1月5日導入へ
15ドルから9ドルに値下げ
キャシー・ホウクルNY州知事は都市交通局(MTA)に14日、一度は断念した渋滞税を2025年1月5日から導入することを承認した。交通渋滞の緩和や温室効果ガス排出削減の目的で提出された同法案は当初、今年6月からマンハッタン中心部に乗り入れる車両に15ドルの渋滞税を課すとしていたが、労働者の経済的負担が大きいとして、導入が無期限中止となっていた。改めて導入が決まった渋滞税の基本料金は、当初の策定と比べて大幅に減額し9ドルとなる。
同基本料金は、E-Zパス搭載の自家用車で、日中午前5時から午後9時の通行に適応する。オートバイは4ドル50セント、小型トラックと非通勤用バスは14ドル40セント、大型バスと観光用バスは21ドル60セント、タクシーおよびハイヤーは1回毎に75セント、ウーバーやリフトなどのライドシェアは1回毎に1ドル50セント。午後9時から午前5時の夜間は、最高75%の割引となる。同基本料金は28年に12ドルに値上がりする。課金区間は、マンハッタン・サウスとセントラル・パーク全域を含む60丁目以南で、FDRドライブやウエストサイドハイウエー、バッテリーパーク・アンダーパス通行車は、有料圏内の道に出ない限り課金対象外となる。
同日付のNYタイムズ紙の記事は、同州が導入の日程を早めた理由について「同法案を否決しかねないドナルド・トランプ氏の大統領就任前に執行する必要があった可能性がある」と伝えている。同州政府は渋滞税の税収で、MTAの五か年工事計画の予算に最低330億ドルを充てることができると見込んでいる。