NYで大橋禾苗・おおはしこうじ親子展

シャドーボックスの芸術

  ギャラリー60NYC(東60丁目208番地)で5月19日(火)まで、大橋禾苗・おおはしこうじ親子によるシャドーボックス展が開催されている。初日のオープニングレセプションには、大勢の来場客があり、カラフルな立体アートに見入る人々で賑わった。

 おおはしは「ニューヨーカーに作品を楽しんでもらえて嬉しい。次作へのモチベーションが高まります」と話していた。同展の企画はキュレーターの武内樹一さん。シャドーボックスは、ヨーロッパ貴族の遊びから生まれた技法。同じ絵を何枚も切り抜き、特殊な糊で重ねて奥行きを持たせるアート。今展のテーマはドラゴン。これまでに大橋親子が手がけた龍を題材にした作品を展示している。

 母親の大橋禾苗は、80年代のニューヨークでこの技法を学び、日本に持ち帰った。ミケランジェロや葛飾北斎などにも題材を取り、絵の解釈、カットの精度、奥行きの深さなど、従来のシャドーボックスの水準をはるかに超えるものを創造。ルーブル美術館の国際芸術コンクールでのグランプリ受賞作品には会場でも驚嘆の声が聞かれた。

 おおはしこうじが描くのは80年代のニューヨークで身に着けたカラフル・ポップな色彩感覚と大胆な構図の絵。

 今月開かれるグローバル・ビレッジ・NYC・アジアンマーケット&フードに先立ち、同イベントを主催するアップステイアーズ協賛のポスターに大橋の龍がタイムズスクエアを舞う最新作が採用されたことを記念し、ギャラリーツアーが5月7日(火)に午後6時から8時まで開催される。当日はキュレーターによる紹介がある。予約不要・軽食など提供。問い合わせは電話347・601・4323、Eメールgallery60nyc@gmail.com 武内さん。