として登録した。
 ストランドブックストアが店舗を構えるネオルネッサンス建築の同ビルは、建築家ウィリアム・H・バークモアがデザインし1902年に完成した。当初は衣料産業の拠点として機能していた。同書店は56年に4番街から同ビルに移転し、96年に11階建ての同ビル全体を買収した。LPCは同ビルについて「当時の高層ビルの様式的な特徴と技術的進歩を象徴している」と解説している。
 一方、同書店オーナーで同ビルを所有するナンシー・バス・ワイデン氏は登録に反対していた。歴史的に古い建物の修理や維持には費用がかかるため、オーナーは歴史的建築物の指定を拒否することが多いという。バス・ワイデン氏は昨年12月「ランドマークのステータスは、代々守ってきた家族経営の書店事業を次世代に継承することをさらに難しくさせる」と、反対を指示する1万1000人分の署名とともにLPCに申し立てした。その後2回の公聴会が開かれたが、LPCの投票結果は8対0で登録を可決した。

「努力の継続を」 松井さんが激励

四国アイランドリーグ来米で

 日本のプロ野球独立リーグである「四国アイランドリーグplus」の選抜チームが、2016年に続き3度目の北米遠征のため来米した。6月中旬からニューヨーク、ニュージャージー、そしてカナダのケベックで米国のベースボール独立リーグ「カンナムリーグ」に所属する現地の6強豪チームと公式戦20試合を行っている。17日、ニューヨーク総領事公邸で、四国アイランドリーグplus理事長の坂口裕昭さんと元ニューヨークヤンキースの松井秀喜さんの対談が選手たちを招待して行われた。
「相手のピッチャーの球が凄くて打ち取られるのはしかたないが、ど真ん中の直球を打てなかったらそれは自分の責任。雨で試合開始時刻が遅れるなど、自分でコントロールできないことは受け入れるしかないが、打席に入るまでは、全部自分でコントロールできるので、そこをいかに努力を継続するかが大切だ。自分に期待されていることは長打を打つ、ホームランを打つということに尽きるので、自分にできる最大の努力は、バットの素振りだった。野球が好きだから努力することが苦にならない。結果を継続することはできないが、努力を継続することはできる。当たり前に普段やるべきことをやっていることをグラウンドでもやることが大事。スカウトがきてるから今日は頑張ろうとか、その時だけ張り切っても結果は出ない。スランプという言葉は好きではない。王選手やイチロー選手のような凄いバッターがもし打てなくなったらそれは本当にスランプと言えるかもしれないが、普通は結果が出ないのは、技術がなくて気持ちが伴っていないからで、まだ自分にできていないところがあるということだと思う。お酒を飲んで次へ行こうとしても何にもならない。
 体調管理は、特別なことはしていない。球場に行ってユニフォームを着れば、気持ちは自然にオンになる。自分のための練習は、ユニフォームを着ていない時にしかできない。
 自分は石川県の出身で、プロ野球が来るのは年に1回くらい。子供にとっての試合はビッグゲームだ。試合が終わって選手が笑顔で手を振ってくれたとか、名前を呼んだけど無視されたとか子供心は、強烈にその後の人生に刻まれ忘れない。だから相手の立場に立ってのファンサービスは大切だ。独立リーグに皆さんそれぞれいろんな思いで入られたことだと思う。その時の初心を忘れないでほしい。自分で考え自発的にやったことじゃないとそれは自信には繋がらない。自分にできることを続ける努力をして頑張ってください」と激励した。
▽21日(金)午後7時、22日(土)6時、23日(日)2時:対ニュージャージー・ジャッカルズ Yogi Berra Stadium(8 Yogi Berra Drive, Little Falls, NJ 07424) ジャッカルズ戦の3試合では、入場者にリーグ北米遠征スポンサーであるゼブラからペン、同北米伊藤園からお茶が無料配布される。22日NY総領事の山野内勘二大使による始球式も予定されている。

平和の鐘に寄付

「国際社会に平和の音」
川村国連大使が事務次長に

 国際連合日本政府代表部の川村泰久大使は17日、ジャン・ビーグル国連事務次長(マネジメント等担当)を訪ね、平和の鐘のために寄付を手渡した。やりとりは次の通り。
 川村大使「先月ニューヨークに在住する日本人の有識者の方々に国連の活動について講演する機会があった。その際、同会の善意のお気持ちを受けて、私より国連の平和の鐘の維持管理基金に献金することをお約束した。今日は小切手を持ってきたのでお渡しする。平和の鐘は、日本が国連に加盟する前の1954年、故中川千代治氏が平和を祈念して世界のコインを集めて鐘を鋳造、国連本部に寄贈したものである。毎年国連総会の開かれる9月下旬,事務総長が鐘を鳴らす慣例になっている。平和の鐘は、平和を希求する日本と国連を一体に結びつける象徴的なものであり、日本人全てにとって貴重な国連の資産である。ついてはこの鐘を次の世代につないで行けるようこの基金を活用されるようお願いしたい」
 ビーグル事務次長「通常自分のところにはお金を使わせてほしいと言う外交官ばかりが訪ねて来るが,川村大使は国連にお金を寄付するために来訪されたので今日はとても歓迎すべき日である(笑)。平和の鐘を毎年事務総長が鳴らすことは国連内ではよく知られている。この鐘は国際社会全体に平和の音を響かせる貴重な存在。いただいた小切手は直ちに基金に入金し、大切に使わせていただく。心から御礼申し上げる」
 川村大使は、さる5月16日にニューヨーク倫理友の会(リンゼイ芥川笑子理事長)主催の春のランチョンに講師として招かれ講演している。

NY日本シネフェスト、短編16作品を上映盛況

多様性テーマに

 今年で8年目を迎える「日本」をテーマにしたインディペンデント短編映画祭「ニューヨーク・ジャパン・シネフェスト(NYCJF)」(共催・マークリエーション)が、5日と6日、アジアソサエティーで開催された。今回は短編映画16作品を2日に分けて各8作品上映した。
 今年は「ダイバーシティー(多様性)」をテーマに、アニメ、ドキュメンタリー、ドラマ、実験、音楽と幅広いカテゴリーから作品が選ばれた。「カメラを止めるな!」で空前絶後のヒット作品を生んだ上田慎一郎監督の「正装戦士スーツレンジャー」、日系人強制収容所をテーマにした「ミニドカ」(西倉めぐみ監督)、人情ドラマ「オフク」、山伏にスポットを当てたドキュメンタリー「マウンテン・モンクス」など、バラエティーに富んだ作品が並んだ。
 6日は「オフク」主演のオフク、「ミニドカ」の西倉めぐみ監督、7日は、「ミスユーラブ」主演のリエの舞台挨拶があたった。
 NYCJFは、ニューヨークを拠点に活動する3人の日本人、俳優で映画監督の鈴木やすさん、映像作家の古川康介さん、イベント・音楽プロデューサーでマークリエーション代表の河野洋が2012年に設立した。
「押絵ト旅スル男」 (塚原重義、アニメ)は、江戸川乱歩原作の短編をアニメ化した作品で兄想いの弟と夢想家の兄が織りなす、極彩色の幻想物語。明治と昭和、昼と夜、狂気と正気、ガラス玉のあちらとこちら。夕闇の奥底に浮かんで消える、夢うつつの「のぞきからくり」がレトロなタッチの作画で郷愁を誘った。(三)

屈指のシェフを日本から招へい

 昨年春、ニューヨークのアッパーイーストサイドに開いた「スシ・ノズ」は、ミシュラン一つ星をはじめ定評高い江戸前寿司店だ。オーナーシェフの阿部望氏はニューヨークの「寿司田」での料理長の仕事を含め、過去19年間寿司を握り続けてきた。店内は京都の職人による数寄屋造りの純和風。阿部氏のお任せコースは伝統江戸前にこだわりつつも、時には米国の要素をさりげなく織り込み、独自の魅力を発している。

ペンシルベニアの田舎で四季を楽しむ、マーサーズバーグ

 マンハッタンのミッドタウンから西へ約400キロ、車で3時間半ほどの位置にマーサーズバーグという小さな町がある。近所にこれと言った名所旧跡もなく、ハイウェイからもやや離れているため、どこかへ行く途中に通過することも無い、至って地味な町である。だが、こういう地味な田舎町にこそ、古き良きアメリカがひっそりと残っていて、ふらっと訪れた旅人に強烈な印象を残すのだ。 
 アパラチア山系のブルーリッジ山地を北に望み、肥沃な農業地帯に周囲を囲まれるマーサーズバーグは1831年に町として創立。当時の人口は700人、190年近く経った現在の人口は1600人ほど。町のメインストリートには古い家並みが並び、近代的な建築物は一軒もない。手入れが良く行き届いた家々は赤や緑、ピンクをアクセントに塗られ、とてもチャーミング。マクドナルドやスタバなどのチェーン店は全く無いし、ショッピングもレストランもこれと言って特筆する店は無い。そんな何も無い町の、古い家の佇まいを眺めながらブラブラ歩くのも楽しいものである。 
 名所旧跡は無いが、この町にはマーサーズバーグ・アカデミーがある。300エーカーのキャンパスを持つこの学校は1893年創立のボーディングスクール(寄宿制学校)で、自治体などの支援は一切受けず、学費と寄付金だけで運営している。生徒は豊富な教育科目から将来の希望に合わせて選択して学習するシステムを持ち、スポーツ分野ではこれまでに54人のオリンピック選手を輩出(うち12人が金メダルを獲得)するなど文武共に優れた名門校として誉れ高く、海外からの寄宿生も多い。
 そしてマーサーズバーグで忘れてはならないのがマーサーズバーグ・イン。アカデミーの近くにあるこのインは、1909年に実業家ハリー・バイロン氏が建てたジョージアン様式の邸宅「Prospect」が後年になりインとなったもの。小高い丘の上に立つ3階建ての屋敷はレンガの壁に白と黒のアクセントが美しい。玄関ホールに足を踏み入れると、左右に広がる階段の美しさに目を奪われる。おぉーっと感嘆の声をあげていると「いらっしゃいませ」と日本語で迎えられた。2年前に夫のスティーブンさんと共にこのインを購入し、現在インキーパーを務める知美さんだ。知美さんはNYの大学を卒業後、日系企業で働いた経歴があるが、インで働いたことやビジネスオーナーの経験は無かったという。パートナーがいるとはいえ、アジア人がほとんどどいない小さな町のインの女将になるとはなかなか肝っ玉が座った女性である。その知美さんにインを案内してもらった。
 1階はダイニングルームと暖炉があるバー、パーティー会場にもなる広間があり、地階はビリヤードテーブルやエアホッケーを備えた憩いのスペースになっている。客室は母屋に15部屋、もと馬車小屋を改築した離れに2部屋、計17室あり、どの部屋も広さやレイアウト、デコレーションが異なり、どの部屋にしようか、あれこれ迷う楽しみがある。インで最も広い2階の客室「Prospect」と「Ione」はバイロン夫妻の寝室だった部屋で、シャワーブースと大きなバスタブ、洗面台のほか、赤ん坊用の小さなバスタブも備えた広々したバスルームが圧巻だ。インは宿泊と朝食がセットになっているB&Bスタイルだが、木曜から日曜のみダイニングルーム「バイロンズ」で夕食を取ることができる(要予約)。このダイニングルームの照明や階段室のステンドグラスなど、屋敷のあちこちにティファニーのものがあり、それらを探すのも楽しい。インには離れの2部屋を除いてテレビが無い。「本当に何も無いところですが、この静けさを楽しみに来てください」と知美さん。7月は広い庭にものすごい数の蛍が飛び交い、それは見事だという。
 また、車で10分ほどの所に良質なスキー場とゴルフ場で人気の高い「ホワイトテール・リゾート」があり、スキーやゴルフを楽しんだ後にインで過ごす常連客も多いそうだ。他にアルパカ好きの夫婦が営むアルパカ牧場も忘れてはいけない。ニューヨーク、ニュージャージーへの帰り道にはキリスト教共同体であるアーミッシュやメノナイトのコミュニティーで知られるランカスターに立ち寄るのもおすすめ。美しい田園風景の中、厳格な規則のもとに暮らす彼らと、通常の家庭が隣り合わせに生活する様子は大都会では見られない風景である。
 これと言って何も無いけれど訪れてみるととても魅力的な町、それがマーサーズバーグ。今年の旅の目的地に追加してみてはいかが?(本紙・白熊らっこ)

■Mercersburg Inn (405 South Main St. Mercersburg, PA 17346)
www.mercersburginn.com/
■Whitetail Resort
ゴルフ場=https://golf.skiwhitetail.com/
スキー場=https://skiwhitetail.com/
■Long Acres Alpaca Farm (9703 Blue Spring Rd. Mercersburg, PA 17236)=
www.longacresalpacafarm.com/

独立記念花火見物は ブルックリンが最高

コニーアイランド
花火も野球も
ホットドッグ早食い大会も

 7月4日、独立記念日の夜を彩るニューヨークのメーシーズ花火大会。午後8時から10時頃まで7万個もの花火が打ち上げられ、全米ライブ放映される米国最大級の記念イベントだ。
 今年はイーストリバー、ブルックリン橋より南西の4か所で打ち上げられるため、サウス・ブルックリン側からがベストスポット。ブルックリン・ブリッジ・パーク(Brooklyn Bridge Park)、ブルックリン・ハイツ・プロムナード(Brooklyn Hights Promenade、ブルックリン・ネイビー・ヤード内のブルックリン・グランジ(BrooklynGrange)などで、食べ物や飲み物を持ってピクニック気分で早めに場所取りをするといい。詳細はウェブサイトwww.macy.com/social/fireworksを参照。
 ノースブルックリンからは、今年は打ち上げ場所がブルックリン橋に近いため部分的にし見学できない。川沿いには、トランスミッターパークピア(Transmitter Park’s Pier)、ブッシュウィック・インレット・パーク(Bushwick Inlet Park、ドミノ・シュガー・ファクトリーに近いリトル・グランド・フェリー・パーク(Little Grand Ferry Parkなどがあるが、数多くのルーフトップバーから見学するのが薦めだ。ウイリアムズバーグにあるベリーパーのルーフトップバーではパーティーが開催される。入場料は25ドル、この日は予約を受け付けない。詳細はウェブサイトwww.berryparkbk.comを参照。
 コニーアイランドでも午後9時45分頃から花火が打ち上げられ、海岸沿いのボードウォークから見学できる。ブライトンビーチからも綺麗に見える。
 野球好きなら、ブルックリンサイクロンズが本拠地コニーアイランドMCUパーク球場で7時からアイロンバーズと対戦。最後に花火が打ち上げられる予定。入場料はホットドッグ付き15ドル〜。詳細はウェブサイトwww.borooklyncyclones.com
 なお、コニーアイランドではネイサンズ国際ホトドッグ早食い大会が行われる。予選通過者20人が10分間にホットドッグ早食いを競う。女子大会は午前10時45分から、男子大会は正午から。男子は74本の記録で昨年優勝を奪還したジョーイ・チェスナットさんの連続優勝に、女子は5回の優勝経験を持ち昨年は37本の記録で圧倒的に強い須藤美貴さんに優勝の期待が高まっている。見学無料、開場は午前11時。詳細はウェブサイトwww.nathansfamous.comを。

コンゴのサプール黒編

写真家 SAP CHANO
学研プラス・刊

 サプールとはコンゴ共和国(首都プラザビル)とコンゴ民主共和国(首都キンシャサ)、ふたつのコンゴで90年以上継承されるファッション文化だ。平和を尊び争わず、平均月収3万円ほどの稼ぎをやりくりして「エレガンスな装いこそ人生のすべて」という生き方を貫く。
 両国は、ボートで5分ほどの距離だが、フランス植民地だったプラザビルとベルギーの植民地だったキンシャサとではファッションセンスも大きく異なる。
 カラフルだがコンサバなスーツスタイルのプラザビルに対して、かつて「キンシャサの奇跡」と言われた伝説の地には、枠にはまることなく自由に生きるファッショニスタが街を闊歩している。そんなキンシャサのサプールたちを熱狂させる一番のブランドが「Yohji Yamamoto」なのだ。
 筆者で写真家の茶野邦雄ことSAP CHANO氏は、2015年からサプールを取材し始めた。カラフルな原色のサプールだけがSAPEURだと思っていたCHANO氏が、キンシャサで目にしたのは、ヨウジヤマモトしか着ないサプールの存在だった。その背景には、こんなエピソードがあった。
 キンサシャ出身のミュージシャン、故・パパウェンバ氏が、時の独裁政権、モブツ大統領から国民服を着るよう強制されたにもかかわらず、それを無視してヨウジの服を着てステージに立ち続けたという。当然、モブツ大統領は面白くない。彼を逮捕しようとしたが、圧倒的な人気と影響力を考えると混乱は目に見えていたので、諦めて厳重注意に留めたという。
 このことを契機に、ヨウジの服は逮捕をも免れる免罪符的カリスマ性をまとうことになる。国民の中にヨウジを着るサプール文化が広まり、いまでは、コンゴ人にとってはファッションブランドを超えて、ヨウジはコンゴ人の自由や平和の象徴となっているのだと筆者は語る。
 CHANO氏は今年3月、パリコレに出ていたヨウジさんを訪ねた。この本のテーマであるサプール文化の芯を貫く1つの魂。それにあやかって付けた「Yohjiを愛したサプール」というタイトルの使用許諾を求めた。「大丈夫ですよ」と許可してくれた。
 192ぺージにおよぶこの写真集には、そんな粋で情熱的なサプールの男達の姿が生き生きと写しだされている。表情とさまざまな組み合せのファッションが実に新鮮だ。前作のカラフルなサプールとは真逆のモノトーン。写真集のメインはヨウジヤマモトをまとうキンシャサのサプールを撮り下ろした作品、3月パリ在住のコンゴ人サプールを取材した未発表写真を巻末に掲載している。ファッションが生きざまとして表現されるパッション。それが鮮烈な写真の一枚一枚から伝わってくる。(三浦)