米北東部で干ばつ続く

NJ州各地で森林火災
米国立気象局火災警報を発令

1800年代後半以降最も乾燥

 ニューヨーク市およびその周辺では9月下旬からほとんど雨が降らないという記録的な干ばつが続いている。10月は国立気象局が統計を取り始めた1800年代後半以来、最も乾燥した月となり、セントラルパークの降雨量は0・01インチだった。米国立気象局は「赤旗警報」(火災警報)を各地に発令、森林火災に注意を呼びかけている。11月10日に降雨があったものの、依然として乾燥状態が続いており、森林火災による空気質の悪化も懸念されている。

 ニュージャージー州は10月下旬より各地で森林火災が発生、エセックス郡では10月27日までに170エーカーが燃えた。11月7日にはイングルウッド・クリフスで4件目となる森林火災が発生。ポンプトン・レイクスなど鎮火したところもあるが、同州では10日時点でイーストハノーバー南東のインダストリアル・パークウェーなど8つの森林火災が起きている。

 7日のジョージワシントン橋の北にあるバーゲン郡イングルウッドクリフスでは、パリセイドパークウェー脇の林から出火、パークウェーが長時間封鎖された。現場には近隣各地から消防隊が応援に駆けつけ、ヘリも出動して消火活動にあたった。夜空に燃え上がる炎はハドソン川対岸のNY市からも目撃された。9日は終日、隣町のフォートリーやエッジウォーターでも空にはもやがかかり、街中に焦げた臭いが充満、その臭いはNY市にも広がった。また、パサイック、モリス、サセックス、オレンジの各郡でも大規模の林野火災が発生。オレンジ郡の現場では、消火作業中の消防隊員ダリエル・バスケスさん(18)が倒木の下敷きになり死亡した。日曜の夜、約2か月ぶりに雨が降ったが、降水量は不十分で、12日時点では州内で合計5000エーカーの森林が燃え尽きた。火曜日は州全域で強風が吹き荒れ、住宅地にも飛び火する恐れがあるため、「赤旗警報」が発令され、州民は不安を募らせた。

 ニューヨーク市では、ブルックリンのプロスペクトパークで8日午後6時40分頃、ボートハウス近くの林で火災が発生しているのを通行人が見つけ通報、消防隊が出動、午後10時までに鎮火した。エリック・アダムス市長は9日、森林火災を防ぐため公園でのバーベキューを禁止にすると発表した。

 同市は11月2日に、北部にある貯水池の水量が大幅に減少していることから干ばつ警報を発令、節水を呼びかけている。森林火災マップはwww.fireweatheravalanche.org/fire、森林火災と空気質マップはfire.airnow.govで見ることができる。