NY総領事館の窓口業務これからも予約制ですか?

「今後も継続する方針です」領事館

 コロナ禍前と以後とで働き方や生活スタイルが変化し、コロナ禍で採用されたものがパンデミック以後もそのまま定着するケースが少なくない。リモートワークなどがそのいい例だが、在外公館の窓口業務もその一つ。ニューヨーク日本総領事館の窓口業務がパンデミック以降、現在も予約制が続いている。この予約制は今後も変わらないのか。在外公館は、在留邦人にとっては日本との正式な窓口。訪問するのにいちいち予約など要らない誰でもいつでも気軽に訪問できる「開かれたお役所」であって欲しいという声がある一方で、いつでも自分の都合のいい時間帯を選べて予約できるのは、逆に「混雑を避けられて便利だ」という声もある。NY総領事館に聞いてみた。

 ニューヨーク日本総領事館からの回答は次の通り。

 御照会いただいた件につき、担当部署に確認しましたところ、以下のとおりです。御照会の予約制ですが、当館では今後も継続する方針です。

 予約制の導入によって、来館者数を平準化できるようになり、待合室の混雑緩和、待機時間の削減、サービスの向上などの効果が得られており、利用者に快適な窓口環境を提供することが可能になりました。また、当館側としても事前に予約内容を確認できるため、窓口対応時間の短縮やより適切な対応が可能になりました。時間を気にすることなく、24時間いつでも予約が可能との利点もあります。領事窓口に関するアンケートでも多くの利用者から支持され高い評価を得るなど、サービスの向上に繋がっていると考えております。ちなみに在外選挙人登録や在留届の提出、また急を要する旅券紛失、援護事案などの場合は予約が不要となっています。

 また、各種申請用紙につきましては、基本的に当館HPや外務省HPから入手可能であり、さらに旅券や証明のオンライン申請(一部除外あり)を利用すれば申請用紙は不要ですので、積極的に御利用いただきたいと考えています。なお、他公館における予約制の導入状況につきましては、利用者の多い北米公館や他の国・地域でも現地事情に応じ導入されていると承知しています。

 いずれにしましても、当館ではより良いサービスを実現するため、在留邦人の皆様から当館HPに関する御提案・御要望、領事手続、教育、安全対策などの相談を次の連絡先で受け付けていますので、御利用いただければと思います。

(一般的なもの) goiken@ny.mofa.go.jp(領事関係(旅券、届出・証明、年金・保険、教育、安全対策等)) ryoji@ny.mofa.go.jp

 NY日本総領事館の窓口業務は、コロナ禍で安全対策として採用した苦肉の策が、実は機能的で効率効果が高いことを発見できた好例として今後も継続するということだ。

能登半島地震被災地を支援、義援金を大使に手渡す

NY MBAの会

森大使(左)に義援金を手渡す廣島さんと竹田さん

 ニューヨークMBAの会(佐野和秀代表幹事)は3月29日、マンハッタン西57丁目の東京大学ニューヨークオフィスで「能登半島地震復興支援イベント」を開催し、50人を超えるメンバーが参加した。

 佐野代表幹事の挨拶と被災者への1分間の黙祷に続き、能登半島七尾市の高橋市議会議員が現地の声を伝えた。復興への道のりは大変険しく、現在も住居の被災や水道復旧の遅れから未だ自宅には帰れず、栄養ある食事が取れていない人も多い。また、学校が再開するも例年の4割程少ない。子供の学業のために若い世代の流出が避けられないため、地震発生の日から景色はほとんど変わっていない。津波が一番酷かった珠洲市では、能登地方のシンボルでもある見附島(みつけじま)が半分になった写真も共有された。

 高橋市議会議員は「本当に困ったときに助けてくれる仲間が周りにいるかいないかは、人生の中でとても大切なこと」と最後に述べた。

 集まった義援金は3000ドルで、4月3日、同会事務局から竹田欣克さん、廣島美紀さんがニューヨーク総領事館に行き、森美樹夫大使へ目録と共に小切手を直接手渡した。

 2人から当日のイベントの様子と現地の声を聞いた森大使は、親身になって耳を傾けていた。

   (写真・植山慎太郎)

女王蜂NY公演

「アヴちゃん最高」

ソニーホールで単独ライブ

© Colin Lane

 日本の3人組人気バンド女王蜂が4月2日夜、「QUEEN BEE LIVE「01」IN NEW YORK」と題し、マンハッタンにあるソニーホールで単独ライヴを行った。

 女王蜂は2009年、結成。メンバーはボーカルのアヴちゃん、ベースのやしちゃん、ギターのひばりくんの3人。ライヴはドラムとキーボードのサポートメンバー2人を加えて行われた。

 楽曲は人気アニメに数多く起用されており、「チェンソーマン」のエンディング主題歌「バイオレンス」、「どろろ」のオープニングテーマ「火炎」、アニメ「東京喰種トーキョーグール」の「HALF」や「イントロダクション」などが次々に披露されて会場は興奮のるつぼに。途中、「ハイになんてなりたくない」で、アヴちゃんが一度ステージを去り、衣装を変えて再登場する場面も。

 後半も次々に曲を繰り出し、アニメ「【推しの子】」エンディング主題歌「メフィスト」では、ペンライトが会場で揺れ盛り上がりは最高潮に。最後は、アニメ「アンデッドアンラック」のオープニングテーマ「01」で締めた。

 MCもなく「ありがとう」「サンキュー」のみしか喋らないアヴちゃんだが、演奏だけで、楽しんでもらうという姿勢を感じさせるステージだった。

 ライヴ後、ある2人の日本人女性は「すべて最高でした」「アヴちゃん最高」との声。ある中国人は「アニメで知ったけど、すごく楽しめた」と語っていた。

 女王蜂の米国でのライブは昨年4月のシアトルとロサンゼルス以来で、今回は3月29日にアニメ・ボストンでのライヴを終えたのちNY公演を行った。4月20日には結成15周年記念単独公演を国立代々木競技場第一体育館で行う。

ライヴ後、アヴちゃん談話

 ー今日のライヴはどうでしたか。

 東京と似ているなと思いました。見ているだけじゃなくて、音楽わかっているよ、さあ踊るよという姿勢を感じました。でも東京よりももっといろいろな人種の方達が来ていらして、ここでライヴできたことが嬉しいです。

 ーニューヨークを意識して演奏曲目とか変えたのでしょうか。

 特にニューヨークだからと変えてはいないです。そういうことで本質は伝わらないと思ったので、ニューヨークをもてなしに来たんじゃなく、ライヴしに来ただけです。

 (武末幸繁)

大人のバレエ留学

受け入れサービス開始

プティ・アロンジェ・ベラNY
6月からの第1期生募集

 ニューヨークでバレエ教室を主宰するプティ・アロンジェ・ベラNY(イザベラ・マリア・トレス代表)は、6月から「大人のバレエ留学」の受け入れ事業を行う。1人からの個人でもグループなど団体でも同スクールにて、空港送迎から滞在場所の紹介、レッスンを提供する。第1回受付の今回はミレニアム世代向けに「社会人が人生にフォーカスを向ける時間をNYで過ごしていただき、ご自身のアップデートとなる旅を当スクール・スタッフがサポートします。主に大手のダンススクールへの案内や、当スクールで受講するなど、現地に溶け込むような体験型の留学スタイルをご体感いただけたら」と話している。初回のZOOMやEメールでのカウンセリングサービスは1時間無料。来米前に希望するダンススクールを選び、クラス受講までの手続きを代行する。受講者の希望を聞き、おすすめのクラスやスタジオを紹介する。対応可能なジャンルは、バレエ、ジャズダンス、ヒップホップ、声楽。初めて、現地のクラスやスタジオでのレッスンを受ける際には現地スタッフが同行する。このほか、プロカメラマンによる撮影、ビデオ撮影などの要望にも応える。留学に関する通訳や書類関係の翻訳サービスも代行する。渡航者の航空運賃、滞在費、食費レッスン料、現地での生活費は自己負担となる。詳細はwww.petit-allonge-bella.com,問い合わせは電話929・655・0726。

日本語と文化を学ぶハンター大学の学生

本紙発行人が講義

 ハンター・カレッジの日本語・日本文化の専攻(マーヤン・バルカン・ダイレクター)は2023年に設立された。8日午後、本紙「週刊NY生活」の三浦良一発行人が同大に招かれ、日本語学習と新聞というテーマで授業を行った。

 学生たちの中には本紙を教材のようにして愛読している者もいてコミュニティーペーパー、フリー紙のジャーナリズムについて熱心に耳を傾けた。同大の日本語教育プログラムは1986年に設立。現在1300人あまりの学生が同大学で日本語と日本文化を学んでいる。以来、日本語の読み書き、翻訳、会話などの語学コースに加え、日本の歴史、文学、演劇、伝統文化、現代文化、茶道などの文化コースも提供し、拡大を続けている。

美と平和の祭典NYで

ONE STORY AWARD 2024NY

スピーチ部門出場者募集

優勝者は日本大会招待

 ワンストーリーアワード実行委員会(主催・USAディレクター長久保美奈)は5月23日(木)午後6時30分から午後9時まで、スカンジナビアハウス(パーク街58番地)で開催する美と平和の祭典「ワンストーリー・アワード」第1部スピーチ部門の出場者を募集している。「Beauty & Peace」をテーマに3分間のスピーチを競うもので、世界をもっと良くするために自分なりに考える平和への取り組みや外面の美しさだけではない多様な美についての考えを英語でスピーチし、思いを伝える。対象は学生。国籍、年齢制限なし、性別不問。日本への興味を持っていること。申請は無料で、優勝者は来年2月に開催される日本大会へ招待され、さまざまな日本文化を体験してもらう。応募締め切りは4月末。3分間のスピーチビデオを送り、合格者には5月5日までに事務局から連絡する。第2部では美と平和をテーマにしたモデルコンテスト部門を開催する=写真・昨年度=。当日の入場料無料、25ドル以上の寄付を奨励。応募先、詳細はウェブサイト https://onestoryawardny.wixsite.com/osa-speech  参照。

ゴジラとキングコングが作り出す新世界

Godzilla x Kong: The New Empire

 キング・コング、ゴジラの2大モンスターが大暴れのシリーズ第二弾。「Godzilla vs. Kong」(2021年)の続編に当たる。タイトルから見るとコングとゴジラの関係は前作の「vs」から「x」へと進化。これが何を意味するかは見てのお楽しみだが、コングに挑むヴィラン、スカーキング、赤毛の子供コング、最後にはモスラも登場、迫力バトルシーン満載のアクション大作だ。

 アダム・ウィンガード監督をはじめ、出演者ではレベッカ・ホール、ブライアン・タイリー・ヘンリーらが前作からの続投となる。ヒューマンストーリーには欠けるが、そこはコングとゴジラのパワーで補うしかない。

 地上を支配するゴジラと地底を支配するコング。どちらも人間と共存し調和を保っている。しかし、新たなる驚異の出現でそのバランスは大きく崩れていく。

 変化が現れたのはコングがいる世界だ。地底に存在する空洞は地上とほぼ同じで空もあれば山や川、森もある。そこでコングは赤毛のスコという子供コングに遭遇する。スコの仲間はスカーキングという獰猛な大型類人猿に奴隷のように扱われていた。

 スカーキングの目的はコングを倒し地底の覇者となり、ゆくゆくは地上でも王者になることだ。スカーキングはコングが持つ斧と同様に怪獣の骨で作った鞭を武器として使うだけでなく、冷気能力を持つシモという怪獣を意のままに操つることができる。シモの吐く息が当たった部分は一瞬にして凍り付く。

 このスカーキングの地底侵略を霊感でキャッチしていたのはアイリーンの養女のジア。ジアは髑髏(ドクロ)島の先住民イーウィス族で聴覚障害を持つ一方で特殊な能力を備える。ジアはアイリーンらと共に地底での変化を探るためモナークの地底観測所に向かう。

 一方、ローマのコロシアムを住みかとしているゴジラも新たなる驚異の出現を感知し移動を開始、核エネルギー蓄積のため原発を襲うなど着々と戦いに備えていた。ゴジラの動きが地底と地上の未来を決することになる。1時間55分。PG-13。      (明)

(写真)ゴジラとコングが目指す先は Photo : Warner Bros. Pictures


■上映館■

Regal E-Walk 4DX & RPX

247 W. 42nd St.

AMC Empire 25

234 West 42nd St.

AMC Loews 34th Street 14

312 W. 34th St.


編集後記

編集後記

 日本クラブで3月27日、ニューヨーク日本人歴史博物館(デジタル・ミュージアム)の新しいデジタル展示「Japanese Artists in New York City: Artistic Traces from the 1910s to 1940s」のプレビュー・イベントが開催され50人が参加しました。この展覧会は、1910年代から1940年代にニューヨークの日本人芸術家の活動を、アメリカと日本の20以上の美術館やアーカイブ所蔵の作品画像とともに美術展覧会の図録、英字新聞と日本語新聞の美術欄をもとに紹介したものです。また、これまで歴史に埋もれてきた無名の芸術家にも着目し、彼らが創作活動をした時代と作品が生み出された意図を明らかにしようとするもので、イベントでは、キュレーターの立命館大学国際言語文化研究所客員研究員の佐藤麻衣氏をゲストに迎え、バードカレッジで美術史を専門にするボブ・ウルフ教授と対談形式で内容を紹介しました(今週号1面で記事)。今回の新企画で、デジタル・ミュージアムでは、20人を超える日本人芸術家の約130点の作品を紹介しています。主な作家は、国吉康雄(くによし・やすお)・保忠蔵(たもつ・ちゅうぞう)・石垣栄太郎(いしがき・えいたろう)・清水登之(しみず・とし)・古田土雅堂(こたと・がどう)・臼井文平(うすい・ぶんぺい)などで、彼らの作品について、映像での紹介も交えつつ、日本の伝統的な美意識と当時のモダンな感覚の融合に焦点を当てています。戦後を経て60年代以降現代まで続いたオノ・ヨーコや草間彌生、河原温、篠原有司男、千住博などニューヨークでアートを開花させた多くの作家たちの先達とも言える戦前の日本人アーティストたちの息吹を感じさせる展示です。アートをデジタルで見るというのは、迫力はリアルには当然及びませんが、学術的に理解を深めるという意味ではかなり有用なメソッドです。当時の「紐育新報」、「日米週報」など日系新聞の記事による美術報道の紹介も載っています。あと半世紀くらいしたら(私はもう生きてはいないでしょうけど)、その未来の人たちに、21世紀の初頭にNYで活躍した日本人アーティストたちの様子を「週刊NY生活」という日系新聞の記事で知ってもらえたら嬉しいですね。

ニューヨーク日本人歴史博物館 日本人作家の活動と展示(1910年~1940年代)のサイトは
 https://www.historyofjapaneseinny.org/jp/japanese-artists-during-the-prewar-period-in-new-york-city/


【今週の紙面の主なニュース】(2024年4月6日号)

(1)海を渡った日系芸術家 1910年~1940年 NY日本人歴史デジタル・ミュージアム 1面

(2)パラソルの花咲くジャパンフェス 3面

(3)上川陽子外相国連外交のヒット 海外日本人サポート  4面

(4)在外公館長表彰 NYPDの会田氏と佐立氏に 4面

(5)沖縄の未来を考える研修 高校生と大学生が来米 5面

(6)JAA春のヘルスフェア 大人の教養講座第8弾  8面

(7)粋TOTONOE  稲垣さんNYで出版記念講演  9面

(8)八神純子ライブ公演 6月30日バードランド 9面

(9)舞台は世界、夢を掴んだニューヨーク 俳優・ダンサー 笹部菜摘さん 13面

(10)ヘアカットで能登支援 NYの美容師たちが寄付 21面

海を渡った日系芸術家

ニューヨークで活動した20人の130点展示

1910年代〜1940年代

NY日本人歴史デジタル・ミュージアムに新企画

 日本クラブで3月27日、ニューヨーク日本人歴史博物館(デジタル・ミュージアム)の新しいデジタル展示「Japanese Artists in New York City: Artistic Traces from the 1910s to 1940s」のプレビュー・イベントが開催され50人が参加した。

 この展覧会は、1910年代から1940年代にニューヨークの日本人芸術家の活動を、アメリカと日本の20以上の美術館やアーカイブ所蔵の作品画像とともに美術展覧会の図録、英字新聞と日本語新聞の美術欄をもとに紹介している。また、これまで歴史に埋もれてきた無名の芸術家にも着目し、彼らが創作活動をした時代と作品が生み出された意図を明らかにしようとするもの。イベントでは、キュレーターの立命館大学国際言語文化研究所客員研究員の佐藤麻衣氏をゲストに迎え、バードカレッジで美術史を専門にするボブ・ウルフ教授と対談形式で内容を紹介した。

 デジタル・ミュージアムでは、20人を超える日本人芸術家の約130点の作品を紹介している。主な作家は、国吉康雄(くによし・やすお)・保忠蔵(たもつ・ちゅうぞう)・石垣栄太郎(いしがき・えいたろう)・清水登之(しみず・とし)・古田土雅堂(こたと・がどう)・臼井文平(うすい・ぶんぺい)など、1910年代から40年代にかけてニューヨークで活躍した日本人アーティストたちで、彼らの作品について、映像での紹介も交えつつ、日本の伝統的な美意識と当時のモダンな感覚の融合に焦点を当てた講演と質疑応答が行われた。

日系アーティスト集団「画彫会」は1922年11月1日から21日まで、シビック・クラブで展覧会を開催した。写真前列中央に古田土雅堂、前列右端が国吉康雄、後列一番左端が石垣栄太郎、2列目左から2人目が犬飼恭平、後列左から4人目が清水登之

 1917年に結成された日系芸術協会の紹介、22年「画彫会」の展覧会、20年代の独立系展覧会、「紐育新報」、「日米週報」など当時の日系新聞の記事による報道の紹介や、大恐慌時代の日本人芸術家、戦前、戦後の作品などもデジタル展示している。

 戦前、ニューヨークに渡った日本人画家たちの足跡を綴った『ニューヨークの日本人画家たち』(六花出版)の著者でもある佐藤氏は、講演の中で当時の日系画壇に対する評価が米国の新聞と在米日系新聞とでは大きく見方が異なる点を指摘した。

 それによると、米国の新聞は、作家たちの画法について西洋の技術をうまく取り入れてマスターしているという比較的好意的に評価する記事だったのに対し、日系新聞は、アメリカのエキゾチックな趣味に迎合したセンチメンタルな西洋画法の模倣であると厳しい記事がみられた側面を紹介し、日米の報道ぶりを対比できる形で展示していると解説した。

 佐藤さんは「実際に現在は絵がなくカタログでのみ見ることができる貴重な作品と、実際に現存する作品を同時にデジタル博物館で紹介できたことが特徴だ」と述べた。詳細はデジタル博物館で日本語と英語で見ることができる。

(写真)石垣栄太郎《失業音楽隊》(フェリーボート・トルバトール) (1928年) 東京都現代美術館所蔵

Eitaro Ishigaki, A Musical Band Out of Work (Ferry Bout Troubadour, Unemployment Band), 1928, Courtesy of Museum of Contemporary Art Tokyo

日本語サイト https://www.historyofjapaneseinny.org/jp/japanese-artists-during-the-prewar-period-in-new-york-city/

上川陽子外相国連外交のヒット

日本政府UNRWAへの資金拠出再開へ

 上川陽子外務大臣は、4月2日これまで停止してきたUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)への資金拠出を再開することを決定しました。3月末のUNRWAのラザリーニ事務局長との会談を経ての決定です。UNRWAの職員数名が去年10月のハマスによるイスラエル攻撃に関与した疑いがもたれ、主要援助国の多くが拠出を停止しました。

 最大の拠出国米国は来年3月までは再開しない方針の中、カナダ、スウェーデン、フランスなどが再開を表明しています。

 2月に開催された世界宗教者平和会議(WCRP、本部ニューヨーク)主催の東京平和円卓会議にパレスチナとイスラエルの宗教指導者が同時参加しました。

 私は日本の国会議員との対話をアレンジしましたが、これら参加者が日本政府の再開を強く要請し、自民党の国会議員もその支援を表明していました。

 ラザリーニ事務局長は「資金が枯渇すれば、ガザ地区の支援だけでなく、UNRWA職員の立場も危うくなり、継続することは極めて重要だ」と訴えました。WCRPの宗教指導者も、長年のUNRWAによるきめ細かな支援は、米国が主張する他の国際機関では代替できないと訴えていました。

 ガザで500人以上の学生が日本風のタコを空に飛ばし、日本の教育インフラ

支援に感謝した他、日本によるUNRWA支援70周年を記念して「Tsumugu」というキャンペーンも進行中です。

日本が議長の国連安保理がガザ停戦決議を採択

 3月25日議長国が日本である国連安保理が「ラマダン期間中の即時停戦決議」を採択しました。これまで停戦決議案に4度拒否権を行使してき米国が行使せずに棄権したことにより、昨年10月以来初めて決議が採択されました。議長国日本の主導で非常任理事国10か国が共同提案し米国を除く全ての国が賛成しました。

日本は人間の安全保障と仲介外交で貢献を

 ウクライナやガザでの戦争は、一般市民が犠牲になる残忍な映像をリアルタイムで伝え、胸を締め付けます。WCRP東京平和円卓会議にはウクライナとロシアの宗教指導者も参加しました。激しい対立もありましたが、ロシアを含めて「戦争と暴力を強く非難」、「敵味方なく生命の尊厳と神聖さの平等性」などを決議しました。

 上川外交は人間の安全保障と仲介外交という日本ならではの貢献を更に果たしてほしいと願います。

 ふじた・ゆきひさ=慶大卒。世界的な道徳平和活動MRAや難民を助ける会で活動した初の国際NGO出身政治家。衆議院・参議院議員各二期。財務副大臣、民主党国際局長、民進党ネクスト外務大臣、横浜国立大講師等歴任。アメリカ元捕虜(POW)の訪日事業を主導。現在国際IC(旧MRA)日本協会会長。岐阜女子大特別客員教授。

パラソルの花咲くジャパンフェス

鬼そばがPOP UP店

 ラーメンや和牛など、人気の日本の食べものをニューヨークの街のワンブロックを使って提供する野外イベント、ジャパンフェスが3月23日、イーストビレッジで開催された。当日は朝から生憎の大雨だったが、それでも会場には傘をさして大勢の市民が訪れた=写真上・ジャパンフェス提供=。Jスペックの和牛やカールスボールのたこ焼きなど200種類以上の日本食が軒を連ねた中で今回注目を集めたのは、過去3回、同フェスのラーメンコンテストで優勝した鬼そばだった。傘をさしながら買い求めるニューヨーカーが美味しそうに食べていた。当日は大雨にもかかわらず1日で300食が出る人気だった。鬼そばの人気の秘密は、海老味噌ラーメン。オマール海老の深い味わいと、手間暇かけたスープの調理法はこだわり抜かれた味。店主の「HEY!たくちゃん」は、アゴモノマネ芸人の傍ら、日々ラーメン作りに情熱を傾けている。「普段なかなか食べられないものと出会う場を提供したい」との思いで、手頃価格で提供しているのがウケている。

 同店は現在、4月20日まで、グランドセントラル駅近くのうまみギャラリー(東45丁目156番地、レキシントン街と3番街の間)でラーメンのポップアップストアを営業している。値段は10ドル。連日ビジネスマンたちが買い求めている=写真左=。