本間俊一氏が叙勲 大使公邸で伝達式

 本間俊一氏(70、元米国日本人医師会会長、邦人医療ネットワーク代表)への叙勲(瑞宝中綬章)伝達式が6日夕、在ニューヨーク日本国総領事・大使公邸にて実施された。

 式典では北米伊藤園の本庄洋介社長が祝辞を述べた。本間氏は日本で天皇陛下からすでに叙勲しているが、活動拠点がニューヨークのため、ニューヨーク総領事が改めて伝達式と祝賀レセプションを開催し、披露した。多くの医療関係者がお祝いに参列した。

 本間氏は、当地において邦人医療ネットワーク(JAMSNET)代表、ニューヨーク歴史評議会会長、また米国日本人医師会元会長として、リーダーシップを発揮し、日本人および日系人コミュニティへ積極的に貢献。また、コロンビア大学医学部教授として、多くの日本人研究者や留学生に対する教育を通じ、日本の医学界に多大な貢献をしたことが功績として評価された。

 本間氏は和歌山県で生まれ、中学生の時に家族と共に来米し、ブロンクスサイエンス高校に進学後、ダートマス大学医学部を卒業しコロンビア大学医学部教授に就任。医学の道に進むきっかけは野口英世の世界への貢献に感動したことで、後年ニューヨークのブロンクスのウッドローン墓地にある野口英世の墓を手入れする活動に主導的な役割を果たした。米国日本人医師会が創設されたあと、2011年の東日本大震災ではニューヨークから日系医師団の派遣などにも中心的に関わった。 

 また、東海岸には岩倉使節団以降近代日本人の歴史を総合的に記録保存するシステムがなかったことに着目し、ニューヨーク日本総領事館の発案で設立された日系デジタルミュージアム(オンライン)の初代発起人代表としても当地日系社会に貢献している。

 本間氏は「今まで経験したこと、習ったことを次のネットワークに繋げていくことが大事だ。若い人たちは、視野を広め、何か自分が世界のためにできることを考えてもらいたい。それが一番自分の幸せになると思います」と語った。

(写真)森大使から叙勲伝達される本間氏(左)