ジャパン・ソサエティー年次晩餐会

650人出席、180万ドル寄付

A・モンローさんを表彰
日本の文化・芸術を紹介

 ジャパン・ソサエティー(JS、ジョシュア・ウォーカー理事長)は2024年度アニュアル・ディナー/授賞式を13日シェラトン・ニューヨーク・タイムズスクエアホテルで開催した。今年のJSのアニュアルディナー/授賞式では、ビジネス、外交、文化のコミュニティーの著名なゲスト、法人会員と個人会員、日米関係にとって重要な著名人など650人以上のゲストが集まり、一晩で180万ドルの寄付が集まった。当日の収益金はJSによるプログラムの運営に役立てられ、日米相互理解の促進や、すぐれた次世代クリエーターの支援を目指すという。

 今年の基調講演ではアービンド・クリシュナ氏(IBM最高経営責任者)と小池淳義氏(ラピダス代表取締役社長)が、最先端半導体技術におけるIBMとラピダスの戦略的パートナーシップと日米関係への広範な影響、グローバルな文脈におけるテクノロジーの将来について講演した。基調講演モデレーターはメリット・ジェイノー氏 (コロンビア大学国際公共政策大学院名誉学長、国際経済法・国際問題実践学教授、ジャパン・ソサエティー理事会会長)。小池氏は半導体産業の日本国内での立地条件として北海道が最適の人的、土地的優位性を他県よりも持ち合わせていたことを対談の中で強調した。

ウォーカー理事長 Photo: Daphne Youree

 ジョシュア・ウォーカー理事長は今後3年間が日米間にとって大きな節目の行事が目白押しであると述べ、来年2025年が第二次世界大戦(太平洋戦争)の戦後80周年となること、2026年は米国が独立してから250周年を迎えること、2027年はジャパン・ソサエティーが1907年に創設されてから120周年を迎えることと紹介した。

 本年度のジャパン・ソサエティー賞はグッゲンハイム美術館グローバル美術上級キュレーターのアレクサンドラ・モンロー氏に贈られた。同氏は、ソロモンRグッゲンハイム美術館のアジア美術部門のシニア・キュレーターとして、同美術館のアジア美術イニシアチブの陣頭指揮を執り、西洋以外の世界の美術を研究、収集、展示するという同美術館の使命を拡大している。グッゲンハイム以前は、ニューヨークと東京を拠点とするインディペンデント・キュレーターだったが、1998年にジャパン・ソサエティー・ギャラリーのディレクターとなり、その後、ジャパン・ソサエティーの芸術文化担当副社長となった。彼女の7年間の在任中、「YES オノ・ヨーコ」(2000年)や村上隆キュレーションの「リトル・ボーイ:爆発する日本のサブカルチャー」(2005年)といった展覧会を通して、ジャパン・ソサエティの現代アート・プログラムは規模を拡大し、名声を高めた。モンローさんは「一人で見る夢はただの夢、みんなで見る夢は現実になる」と日本語で挨拶を締めくくった。

 司会はブロードウエー俳優の由水南さんが務めた。パフォーマンスは今年7度目の訪日公演を行うヤングピープルズ・コーラス・オブ・ニューヨーク・シティーが茶摘み、花は咲く、ニューヨーク・ニューヨークを歌って喝采を浴びた。

(写真:本年度のジャパン・ソサエティー賞を手にする受賞者のモンローさん(右から2人目))