電子音楽パフォーマンス 1月18日
ニューヨーク在住の作曲家、中堀海都(35)による電子音楽パフォーマンス「ネイチャー・アンド・セレモニー」が1月18日(土)午後7時から、ローワーイーストサイドのキ・スミス・ギャラリー(フォーサイス通り170番地)で開催される。中堀は西洋音楽に雅楽の要素を取り入れ革命を起こした武満徹(1930〜96年)の系譜を継ぐ作曲家で、本パフォーマンスでも雅楽の音源や自然の録音を織り入れた音色世界を繰り広げる。彼は雅楽の他、現代音楽の作品でも知られ、2021年にはロワイヨモン財団委嘱の電子音楽オペラ「無数の井戸」を発表。また今秋、茨城県水戸市で開催される「水戸国際音楽祭」にディレクターとして参加する。
キュレーターの佐藤恭子さんは「昨年11月に彼の雅楽の新作『星霜』一、二を聴いたが、自然を繊細かつ壮大に研ぎ澄まされた感性で表現し素晴らしかった。電子音楽を生で聴くのは初めてなので楽しみでたまらない」とコメントしている。入場料は25ドル。チケット・詳細はウェブサイトhttps://www.kismithgallery.com/events-2を参照する。
中堀海都
1989年千葉県生まれ。武満徹の音楽に感銘を受け、14歳より作曲を始める。日本の雅楽と西洋の前衛音楽の影響を強く受けており、一音の中に内包される様々な音に目を向け、「スペースタイム・ミュージック」の概念を提唱する。2015年に国際連合本部にて《富士山の頂》などの作品を指揮、発表する。以降、17年のゲーテ・インスティトゥート委嘱の《螢火》、18年の京都芸術センター委嘱の《砂紋》、19年の日本・ハンガリー国交樹立100周年記念コンサートにおける東京文化会館委嘱の《二つの異なる絵》、20年の豊岡演劇祭委嘱のシアターオペラ《零》(脚本・演出、平田オリザ)、21年のロワイヨモン財団委嘱・フランス国立音響音楽研究所製作協力の《無数の井戸》、22年の武生国際音楽祭委嘱の《深淵》(アルディッティ・カルテット献呈作品)といった作品で、国際的に高い評価を得ている。ブライアン・M・イスラエル賞、インプロンタ・アンサンブル作曲コンクール第1位を受賞。ローマ日本文化会館、コロンビア国立大学、東京音楽大学、広島市立大学などでの講演など、活動は多岐にわたる。