東京都の女性ベンチャー支援 APT Women 第9期

NYプログラムの10人が来米

「多くの米側関係者と人脈ができました!」

 東京都の女性ベンチャー支援プログラムAPT Womenに参加した起業家から選抜された10人がニューヨークで10日間の研修を受けた。参加者は、創業後10年未満の起業家で、プログラム受講後、東京都内で既に起業している、またこれから起業する可能性のある女性達のロールモデルとして、都内に暮らす女性の成長志向を醸成し、現代の女性に起業という新しい生き方の選択肢を示す役割を担う女性ベンチャーたちだ。 

 1月29日午後、マンハッタンで米国人審査員を招いてのプレゼンテーションが行われた。ニューヨーク総領事の森美樹夫大使が日本における女性のエンパワーメント、社会進出と活躍の場の現状と拡大について語り激励した。

 メンズアンダーウェアの新しい選択肢としてお腹が弱い男性の悩みを解決する『腸いいパンツ』を開発した株式会社LUNDATTEの木村千瑛さんは「昨年NYの見本市に単身で参加したが、海外進出には十分な準備が必要であることを実感した。今回は東京都の派遣だからこそ出会えた多くの関係者ともネットワークが作れたのは大きな成果だった」と話した。  

 アップサイクルから生まれる発酵食品を目指すDelicious Revolutionの丸山寛子さんは「近くて遠いアメリカの存在が大きくなりました。将来は海外での生産拠点など視野に入れて活動していきたい。英語は得意ではないが今回は多くの参加者から助けてもらった」と話す。

 YOMI International株式会社の村田ますみさんは、簡単・手軽に法的効力のある遺言書が作れるツール『わたしの遺言書』 を説明すると、審査員から「アメリカにあったら多くの人が利用するだろう。まず私が使いたい」と評価された。 

 プロフィール不要で即座に本物の人間と対話を始めるプラットフォーム『ランダムチャット』を紹介した呉季樺さんは「こういうチャンスを与えてくれた東京都に感謝します」。株式会社Ayの村上采さんは着物柄テキスタイルと銘仙アップサイクルによるカルチャーブランド『Ay』 をグランドセントラル駅に近い「うまみギャラリー」のポップアップストアで展示した。「価値の分かる富裕層に浸透させるためのブランディングが海外では特に大切だと実感した」という。

   ◇

 第9期本年度の参加者は次の通り。

▽呉季樺氏(PNYO合同会社)▽小野衣子 氏(VxTech株式会社)▽佐々木祐香 氏(WellBe株式会社)▽中瀬幸子氏(Avintonジャパン株式会社)▽根来杏奈氏(株式会社exmore)▽木村千瑛氏(株式会社LUNDATTE)▽ 熱田優香氏(株式会社すきだよ)▽村上 采 氏(株式会社Ay)▽村田ますみ氏(YOMI International株式会社)▽丸山寛子氏(株式会社Delicious Revolution)

 (三浦良一記者、写真も)