昨年12月の「特殊詐欺に関する注意喚起」の発出以降も、闇バイトに応募し、犯罪組織等に「かけ子」や「受け子」として海外で特殊詐欺に加担させられ、その結果、現地警察に拘束または保護される事案が発生している。最近は未成年者が海外で特殊詐欺に加担させられるケースも発生しており、犯罪組織内部で暴行を受けるケースもある。海外であっても犯罪行為に対する罰は免れない。成人・未成年にかかわらず、この種の求人に安易に応募しないよう、また意図せず犯罪の加害者になることがないよう、十分慎重に行動する。
犯罪組織は、SNSやオンラインゲーム等を通じて甘い誘い文句で「捨て駒」となる実行役を募っている。犯罪組織にとって「闇バイトの応募者は使い捨て要員」であるため、現地警察に拘束されても、犯罪組織は助けてくれない。万が一関わってしまったと感じた場合、一人で悩み、抱え込むことなく、家族等の近しい人や警察等に助けを求める。また、現地の日本大使館・総領事館に相談する。
(1)東南アジアを中心に海外で、特殊詐欺に加担させられた結果、現地警察に拘束される事案が多く発生していることを受け、2023年8月、24年12月に「特殊詐欺に関する注意喚起」を発出し、注意を促してきた。しかし、犯罪組織等に「かけ子」や「受け子」として海外で特殊詐欺に加担させられ、その結果、現地警察に拘束される事案が引き続き発生している。
(2)成人・未成年にかかわらず、短期間で多額の報酬を得られるような仕事は海外でも無いことを十分認識し、こうした求人に安易に応募することがないよう、また意図せず犯罪の加害者になることがある。(3)犯罪組織が、「闇バイト」等と犯罪を感じさせることを伝えず、「外国に遊びにおいで」や「リゾートで息抜きしよう」等、好奇心をくすぐり安心感を与える甘い誘い文句を用いて海外に渡航させ、その後拘束して犯罪を強要する事案も発生している。インターネット上だけで知り合った知人からの甘い誘いには必ず警戒心を持ち、周囲に相談するなどし、慎重に行動する。(4)闇バイトに応募し一度犯罪に加担してしまうと「やめたい」と思っても、パスポートを取り上げられて軟禁状態になってしまったり、また自分自身や家族等の個人情報をもとに脅迫され、抜け出すことができなくなったりするばかりか、犯罪組織内で暴行を受ける等のおそれもあり、実際にそのような事例が発生している。(5)犯罪組織にとって「闇バイトの応募者は使い捨て要員」なので、現地警察に拘束されても、犯罪組織は助けない。また海外であっても、犯罪行為に対する罰から免れられるわけではない。たとえ「知らなかった」、「聞いていた内容とは違っていた」といった事情があっても、何ら考慮されることなく現地警察に拘束され、現地または日本において罰せられる可能性がある。