プロに聞く、生き生きEATS(イーツ)
元気と美味しいを求めて料理の達人が腕を振るう (49)
今月の生き生きEATSは、本紙でこれまで紹介した日本食レストランのシェフの皆さんや食料品店の店主さんから本紙編集長が取材で直々に教えてもらたメニューから、「自宅でできる握り寿司の作り方」を寿司ANN、おいしんぼ、竹寿司、はじめさんから、「江戸前天丼の作り方」を五助と蕎麦屋、レストラン日本さんから、前菜の「中華茄子の素揚げ煮浸し」はクイーンズの有吉さんから、それぞれ学んだレシピを、夜中の「レイアウト深夜食堂」で実践してみました。
(写真・三浦良一)
◾︎握り寿司を自宅で握る!
【材料】寿司はネタが命。と、言っても寿司屋さんが仕入れているような特別のものは手に入らないのでスーパーへ。向かう先は、マンハッタンのアスタープレイスにあるウェグマン地下一階の「SAKANAYA(魚屋)」。毎週2回、豊洲から日本全国の新鮮な魚が月曜日と木曜日にジョン・F・ケネディ国際空港に着きます。翌朝、ウェグマンに配達され、職人が午前中に本マグロをバラして大トロや赤身の柵を作って、毎週火曜日と金曜日の昼前には店頭に並びます。それをアメリカ人の職人エイドリアンさんに「刺身用ではなく、寿司の握り用にスライスして」と頼むと「待ってました」とばかり包丁でささっと無料で切ってくれます。「ちょっと厚めでちょっと長めに」などという注文にも応えてくれます。大トロの切り身にして20ピース分くらいで大体40ドルくらい。赤身は本当に真っ赤な本マグロが一柵25ドルくらいで買えます。北海道直送の生ホタテも。マンハッタンの片桐、サンライズマート、ダイノブにも毎日新鮮な魚介類がぎっしり並んでいてそれぞれのお店に特徴と工夫が感じられます。
【作り方】左の手のひらの4本指の付け根にネタを寝かせて、右手で酢飯を片手で小さく握り、右手人差し指でワサビをすくって左手のネタの腹につける。シャリをネタの上に沿って置いてゴロリと外側に半回転。左右の腹を右手親指と人差し指で軽く押し、左手親指はネタの下側のシャリを押す。今度は寿司の向きを変えて、同じ動作をもう1回繰り返してお皿に。何回も握らないのがコツ(ハリソンのおいしんぼ)。軍艦巻のイクラは(出汁1、酒1、醤油1)に漬けて「醤油漬け」にする(寿司ANN)。シャリ玉を、予め切った海苔にちょんと押し付けて持ち上げると海苔が湿気らず綺麗に(はじめ)。寿司屋さんにあるような笹の葉は、ミッドタウンの共同貿易のショールームで店員さんに聞くと「あります」と言って奥の冷蔵庫からセットのパックを出してきてくれる。
◾︎老舗の江戸前天丼と天ぷら
【材料】海老はブラックタイガーと呼ばれる種類を使います。冷凍ではなく、鮮度の高い生を購入。ピーマン、椎茸、大葉、ししとう、にんじん、茄子。
天丼のたれ=水(大さじ3)、めんつゆ(2倍濃縮、大さじ3)、醤油(大さじ1)、砂糖(大さじ1)
天つゆ=めんつゆ(好みの濃さで薄め加熱)、大根おろし、すり生姜。
【作り方】海老は皮を剥いて、尾の先端とヤリの先を斜めに包丁で切り落とす(水分を出す)。背中を開いて背わたを取り内側に切れ目を4つくらい入れて神経を切断、指で上から押さえると「プチ、プチ」と神経がキレる音がしてへなへな状態になる。天ぷらのチリチリの「花」を咲かせる方法は2種類あり、180度の温度の油に(大量に作る宴会場、結婚式場方式)=油の中に溶いたてんぷら粉で天かすを夜空の銀河状態にびっしり浮かして、衣をつけた海老をその中に落として長箸3本で天かすを寄せ集めてくっつける方法。海老が少ない場合は、衣をつけた海老を油に入れてから天かすを箸3本でぱらぱらと落として作って海老に網しゃもじでくっつけていく方法。油は新しい方が、天ぷらは白く、サクサクに揚がる。
◾︎中華茄子の素揚げ大根おろし煮浸し
【材料】中華茄子1本、大根おろし、すり生姜、めんつゆ
【作り方】ブツ切りにした中華茄子を油で揚げて、身がキツネ色になるまでしっかり揚げる。油を切ったあと小皿に盛り直し、温めためんつゆをうえにかけて大根おろしとすり生姜。好みで七味とうがらしをかけていただく。ご飯のおかずにも、お酒の肴にもなって、簡単で美味しい。