NY州と市
無許可店舗に閉鎖命令
ニューヨーク州のキャシー・ホウクル知事は2月28日、マンハッタンを訪れ、嗜好用大麻の合法化を受けて爆発的に増えた無許可のマリファナ販売店の取り締まりのため、州の大麻管理局(OCM)が無許可店舗を営業停止にする裁判所命令を取得しやすくし、またニューヨーク市などの自治体もこの命令を執行できるようにしたいと語った。
無許可のマリファナ販売店はマンハッタンだけで400店、市内5区合わせると1500ほどあるとされる。知事は、違法店は公衆衛生上の危険をもたらし、麻薬で被害を受けた人々にやり直しの機会を提供する大麻産業作りを目指す州の取り組みを台無しにすると述べた。強制捜査や罰金を科して店舗を阻止しようとしたこれまでの取り組みは、あまりにも少数の機関に集中しており、効果がなかったと知事は述べた。
NY州議会では現在、知事の提案とほぼ同じ法案が審議されている。2021年の大麻法では店を閉鎖する権限は州に付与され、市は罰金を科すことはできるものの営業停止にさせることはできなかった。ジェニファー・ラジクマール州議会下院議員(クイーンズ選出)が中心となり、NY市など自治体に無許可大麻店に閉店を命令する権限を与える法案を2月下旬に提出した。
違法販売店を営業停止させる権限がニューヨーク市に付与されれば、NY市警察や市保安局が店舗を強制的に閉鎖できることになる。「スモークアウト法」と呼ばれるこの法案について、NY市のアダムス市長はすぐにでも成立させてほしいとしている。
無認可小売店の取り締まりはモグラたたきのようなもので、州規制当局ではこれに対応できる人員が不足している。罰金制度を導入したが、多くの店は摘発後、罰金を支払って営業を再開しているのが実態だ。グーグルやYelpなどには違法店のネット掲載削除を求めたが、かえって混乱を招いて効果がなかった。
(写真)大麻の看板が多いミッドタウンウエスト