冬の主役は宮城県! 故郷自慢案内

温泉、仙台グルメ、スノースポーツ

日本のいいとこ再発見

 10月28日号の岡山県岡山市に引き続き、宮城県の魅力をご紹介したい。宮城県出身の筆者の考える宮城県のベストシーズンは秋冬である。「ただでさえ寒い時期にわざわざ寒い東北地方か・・・」と思う方もいるかもしれないが、秋冬の宮城県の魅力は想像以上である。今回はおすすめの過ごし方を北・中央・南の3つに分けてお届けしたい。

(1)北〜温泉満喫プラン〜

紅葉真っ盛りの鳴子大橋

 日々の都心生活にお疲れのあなた、そろそろ“プチ湯治”が必要ではないだろうか。宮城県北部の大崎市に位置する鳴子温泉郷は、数多の温泉がある東北地方の中でも“奥州三名湯”の一つに数えられる温泉地である。日本にある11の泉質(旧泉質)のうち8種類が集まっている鳴子温泉は古くから湯治場として人気があった。江戸時代には近隣地域の農民が繁忙期に重労働を行った後、閑散期である冬に鳴子温泉を訪ねて温泉を堪能し心身の疲れを癒す“湯治”という文化があり、彼らは大抵自炊を行いながら2〜3週間温泉をゆっくり楽しむのである。特に何をするわけでもなく、湯に浸かり、他の湯治客とふれあいながらのんびり過ごす。日々パソコンやスマホと睨めっこをし、人間関係にストレスを感じている私達も、2〜3週間とは言わずともそろそろプチ湯治が必要ではないだろうか。

 その際にはぜひ「湯めぐりチケット」もご活用いただきたい。チケットには6枚のシールが付いており、シールを使って加盟温泉で入浴すると現金で入浴するよりも割引になり、気軽にバラエティに富んだ温泉を楽しむことができる。(写真上)雪景色の鳴子温泉

 10月中旬から11月中旬にはぜひ鳴子大橋からの紅葉も味わってほしい。大谷川が刻んだ深さ100メートルにおよぶ大峡谷が、紅葉の時期には鮮やかな赤や黄に彩られ、大深沢橋からの眺めはまさに絶景。峡谷沿いには自然遊歩道も整備されているので紅葉狩りを楽しむこともできる。

(2)中央 〜仙台クリスマス&グルメ満喫プラン〜

冬の仙台名物、光のページェント

 何日も時間が取れないというあなたにも、東京から日帰りでも杜の都仙台を満喫できる「仙台クリスマス&グルメ満喫プラン」をご紹介したい。ケヤキ並木が美しい定禅寺通(仙台駅から電車で5分、徒歩15分)では、毎年12月に冬の風物詩「SENDAI光のページェント」が行われる。今年で38回目を迎えるこのイベントでは、ケヤキ125本に約47万球のLEDが灯され、定禅寺通をシャンパンゴールドに染める。宮城県民定番のクリスマスデートスポットである。中には1つだけ幻のピンクの電球があると言われており、見つけると幸せになれると噂されている。公式サイト曰く「ピンクの電球の有無は、SENDAI光のページェント実行委員会では把握しておりません」とのことだが、目撃例は複数報告されているのでぜひ大切な人と一緒に探してみてほしい。また、定禅寺通沿いには、ページェントを眺めながら名物の牛タンや日本酒を楽しめるお店が多数あり、絶景を見ながら食事もできる。ページェントの時期は特にすぐ予約が埋まってしまうので、早めの予約をおすすめする。

(3)南 〜アクティビティプラン〜

絶景!蔵王の樹氷

 東北の冬と言えばやっぱり雪!雪を元気いっぱい楽しみたい方には、宮城県南西部に位置する蔵王町周辺をお勧めしたい。蔵王は宮城県と山形県の両県にまたがるエリアで、積雪が多いためスキーやスノーボードを楽しめるスキー場が複数あるほか、冬がもたらす絶景「樹氷」を楽しむことができる。樹氷とは、数多のアオモリトドマツがシベリアからの強い季節風によって運ばれた雪と氷を纏う現象を指し、世界でもあまり類をみない氷と雪の芸術品である。数多のマツが雪と氷を纏う迫力満点の光景は、“スノーモンスター”とも呼ばれている。ライトアップされた樹氷を間近にみることができるナイトクルーザーも運行されているので、昼はスキーやスノーボードを、夜は樹氷をそれぞれ楽しむことができる。また、蔵王は酪農が盛んな地域のため、チーズインハンバーグ、チーズピザなどチーズ料理も堪能して欲しい。特にクリームチーズは絶品でニューヨークのクリームチーズも裸足で逃げ出す美味しさである。

 以上、冬の3つの満喫プランをご紹介したが、宮城県は老若男女誰がいつ来ても楽しめる魅力が満載である。皆さんの次の帰国時の旅行プランにはぜひ宮城県を! (宮城県庁/一般財団法人自治体国際化協会派遣・ 長沼理紗、写真はすべて「みやぎデジタルフォトライブラリー」提供)


※ご帰国観光のご案内コーナー

■仙台宮城の観光・旅行情報サイト 宮城まるごと探訪(https://www.miyagi-kankou.or.jp/)

■鳴子温泉観光協会(https://www.welcome-naruko.jp/)

■仙台光のページェント(https://sendaihikape.jp/about_us/2023overview/)

■蔵王町観光物産協会(https://www.zao-machi.com/)