NY日本総領事館
「たびレジ登録を忘れないでほしい」
ニューヨーク日本総領事館は6日午後、「令和5年度在外安全対策セミナー」を日本クラブで開催した。在留邦人及び日系企業の危機管理・安全対策に関する知識や意識の向上を図るのが目的でニューヨーク市での開催は2年ぶり(対面式では4年ぶり)で約120人が参加した。
(写真上)満席の会場で熱心に聴講するセミナー参加者(日本クラブで)
同セミナーは外務省が現在全世界で実施している。在外日系企業の安全とリスクマネジメントを支援するコントロール・リスク・グループが、1975年の創設以来これまでに全世界で5300社以上、日本国内で300社以上の支援をしたノウハウをもとに当日は住友商事の安全対策推進担当の岡田法久氏が、一般犯罪対策、ヘイトクライムなどの突発的な暴力や傷害事件に対する対応、またテロ対策や無差別殺傷事犯対応など、具体的な事例を挙げて講義形式で説明した。
セミナーでは、外務省が中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル版として制作した冊子、漫画家のさいとう・たかを氏(故人)の代表作『ゴルゴ13』=写真=のビデオが、舘ひろしの声で流され「たびレジ」の登録を呼びかけた。
たびレジとは、外務省による在留届の提出義務のない日本国外への渡航者(3か月未満や住所・居所を定めない場合など)を対象にした海外安全情報配信サービスの登録システム(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html)で登録すると海外での出張先、滞在先の緊急情報や安全情報をメールで受け取ることが出来る。2014年7月1日より運用開始している。
テロから逃げる方法
在外安全対策セミナー
銃乱射現場では伏せること重要
ニューヨーク日本総領事館は6日午後、「令和5年度在外安全対策セミナー」を日本クラブローズルームで開催した。ニューヨークにおける犯罪の傾向は、日本よりもはるかに高い発生率となっている。2023年の統計で強盗は1万6902件で、東京の399件のおよそ50倍と極めて高い水準。前年比では減少したと報道されているが、東京都比較すると極端に高い状況と報告された。殺人件数はNYは386件と東京の91件の4倍強。レイプはNYが1455件に対し東京は248件。犯罪統計全体でNYが12万6678件と東京の同7万8475件の約1・6倍。
ヘイトクライムの主な標的はユダヤ系、アジア系、LGBTQで、ガザ紛争の影響を受けて最近はユダヤ系に対する犯行が急増していることも指摘された。昨年12月統計で全59件のヘイトクライム中、ユダヤ系に対する犯罪が31件を占めた。アジア系は4件だった。
テロ、銃乱射からの避難、防衛については、逃げる、隠れる、誰かに助けを求めるという段階で、まず、伏せるということが一番大事だと解説した。立っている場合、しゃがんでいる場合、伏せた場合の被弾の確率が激減する。歩腹前進についての説明で、会場で経験のある人は皆無、実際にやってみることの難しさを紹介した。
また、犯人の目的は、一人でも多く殺傷することで、最初の1発目の爆発の後、その周りに集まってきた群衆に向けて第2発目の爆発、攻撃があるので、その場から離れることが大切だと強調した。
また文化の違いによって身柄を拘束されたりする例があり、日本人の親が空港で走り回っていた子供を厳しく叱責した様子を見た周りの人が警察に通報して、親が警察に児童虐待容疑の現行犯で逮捕された例などを紹介した。