(1)米国公務員の大量解雇 続々通知で大混乱
(2)桃の節句USA NY五番街にW雛人形
(3)津田和男さん逝去 国連国際学校で教鞭
(4)JO1 NY公演 3日と4日ブルックリン
(5)米国は欧州を無視 日本には? 海外日本人サポート
(6)コロンビア大学 村瀬名誉教授が死去
(7)総領事館名乗る詐欺 在留邦人がターゲット
(8)熊本の魅力をPR 居合道の実演も
(9)それぞれの春、それぞれの大志 田村麻子のカーテンコール
(10)宝塚の歌声NYに響かせて 佐分利美佳さん
トランプ米大統領と側近で実業家のイーロン・マスク氏が進める連邦機関の効率化に伴う大量解雇が加速している。トランプ大統領は1月の就任初日に大統領令でマスク氏をトップとするDOGE(ドージ)こと政府効率化省(Department of Government Efficiency)を設立。その目的は「連邦政府のテクノロジーとソフトウェアを近代化して、政府の効率性と生産性を最大化すること」としている。およそ300万人を擁する連邦政府職員の削減計画が急ピッチで進んでいる。
手始めとして1月29日、2月6日までに退職に応じれば9月30日までの給与を支払うとフルタイムの連邦政府職員200万人に通知。ワシントン・ポスト紙によると7万5千人以上が応じたという。
2月11日にトランプ大統領はイーロン・マスク氏率いる政府効率化省と連携しながら必要不可欠なポスト以外の職員を削減し、雇用も制限するよう指示する新たな大統領令に署名。人事管理局は2月13日、政府機関に対し試用期間中(勤務期間1〜2年)の職員を原則解雇するよう指示。退役軍人省で1000人以上、連邦森林局で3000人以上が解雇される予定など、教育省、中小企業庁、消費者金融保護局、一般調達局などでも試用期間中の職員を中心に解雇通知のメールが送られた。各国にある大使館も職員削減に備えるよう通知された。
また政府効率化省のチームが同日、連邦税の徴収を行う内国歳入庁(IRS)を初めて訪れ、業務を視察。IRSの職員は8万人ほどだったが、富裕層の納税強化を進めるとして約10万人に増えていた。確定申告のシーズンで、この時期の大量解雇は還付金を当てにしている人たちに影響を及ぼす可能性がある。核兵器の備蓄の計画や製造、管理も担当している国家核安全保障局(NNSA)では、いったん解雇した原子力安全担当の連邦職員を呼び戻すなどの混乱も起きている。
ワシントンDCの連邦裁判所では14州の団体が、トランプ大統領が議会承認なしに政府効率化省に「制限のない法的権限」を与えたことは違法などとして訴えを起こしている。しかし米国際開発局(USAID)を巡っては、ワシントンの連邦地裁が21日、人員削減の一環として職員に出した休暇指示を認める判断を下したことから23日、重要ポストを除く大半の職員に休暇に入るよう指示がなされた。また少なくとも1600人の雇用削減に踏み切ると発表された。USAIDは解体、事実上の閉鎖に向かっている。
政府効率化省は来年7月4日までに連邦政府予算のおよそ3分の1にあたる約2兆ドル(約300兆円)を削減目標に掲げている。これまでに削減した金額は17日時点で550億ドル(約8兆4000億円)とされている。
政府効率化省の外部アドバイザーで、投資会社「アゾリア」の最高経営責任者(CEO)のジェームズ・フィッシュバック氏は、来年7月の政府効率化省の活動期限満了後、削減できたコストの一部から5000ドル(約76万円)を納税者に還付すべきと提案している。マスク氏は18日、X(旧ツイッター)への投稿で、提案について「トランプ大統領に確認する」と述べた。トランプ大統領は19日、フロリダ州の講演で「政府効率化省が節約した分の20%を米国民に渡し、20%を債務の返済に充てるという新しい案も検討されている」と語った。
3月3日は桃の節句。マンハッタン五番街の和菓子店、源吉兆庵の店内に豪華なW雛壇が飾られ、街行くニューヨーカーを楽しませている。銀座本店の雛壇をイメージしたそうで、マジソン街店からの春恒例のディスプレイとのこと。この季節、日系教育機関やNY日系人会、天理文化協会のホールでも美しい雛人形が毎年飾られている。
雛人形は、女の子の誕生を祝うとともに、その健やかな成長を祈って飾られる。雛人形の主役は最上段の「お内裏様」と呼ばれ、夫婦の姿を表現している。
同店ではこのW雛の写真を撮影してSNSにアップしたことを店のスタッフに見せると3月3日まで源吉兆庵の特製桜餅がもらえるキャンペーンを実施している。寺門涼支配人によると既に30人以上が参加していて好評だという。来年はもう1段雛壇を追加してトリプル雛壇にするそうだ。ディスプレイは今月いっぱい飾られている。(2月21日、写真・三浦良一)
国連国際学校(UNIS)で長年、日本語教師として教壇に立ち、米国北東部における中等日本語教育の先駆者として貢献した津田和男さんが2月18日未明ニューヨークの自宅で亡くなった。(享年76歳)。津田さんは北東部日本語教師会の会長として米国東海岸で日本語を学ぶ現地校の高校生を対象に同校を会場に開催してきた「春祭り」を主催した。30年目に当たる今年は、初めて会場をハンターカレッジに移して開会式でも元気な姿を見せて挨拶、日本語を学ぶ現地校の高校生と大学生が初めて交流する悲願の高校大学連携を達成したばかりだった。津田さんは1948年埼玉県出身。2022年にUNISを退職。22年に全米日本語教育学会(AATJ)から生涯功労賞を受賞。
「津田先生に習うと、子供たちは自主的に勉強するようになるんですよ」。今から40年近く前の国連国際学校(UNIS)での母親たちの評判はすこぶる良かった。三島由紀夫の『金閣寺』は、教室で教師の手を離れて生徒間のディスカッションへと発展していく。時には小説の書き出しの1行に込められたさまざまな意味を考えるために3か月の授業を費やしたこともあったという。埼玉県出身。麹町小学校、麹町中学校、東京都立上野高等学校、上智大学社会学科卒業。大学では、社会学者鶴見和子のゼミに所属し、マックス・ウェーバーや柳田国男の研究に没頭、そのままゼミの助手として大学に残っていた時に、同大の英語教授がニューヨーク州キャッツキルで在米日本人子女を集めたサマーキャンプを行うことになり、それがきっかけで来米した。キャンプは大成功し、津田のひたむきな姿や子供に対する親身な世話ぶりを本物とみてとった教授が国連国際学校への教師として推薦してくれた。
「日本語に対するアメリカ人生徒の関心度は毎年右肩上がりです。日本語を学ぶアメリカ人生徒と日系のルーツを持ち継承母国語として日本語を勉強する生徒との日本語力が均衡してきたのがここ数年の特徴です」。UNISを退職して2年の歳月が経った昨年暮れ、ウエストビレッジの喫茶店で資料を手に熱く語っていた姿が印象的だ。
ニューヨーク市立大学・齋藤和子さんの話「コロナの影響で高校生向け恒例イベント春祭りが中止となった。バーチャル開催を模索する先生に頼まれ、大学でオンラインコースを担当、中高でも日本語を教えている私が準備に携わるようになった。訃報の前週、最後にご一緒した第30回NECTJ文化祭@ハンター大学は、29年続いた春祭りが前身であり初の高大連携イベントであった。また多様な経歴を持つ日本語教師が共に学べる「ボストン・NY合同勉強会」を共に立ち上げた。UNIS退職後、教室外へ活動の場を広げた先生。昨年のウガンダ視察には医療を志す大学生の娘も同行させてもらいお世話になった。画面越しでの挨拶は「先生、今はどちらですか?」が定番であったが、ついに先生は天国へと旅立たれた。未来志向、世界規模のビジョンを語っていた津田先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます」
2019年にサバイバル・アイドルオーディション番組から誕生し20年にデビューした11人組のボーイズグループ「JO1(ジェーオーワン)」。日本国内だけでなく海外でも精力的に活動し、アジア最大級の音楽授賞式「Mネット・アジアン・ミュージック・アワード2020」で「ベストニューアジアアーティスト賞」を受賞するなど活躍。アメリカにも熱狂的なファンが大勢いる彼らが、アジアの4か国とアメリカで自身初のワールドツアーを敢行中。NYでは、3月3日(月)と4日(火)の2日間、夜8時からブルックリンの「ブルックリンボウル」(61 Wythe Ave)で公演を行う。
当初、NYは4日の一回のみの予定だったが、チケット発売後まもなく完売となったため、3日の公演を追加した。この3日の追加公演はまだ直前でのチケット購入も可能という。JO1の所属事務所では、「ぜひNY在住の日本人の皆さんにも会場に来ていただいてライブを盛り上げてもらい、JO1の魅力に触れてほしい」と語っている。
チケットは、JO1公式サイトのワールドツアーページ:https://jo1.jp/feature/worldtour2025 から「ライブネーション」のサイトに入って購入する。
NY在住の日本人の皆さんにショーを盛り上げてもらいたいと、所属事務所から「週刊NY生活」編集部に3日(月)の公演チケットが寄贈された。本紙読者に抽選で、ペアで5組(計10人)にプレゼント。希望者は2月28日(金)午後5時までに、応募者のフルネームとEメールアドレス、本紙でよく読むページやコラムを記載のうえ、info@nyseikatsu.com までEメールで応募する。メールのタイトルは「3/3(月)JO1コンサートチケットプレゼント応募」とする。当選者には直接通知され、当日会場の受付で名前を伝えて入場する。
オックスフォード大学に赴任してから3週間が経ちます。この間欧州は米国から無視される存在となっています。ウクライナを巡るサウジアラビアでの米国とロシアの会談にウクライナの大統領も欧州の首脳も招かれませんでした。欧州の首脳会議が連日開催されていますが、最近のドイツを含め政権交代も続いている欧州諸国の首脳間の連携も不安定です。他方、防衛予算や軍事連携を強化して欧州を守ろうという危機感と連帯意識も増していますが、移民問題や国民生活の低下に直結する問題となります。
トランプ政権誕生で、世界の外交が劇場化していますが、以下を冷静に見据えることが重要です。①政権が代われば政策が変わるのが当然。②紛争仲介には当事者と直接交渉するのが肝要。ロシアとの直接交渉がいかに重要かが明確になった。拉致問題では北朝鮮との交渉が肝要であるように。③欧米主要国は対立するロシアや中国などと政府間以外の多様な接触点を保有している。日本ではこれらの視点が欠けており、激動する世界に対応する立て直しが必要です。
したたかな欧州は、世界中に築いた植民地から撤退する際には、インドとパキスタン、イスラエルとパレスチナなどの対立構造を作って分割統治を行ってきた旧悪もあります。それに対し私の英国やフランスの友人などは、それを贖罪しながら紛争地域の人々への支援活動を行なっています。
先日ここの大学で開催された政治家や有識者の講演会で以下が指摘されました。米国はカナダ、メキシコ、パナマなどに強権を発動しているが、その先に来る英国に対する強権への対応を準備すべきだ、と。米国を友人というより脅威と感じ、自信喪失の兆しすら見られます。中国、インド、ASEAN、アフリカなどグローバルサウスなどと米国以上に強い関係を誇る欧州でのこうした状況は世界全体の大問題です。
そして、その次は日本となった事態への備えが必要です。前述した冷静な対応、外交体制の整備、そして、したたかな国家運営(ステートクラフト)が日本に必要です。これから2年間、激動する世界の鼓動と日本のとるべき対応を欧州からお伝えして参ります。
ふじた・ゆきひさ=オックスフォード大政治国際問題学部客員研究フェロー(英国在)。慶大卒。国際MRA(現IC)や難民を助ける会等の和解・人道援助活動を経て国会議員、財務副大臣、民主党国際局長、等を歴任。現在、国際IC日本協会長、岐阜女子大特別客員教授も兼任。
米国における日本美術・日本文化の普及に大きく貢献したコロンビア大学名誉教授の村瀬實惠子さんが2月13日、ニューヨーク市内のマウントサイナイ病院で亡くなった。100歳だった。大学の教え子で同大日本美術史教授のマシュー・マッケルウエイさん(58)によると、亡くなる1週間前に大学の教え子2人が自宅ベッドで村瀬さんを見つけた。その時はまだ意識があった。ベッドの横の机の上には、読みかけた本の上に眼鏡が置かれていたという。同日村瀬さんは病院に搬送され脳卒中と診断され1週間入院していたが、3月11日からジャパン・ソサエティーで予定されている村瀬さん企画による展覧会「寿」の開幕を目にすることなく亡くなった。
村瀬さんは、1946年東京女子大学英文学科を卒業し、1962年にコロンビア大学美術史考古学部博士号を取得し准教授就任した。専門分野の絵巻物・障壁画をはじめとした日本絵画研究に加え、新たに日本の彫刻、工芸、建築についても研究を進め、同氏により初めてコロンビア大学に日本美術史の常設講座が開設されることとなった。1975年に同大学教授に就任した同氏は、1996年にコロンビア大学を退官するまで、多くの後進を指導・養成し、米国での日本美術・日本文化の普及に大きく貢献した。
教え子の中には、サンフランシスコ東洋美術館の元館長であるエミリー・サノ氏や、個人収集では質・量ともに日本国外では最大の日本美術コレクションと言われる「バーク・コレクション」の所有者であったメアリー・グリッグス・バーク夫人がいる。
同氏が関わった展示会としては、1971年にアジア・ソサエティで行われた「日本屏風絵展」、1975年にメトロポリタン美術館で行われた「日本の美術ーメアリー・アンド・ジャクソン・バーク夫妻コレクション展」などがある。コロンビア大学退官後、メトロポリタン美術館東洋部特別顧問に就任。同美術館の特別展の企画・図録の作成から、収蔵家や他の美術館との交渉など困難が伴う過程をやり遂げ、展覧会を成功に導いた。同氏が関わった展示会としては「夢の架け橋ーメアリー・バーク日本美術展」(2000年)、「日本書道展」(2002年)、「織部ー転換期の日本美術」(平成2003年)がある。平成22年(2010)秋の叙勲で瑞宝中綬章が授与されている。
(写真)コロンビア大学名誉教授時代の村瀬さん
在ニューヨーク日本国総領事館は、同館職員や日本の警察等を装った電話詐欺について注意喚起を行った。
在NY日本国総領事館の職員を名乗る人物から電話があり、あなたが何らかの犯罪に巻き込まれている(または加担した疑いがある)ので、日本の警察からの電話を待つように言われた、との相談が複数寄せられている。日本の大使館や総領事館、さらには日本の警察や税関職員などが国際電話等で犯罪捜査や行動監視をすることはない。ましてや、逮捕や強制送還を示唆したり、金銭を求めたりすることは決してない。犯人側はあなたの名前など、ある程度の個人情報を入手した上で電話をかけてくるが、こうした詐欺電話を受けても相手にせず電話を切る。犯人側は、あなたの着信画面に表示される電話番号を偽装表示(スプーフィング)することもあるので、表示された番号が総領事館等の代表番号であっても、安易に信用しない。また相手から要求されても、金銭や個人情報(クレジットカード番号や銀行口座番号など)を絶対に提供しないよう、冷静に対応する。要求がエスカレートするなど悪質な場合は、現地警察に相談する(ニューヨークの場合は、NYPD SCAM ALERT hotline電話646・610・7226まで)。
■️最近の電話詐欺の手口
在NY日本国総領事館に寄せられた、最近の電話詐欺の手口は次の通り。
(1)総領事館からの電話(第1段階)
総領事館職員を名乗る人物から電話がある(電話をかけてきた時点で、犯人は名前や住所などある程度の個人情報をすでに知っている)。犯人側の発言例:「日本の携帯ショップにおいて、あなたの個人情報で携帯電話が契約され、犯罪(振り込め詐欺等)に利用されており、福岡県警が捜査しています」「この後、福岡県警から連絡があるので、認証番号(○×)及び総領事館から連絡を受けた旨を伝えてください」
(2)日本の警察からの電話(第2段階)
福岡県警を名乗る人物から電話があり、認証番号及び総領事館から連絡を受けた旨を伝えると、ビデオ通話への切り替えを要求され、テレグラムやLINEをインストールさせられ、ビデオ通話での取り調べが始まる。犯人側の発言例:「あなたの身分証(パスポートや運転免許証等)を見せてください。(犯人側も偽造の警察手帳を見せてくる)」「本事件に無関係なのであれば、無関係証明書と被害届を出してもらう必要があります。遠隔地のお住まいのあなたには特別に本オンライン上でのやりとりで受理します」「(無関係証明書等の手続き等を行っている最中、突如無線の音が入り)別のマネーロンダリングの事件で逮捕された主犯格の供述で、あなたから口座を買ったと供述しているため、容疑者として捜査する必要があります。面割り(事件の関係者に容疑者を見せて犯人かどうかを確かめること)のために、現在のあなたの顔写真を撮影して送ってください」「(写真送付後少ししてから)主犯格は間違いなくあなたから口座を買ったと供述しています。あなたは容疑者であるため、これから毎日1日4回の行動報告及び位置情報の共有をしてもらいます。報告が滞った場合や連絡が取れなくなった場合には、即逮捕されますのでご注意ください」「本事件は大規模事件なので、守秘義務誓約書にサインをしてください。本事件を口外すると別の罪にも問われ、逮捕されますのでご注意ください」
(3)金銭、送金の要求等(第3段階)
監視生活(行動報告、位置情報の共有)が始まり数日経過すると、犯人側は不安になっているあなたに対して、偽造の逮捕状を見せるなどさらにプレッシャーをかけつつも、一緒に無実を証明しようなどと寄り添う姿勢を見せて、あなたの信頼を得るように仕向け、最終的には金銭の要求をしてきます。犯人側の発言例:「あなたの口座が不正に利用されていないか調べるため、銀行口座の下4桁、現在の口座残高を確認させてください」「あなたの口座にあるお金が犯罪で得たお金かどうかを警察が確認するので、香港の口座に○万ドル送金してください」
■被害に遭わないための対応・予防策
(1)知らない番号からの電話には出ない(電話番号をインターネットで検索すると、スパムだとの書き込みがある場合もある)。
(2)不審な電話を受けた場合は、相手にせず、すぐに電話を切る。
(3)何度も電話がかかってくるようであれば「こちらから総領事館または警察に折り返す」と言って電話を切る。
(4)犯人が名乗った先(総領事館等)に直接電話をかけて、事実関係を確認する。(電話は着信履歴にかけ直すのではなく、公式な情報から電話番号を確認する)なお、着信画面に表示される電話番号が正しい番号であっても、表示番号が偽装(スプーフィング)されているケースもあるので安易に信用しない。
(5)相手から要求されても、金銭(銀行送金等)や個人情報(クレジットカード番号、銀行口座番号やソーシャル・セキュリティ番号等)を絶対に提供しない。
(6)SNSなどインターネット上に自身の個人情報を掲載しない。不審な電話を受けた場合や、万が一、金銭や個人情報を提供してしまった場合には警察へ通報・相談の上、在NY日本国総領事館にも連絡する。
詳細はウェブサイトhttps://www.ny.us.emb-japan.go.jp/itpr_ja/News_110824.html(在NY日本国総領事館)、https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2024C049.html(外務省広域情報)を参照する。
熊本市は2月22、23の両日、同市の観光と食文化のPRためブルックリンにある複合商業施設ジャパンビレッジで「熊本フェア」を開催した。同施設の2階催事スペースで、VR動画視聴による熊本観光案内を行ったほか、天草陶磁器・作務衣・袴などの熊本の特産品の展示販売会を実施した。また、1階のフードコートでは、有明海苔と熊本のお米を使ったおにぎりや玄米麺の販売などを行い、熊本の食文化もニューヨーカーに紹介した。
さらに、熊本城を有し侍のまちとしても知られる同市において、宮本武蔵の剣術「二天一流」を継承する宗家18代目松永哲典師範とその道場の一行が居合道の実演とワークショップを開催し、ニューヨーカーに武士道の精神を伝授した。
今回のイベントの企画運営会社である株式会社LOLO(熊本市)の林慎吾代表取締役は「世界の中心ともいえるこのニューヨークの地で熊本の文化を体験してほしい」と抱負を語った。
ニューヨークにある芸術高校に通う友人の息子君、入試ではポップスを歌ったと言うが、入学後からオペラに目覚めたと言う。そんなわけで、真剣にオペラ歌手を目指しているので相談に乗ってほしいと友人から持ちかけられた。オペラ歌手を目指す高校生男子に、最近は中々巡り会わないので、早速楽しみに歌を聞かせてもらうと、非常に素晴らしい声を持っており、歌心もある。良い所が沢山ある事を本人に伝えつつ、これから必要な事や、こうした方が良い思われる事など、幾つかアドバイスをした。良い意味でマイペースであるし、思った事を言ったり、やりたい事を真っ直ぐに突き進む素直さも持ち合わせており、将来が楽しみだなぁと見ているうち、自分が彼と同じくらいだった頃の事を思い出していた。普段は思い出さないので忘れかけていたが、確かに私も10代の頃、心の底からオペラに傾倒しており、尊敬するオペラ歌手たちのような声を出して、自分が受けたのと同じような感動を人に与えられるような歌が歌いたいと強く願っていた。歌のレッスンや練習に励むだけでなく、オペラに不可欠なイタリア語もワクワクしながら独学で学び始め、レコードやCDを何度も聴いては、往年の歌手の歌に涙したり感動し、一体どうすれば、このような声で、こんな風に歌えるのだろうと日々研究を続けていた。その友人の息子君は、音大に進学後、私がかつて目指したのと同じように国際的な歌手になりたいと言う。健全な魂を持つ青年が、目標に向かって有効な努力をして、何故できないことがあろうか?私自身は、分厚い人種の壁や偏見の前で、ロールモデルも大したストラテジーも見つけられない中、道なき道をがむしゃらに進んできた感覚がある。今思えば、生来の不器用さで必要以上に苦しんで来てしまったし、何度か鬱状態にも陥った。それでも歌手を続けますか?と踏み絵のような試練も何度もかいくぐって来た。しかし彼は、人種による差別なども少し和ぐ2025年の今、日本人の母と白人の父を持つミックスの若者だ。立派な声と体格に恵まれた16歳の目前には、洋々たる未来しかない。勿論これから彼を待ち受けている道は、易しいだけのものではないし、音楽の道を志したからと言って、頑張ったからと言って、自分が望むようなプロ歌手になれるかどうかはやってみないとわからない。音楽の道を志し、ある一定期間頑張ってみたからこそ、もっと向いているものがあると気づいて辞めたものも私の周りにはいるし、音大卒業後に、全く違う道に進んだ同級生など沢山いる。10代でその後の長い将来のことなんてわからないし、その時に好きなものでも、後になってそうでもなかったと気づく事なんて多々ある。大切なのは、今信じる道を一生懸命やることだけだ。今やっているものの先に将来が形作られるのである。日本でもアメリカでもそろそろ入試結果が出始めるころ。どうか若者には大志を持って自分の好きなこと、やりたい事を頑張ってほしい!
田村麻子=ニューヨークタイムズからも「輝くソプラノ」として高い評価を受ける声楽家。NYを拠点にカーネギーホール、リンカーンセンター、ロイヤルアルバートホールなど世界一流のオペラ舞台で主役を歌う。W杯決勝戦前夜コンサートにて3大テノールと共演、ヤンキース試合前に国歌斉唱など活躍は多岐に渡る。2021年に公共放送網(PBS)にて全米放映デビュー。東京藝大、マネス音楽院卒業。京都城陽大使。
宝塚歌劇団雪組で加茂うららとして活躍した佐分利美佳さんが来米し、2月23日、ニューヨーク日系人会でライブ公演した。前半はNY在住のジャズピアニスト、クニ三上のジャズ演奏が行われた。当日は「ニューヨーク・ニューヨーク」などスタンダードナンバーに加え宝塚メドレーに続き、「白い花が微笑む」「花の舞拍子」「うららかに」(作詞作曲・大江千里)などを披露、アンコールで「すみれの花咲く頃」をクニ三上の伴奏で熱唱した。観客は、夫のサイシェフ崔峻の飲茶と共にステージを楽しんだ。
加茂は、京都出身、宝塚音楽学校74期を主席で卒業後、花組「キス・ミー・ケイト」で初舞台、その後雪組に配属。主な舞台は「華麗なるギャツビー」「ベルサイユの薔薇」「忠臣蔵」で、歌や踊り芝居と3拍子揃った娘役として活躍した。1996年に来米し、ネイバーフッド・プレイハウスで演劇を学び、ブロードウエー・シティ・オペラ「シンデレラ」、ラジオ・シティー・ミュージックホール「クリスマスショー」、「王様と私」では、タプティンやイライザ役など女優として活躍した。引退後結婚してNYで和風中華佐分利の女将としても活躍し、現在は京都府美山町にオーナーシェフの夫、崔と拠点を移している。
(三浦良一記者、写真も)