歳末商戦復活

HAPPY HOLIDAYS !

 感謝祭翌日のブラックフライデー(黒字の金曜日)セールは、ネット通販が昨年よりやや下がる一方、実店舗への客足は増えた。アドビによるとネット通販は昨年の約90億ドル(約1兆円)から今年は約89億ドルと1%減少した。年々増加し続けていたネット通販が初めて前年比を下回った。一方、センサーマティック・ソリューションズによると、実店舗を訪れた人は昨年より48%増えた。昨年より1・5倍の客で賑わったことになる。

 マンハッタンのヘラルドスクエアにあるメーシーズ百貨店には早朝から大勢の買い物客が来場し、特別割引商品などに殺到した。米大手小売業は、クリスマスまでの歳末商戦で年間売り上げの3割を稼ぎ出すと言われ、ポストコロナ禍の歳末商戦の火蓋が切られた格好だ。

歳末商戦活況
コロナ前の賑わいに

 歳末商戦でネット通販が減少した原因は、セールの前倒しをした小売企業がかなりあり、ブラックフライデー前に買い物した人が多かったことが大きいと見られる。なお、スマートフォンからの購入が昨年より10・6%増加し、半分に迫る44・4%を占めた。実店舗への買い物客が増えたのは、やはりコロナ禍による入店規制が大幅になくなったことが大きいと見られる。ホリデーシーズン全体としては消費は好調で、感謝祭翌週月曜日にネット通販会社が大幅値下げをする29日のサイバーマンデーも売り上げ良好だった。アドビによると、11〜12月のホリデーシーズン全体のネット通販額は前年比10%増の2070億ドルに達する見通しとなっている。

感謝祭に自由の女神で

サーカスパフォーマー

山田愛さんが行進

 ニューヨークを拠点に、エアリアル(空中芸)を中心とした、サーカスパフォーマンスをしている山田 愛(やまだ・めぐみ)さん(40)が今年95周年を迎える、メイシーズ・サンクスギビングデイ・パレードに、自由の女神像役で、NBCのシンボル・ピーコックフロートのグループとして参加した=写真上=。

 今回はスティルト(竹馬)ウォーク・パフォーマーとしての参加。山田さんは「アメリカ最大級のイベントに参加でき、何かギフトを頂いた気分です」と話す。セントラルパークウエストの77丁目からメイシーズまでの、2・5マイルを、総量8キロ以上の器具を、足に装着し、歩く事は、スティルトパフォーマーとしては新しい挑戦だったという。

 「パレードの中心で、大観衆の声援を浴びながら、身長高3メートルから見渡す景色。まさにサーカス冥利に尽きる瞬間でした。そして、こんなに大勢の人々が笑顔になれるこの瞬間を共有でき、またホリデーシーズンの始まりを届けることができ最高でした」と振り返る。

 山田さんは、京都生まれ。ニューヨーク在住。2013年PPS香港国際エアリアルトーナメントで部門優勝。2014年来米。山田さんの活動の詳細はウェブサイトhttps://megumicircusperformer.com/

環境意識高い若者が歩くソーホー

街角ファッション動画DEチェック

 ソーホーでインタービューに応じてくれた女性。チェルシー在住で、翌週の誕生日に向けて髪を切りに来たという。この日はナイキのエアフォース1スニーカーにフォーエバー21のセーターというラフな格好。「今日は、まさに普段着って感じね」と、ほほ笑む彼女は、鞄からアメリカン・アパレルのジャケットを取り出して撮影開始前に羽織った。ファストファッションなしでのコーディネートは難しいが、環境や社会に配慮したアイテムも意識的に揃えているという。「このブランドはアメリカでも縫製していて、従業員へ正当な賃金として還元されるから」とのコメント。ニューヨーカーは一般的に環境保護意識が高いが、縫製工の賃金レベルまで配慮する消費者はまだ少数派だ。

 アメリカン・アパレルは1989年ノースカロライナ創立。#WhoMadeMyClothesキャンペーンにも参加し、環境対応のみならず、賃金も含めた取引先企業の労働環境の管理、所謂 「Responsible Sourcing」を徹底しているブランドだ。残念ながら実店舗は閉鎖し、オンラインのみになってしまったが、彼女のように意識の高い消費者からの根強い支持を保っている。「在宅勤務になってからゆったりした服装ばかりだけど、スタイリッシュであり続けるために、運動も欠かさないようにしているの」と、自己管理も怠らない。「私を選んでくれてありがとう」と最高の結びで撮影終了。意識が高く、洗練されたファッショニスタとの出会いが多い街、それがソーホーなのだと再認識したインタビューだった。

(Wear2Nextチーム/アパレル業界関係者によるファッション研究チーム)

おもちゃ屋のFAO貸切

300ドル以下で夢を

 老舗玩具デパートのFAOシュワルツはこのほど、大人になったニューヨーカーの幼少期の夢を叶えるべく、店舗一棟貸し切りサービスを発表した。 

 現存する玩具店としては米国内で最も古い同店は、1862年ボルチモアで創業した後ニューヨークに移転した。2004年1月、映画「ホームアローン」や「ビッグ」の舞台ともなった象徴的な五番街の旗艦店は一時的休業を発表し、倒産や買収を経て15年に永久的な閉店が決定した。18年11月、新オーナーのもと心機一転して現在のロックフェラー・プラザで再オープンした。 

 貸し切りサービスの値段は約260ドルで、旅行予約サイトのヴィアターviator.comで予約をする。貸し切り当日は、おもちゃの兵隊のガイドで店内をツアーし、一部の商品は20%引きで購入できる。同企画の売上金は、小児癌の患者と家族を支援する非営利団体キャンドルライターズNYCに寄付される。1月8日まで。

憎悪犯罪に異変

有色人種が有色人種襲う構図に

 ニューヨーク市警(NYPD)が発表した2021年10月までのアジア系に対する年間憎悪犯罪数は124件で、昨年同期の28件から343%増加、憎悪犯罪数全体の平均増加率96%をはるかに上回っている。さらに、加害者が白人から有色人種に移行する傾向にある。NYPDによると、2019年の3件と2018年の2件の白人加害者によるアジア系への憎悪犯罪に対し、2020年以降は黒人、ヒスパニックなど非白人がアジア系への憎悪犯罪の加害者となっている。今年第3四半期だけ見ても13件中11件が黒人とヒスパニック系だ(上表)。

 「なぜ有色人種が他の有色人種を襲うのか?」1974年からアジア系アメリカ人を擁護してきたアジアン・アメリカン・リーガルディフェンス&エジュケーションファンド(99Hudson Street, 12th Fl.,NY,NY) の弁護士、スタンレー・マーク氏は今年6月に発表されたメリーランド大学のジャネル・ウォン博士の「反アジア人の憎悪事件の報告とデータ収集のレビュー2019-2021」を紹介し、1992年から2014年までは数字上で「アジア系へのヘイトクライム加害者の75%は白人だった」と指摘する。「全米統計を基にした同報告でも黒人は最も標的とされた人種で、2019年の憎悪犯罪の58%が黒人が被害者。

 長年憎悪犯罪の被害者の立場だった黒人がなぜこの2年でアジア系への犯罪の加害者として浮上したのか、学術的な調査報告はまだない。2019年には黒人人権擁護運動ブラック・ライブズ・マターがあったが、その後の黒人によるアジア系へのヘイトクライム増加との関連性は不明だ。(ワインスタイン・今井絹江、写真・三浦良一)

今井千恵さんの社会貢献活動

米リーヴ財団への寄付続ける

 映画『スーパーマン』で知られる俳優クリストファー・リーヴ氏は1995年5月、落馬事故による脊髄損傷で首から下が不随となった。事故後、リーヴ氏は同じ障害をもつ脊髄損傷者のためにもっと進んだ治療法の開発をするよう科学者に研究支援を行い、幹細胞研究の補助金のために連邦政府に働きかけていた。

 CHIE IMAIリードデザイナーの今井千恵さんは1999年にアメリカで自身の会社を立ち上げ2003年、リーヴ氏が設立した「クリストファー&ダナ・リーヴ財団」の支援を始めた。彼の逆境に立ち向かう勇気に感銘を受け、日本や世界の人々へ、彼の前向きなスピリットを広めようと決心したという。リーヴ氏は04年に、妻のダナさんは06年に亡くなったが、今井さんは引き続き同財団への支援活動を続けることを表明している。またNYで開催のチャリティガラ副会長を務める。

 CHIE IMAI公式サイト(https://chieimai.com/ja/)では12月10日(金)まで、「クリストファー・リーヴ・キャンペーン」を実施中。財団のチャリティーアイテムである  「スーパーベア」(1万1000円)他、商品購入価格の50%は、脊髄損傷患者のサポートや最新治療の研究促進のために活動するリーヴ財団へ寄付される。

 今井さんは、高松宮妃喜久子殿下ががん研究のための慈善事業を目的に創設した公益財団法人「高松宮妃癌研究基金」のほか、「東日本大震災チャリティー」に5年間で3500万円寄付するなど、社会貢献活動を行っている。

(写真左)長男マシュー・リーヴさん(右)と今井さん

(写真右)スーパーベア

ACJポップアップストア・ソーホーに

日本のデザイン人気

近畿短大の学生企画のバッグも

 米国に未進出の日本人デザイナーの小物商品を主に集めたポップアップストア「ACJ」(モット通り227番地)が22日まで営業している。店長の福岡美菜登さん=写真=は、年に3度ほどニューヨーク・ソーホーで路面店を期間限定でオープンしている。コロナの影響があり、2年間延期してきたがようやく11月24日から1か月オープンすることが出来た。1か月開催中、35ブランドが出展し2週間ずつブランドが入れ替わりる。

 取り扱っているのは、ジュエリーや骨董食器、風呂敷バッグなど。今回の出展ブランドの中に持続可能な社会を目指し、近畿大学短期大学部の頭師暢秀ゼミナールと東日本大震災の復興に寄与する株式会社レヴァーク(兵庫県神戸市)が運営するレザーブランド「アトリエシャーク」が連携して共同開発した機能性小型サコッシュバッグ”Peg from mother sea”(価格169ドル)も。災害時やアウトドア時に役立つ実用的な機能を盛り込んだこの小型バッグは宮城県気仙沼市産ヨシキリザメのレザーを使用。学生は大量生産・消費ではないエシカルな商品を企業と開発することで消費傾向の研究や理解を深めるとともに、実際に英語を使ってビジネスをするという経験を得たそうだ。

 店内を訪れたニューヨーカーたちが店内に並んだ商品に触れ「デザインがとても洗練されていて素敵な商品が揃っている」と買い求めていた。営業時間午前11 時から午後7時。ポップアップストアのウェブサイトhttps://www.thearcadejapan.com/

解雇一転自立で得た生きる喜び

ピラティス・インストラクター

小林香代さん

 現在、マンハッタンのアッパーウエストにあるEQUINOXでセレブリティー相手にピラティスを教えている小林香代さんはこの夏まで、ニューヨークの日系大手総合商社で働いていた。9月30日の朝、小林さんが出社するとデスクの上の電話が鳴った。「会議室に来てくれますか」。上司に呼ばれていくと、日本人の上司と米国人の人事担当者がいた。「今日でカヨの仕事は終わりだからもう、今から帰っていいですよ」。6年間務めた会社で人員削減の現実に直面した瞬間だった。実にあっけなかった。同僚にグッドバイも言う機会もなかった。ショックだったが自分でも意外なくらい冷静だった。

 それより、小林さんの生活と人生を支えることになったのは、自分の余暇を使って講習を受けてピラティスの講師の米国での資格認定を受けていたことだ。解雇の当日にジムに事情を告げるとすぐに仕事の時間を増やしてくれた。手に職を持っていると身を助けるとは聞いていたが、経済的な面だけでなく仕事を通じて社会との関わりを維持できたことが何より心の安定になった。

 「受講して下さる方は、さまざまです。普段では会わない分野の方、怪我から立ち直り、健康に目をむけている方、出産前、出産後の方、姿勢を直したい方、他にも色々な目的を持ってピラティス を受講してくださっています。一番嬉しいことは、受講して下さっている方々が、少しづつ状態が良くなり、毎回丁寧にお礼を言ってくださることです。コロナ禍の状況で、多くの人が大切な人を失い、仕事を失い、途方に暮れ、精神的にダメージを受けている状況で、身体を動かすことが、どんなに精神的、身体的にサポートするかを実感しました。そして受講して下さる方々から生きているエネルギーを頂き、心から感謝しています」と話す。

 もともとは、ダンサーとしてブロードウエーの舞台に立ちたいと夢を抱いてニューヨークにやってきた。千葉県市川市で生まれ、3歳の時からローカルのバレエ教室に通い、東京の橘バレエ学校に入学、フリーランスでバレエの道に進みその後、ヘルニアとなりバレエ界から演劇界への道に進むことに。テレビドラマや舞台の仕事もしたが安定した仕事ではないと思い、大手食品メーカーの海外営業部でOLとして勤務。5年という区切りで会社を辞め、以前からの夢、海外に行って、違う文化で色々な経験をしたいと思いニューヨークの地に。そして心の底には、ブロードウエーの舞台に、NYで踊りたいという野望が滞在1年の予定を16年にした。オーディションを受けミス・サイゴンのオフオフブロードウエーのステージにもアンサンブルのダンサーとして舞台にも立った。抽選永住権に当選、グリーンカードを取得したこともプラスだった。

 NPO 団体のジャパン・パフォーミングアーツのソーシャル・アーツ・マネージャーとして数年前からボランティア活動もしている。これからの目標は、多くの人にピラティスの良さ広めることもそうだが、日本の若いダンサーたちの海外進出のアドバイザーとしても、培った経験を活かして、日本とNYの両方の拠点で仕事ができるようにする事だという。

 「ニューヨークはとても精神を鍛えられる街です。悔しいという思いと立ち上がる気概が、ここまでの私に背中を押してくれました。クリエイティブにこれからのジャーニーを歩みます」と笑顔を見せた。(三浦良一記者、写真も)

 

話題作が目白押し

 2020年3月に、NYCの顔であるブロードウェイの灯りが消えて、抜き足差し足でなんとか再開に漕ぎ着けたのが今年の9月。やっと本来の賑わいを取り戻しつつあるのは実に喜ばしいことである! 一足お先に再開したのはディズニー系の「アラジン」、「ライオンキング」、そしてお馴染みの「オペラ座の怪人」、「シカゴ」など。肝心の観劇だが、1年半ぶりとなる今回は正直何でも良い。とにかく一刻も早く劇場の空気を胸いっぱいに吸って、歌と踊りの夢幻の世界に飛翔したいのだ!

 私が選んだのは「Jagged Little Pill」(ジャグド・リトル・ピル)。カナダ出身の女性ソングライター、アラニス・モリセットの空前のヒットアルバムをベースにしたジュークボックス・ミュージカルだ。オフで制作され、2019年にブロードウェイに昇格したが、コロナによって閉鎖に追い込まれ、今年10月に新たに上演を開始した。既存の曲をちりばめて、後付けでプロットやストーリーでもって隙間を埋めるジュークボックス系は、楽曲の知名度&人気は保証済みで、観客からすると知ってる曲を口ずさめるという取っ付き易さも魅力である。

 物語の舞台はNY郊外のコネチカット州。そこに暮らすヒーリー家は傍目から見ると非の打ちどころのない理想的の家族。がしかし、それぞれに人に言えない裏の顔があったのだ。専業主婦のメリージェーンは鎮痛剤依存症、弁護士の夫ステーブは家族を省みないワーカホリック、夫婦中も冷め切っている。養女に迎えた15歳の黒人でバイセクシャルの少女フランキーは白人社会の中で自分の居場所を探している。そして息子ニックは見事ハーバード大学への入学が決まったものの、友人のパーティーで厄介な事件に巻き込まれ・・・。    

 『ジャグド・リトル・ピル』は、ABBAの「マンマ・ミーヤ!」の成功に学び、脚本家、演出家、音楽アレンジャーに世界的な数々のアワードを受賞した超一流のクリエイターを起用。非常に丁寧に制作されており舞台芸術としての質は高い。しかし脚本においては人種差別、麻薬中毒、LGBTQ、レイプなど盛り沢山というより詰め込みすぎで、強烈な印象が残る場面が少ないのは残念。正直言うと、あの辛口のニューヨークタイムズ紙が絶賛したことやトニー賞では最優秀脚本賞を獲得したことが不思議でならない。    

 本作の見所はやはりアラニス・モリセットの楽曲。名曲のオンパレードの中で、私の目を釘付けにしたのは新進女優ローレン・パテンが歌うアラニスの代表曲「ユー・オウタ・ノウ」。恋人との別れを感情込めて歌いあげる彼女のエネルギッシュなステージングは圧巻。毎回拍手が鳴り止まずショーストップになるほど最高に盛り上がる瞬間だ!トニー賞で助演女優賞を獲得したのも納得。ブロードウェイにまた新たなスターが生まれたと確信した。    

 ホリディーシーズンに突入した今、話題作も目白押し。悲劇のプリンセス、ダイアナ妃のミュージカル「DIANA」やマイケル・ジャクソンの半生を描いた「MJ THE MUSICAL」などに注目が集まっている。海外からのお客様がまだ少なく、どの作品も比較的簡単にチケットが手に入る今だからこそ、ブロードウェイ城下町に住む我々がミュージカルを応援したい!尚、コロナ禍のため、劇場に入る際はワクチン接種証明と身分証明書の提示が求められ、劇場内ではマスク着用を厳しく義務化されている。 それでは、皆様、劇場にてお会いしましょう♪

 トシ・カプチーノ:キャバレー・アーティスト/ 演劇評論家、ジャーナリスト130名で構成されるドラマ・デスク賞の数少ない日本人メンバー。週刊NY生活「新ブロードウエー界隈」連載中。TV:TBS「世界の日本人妻は見た!」日本テレビ『愛のお悩み解決!シアワセ結婚相談所』「スッキリ」「ZIP!」studio82℉所属タレント

編集後記 11月27日号

みなさん、こんにちは。在日米国大使館が今年9月21日から12月31日までの期間限定で学生(F1とM1)および交換交流プログラム(研修・インターンシップ)の新規ビザ(査証)申請と更新手続きで、通常は必要とされる「面接審査」を免除し、申請書の郵送だけでビザの申請をすることができる暫定的な特別措置を現在も続けています。コロナ禍で渡米を見合わせていた日本人留学生などが続々とこの期間中に申請して恩恵を受けているようです。この特例措置、米国務省が全世界的にやっているわけではなく、日本の米国大使館だけで実施されています。米国政府は今月8日からワクチン接種したことを条件に海外からの来米者を受け入れ始めましたが、それまではイギリス、アイルランド、ヨーロッパ諸国、中国、インドなどの在外米国大使館では各種ビザの発行はずっと停止していました。なぜか日本だけが9月から学生ビザの発行を行っていて、しかも「面接なし」の特例緩和です。この恩恵を受けていたのは、日本人学生や研修生だけではありませんでした。11月14日に来米した眞子さんもその一人だと思われます。NYの移民専門の加藤恵子弁護士は「眞子さんが複雑性PTSDで大使館員との面接により精神的な負担をかけないようにという米国大使館の計らいとも考えられる」と今週号の連載記事の中で述べています。加藤弁護士の言う通りなら、眞子さん一人の渡米のためにビサ審査行程全体の一部に手を加えて米国大使館が便宜を計ったことになります。そんなすごいお膳立てを一体誰が頼んだのか、勝手に米国大使館が忖度したことなのか、それとも関連性自体そのものが全くないのか、事実は分かりませんが、特例措置期間中にすっぽりハマった中での渡米だったことだけは確かです。東京の米国大使館にダイレクトにeメールで問い合わせたところ、「プライバシーの問題なのでコメントはできない」との回答が翌日に返ってきました(今週号の本紙1面と6面に記事、回答全文掲載)。皇族を離脱しても周りが気遣う特権階級の生活は、本人たちが意識するしないとに関わらず海外でも存在し続けるものなのでしょうか。サンクスギビングデーの華やかなパレードは二人の目にどう映るのか、映ったのか、同じ空の下で気になるところではあります。きっと買い物袋を抱えてニューヨークの雑踏の中に紛れ込み、ニューヨーカーとしての開放感を味わっていることでしょう。感謝祭を境に今年の米国は、2年ぶりの歳末商戦とホリデーシーズン一色に染まりそうです。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2021年11月27日号)

(1)米国大使館のビザ特別措置 眞子さん来米時期と重なる
(2)色彩美に芸術の力 千住博が現代を彩る
(3)はい、奥様!ご主人が作る手料理  生き生きEATS
(4)日本人女性の働き方 改革とワークライフバランス
(5)加藤弁護士のビザ最前線 米国大使館の特別措置を解説
(6)NY日系人会(JAA)  新会長に佐藤貢司氏
(7)アニメNYCに5万人  人気の日本勢に長蛇の列
(8)アンディ・ウォーホル展 ブルックリン美術館で開幕
(9)世界の女性に自立支援  NY生活ウーマン 藤川恵美子さん
(10)「ハレルヤ!」    ニューヨークの魔法 岡田光世