NY総領事・大使公邸でアダムスNY市長が祝辞
天皇陛下は2月23日、63歳の誕生日を迎えられた。ニューヨーク総領事・大使公邸では3月9日夜、森美樹夫大使主催による天皇陛下誕生日の記念祝賀レセプションが行われた。当日は、日米の招待客が天皇皇后両陛下の写真の前で森大使、遠藤彰首席総領事にお祝いの言葉を述べた。
パンデミック前は、経済人枠、文化人枠と前後時間をずらして300人近い招待客があったが、今年は感染対策の一環から招待客を3分の1程度に絞りこんで1回で行われた。当日は、エリック・アダムス・ニューヨーク市長が来場して、パーティー会場で祝辞を述べた。市長はジャパン・ソサエティーの年次晩餐会に出席したことはあるが、ニューヨーク日本総領事館、日系3団体主催の式典やイベントに顔を出すのは初めて。NY市長室には招待状を出していたが、今回、市長の参加が決まったのはレセプションの前日だった。
(写真上)天皇陛下誕生日のお祝いの言葉を述べるアダムスNY市長
午後6時30分、市長到着前に森大使が2階の宴会場前のホールで天皇陛下の誕生日レセプション開催の挨拶を行い、ニューヨークにおける日本人の足跡と歴史を伝えるデジタルミュージアムの充実化、5月13日に開催2回目となる今年のジャパンパレードの意義、日系社会からの協力の要請、日本政府から叙勲されたタケシ・フルモトさんや、同日午前にニューヨーク日本総領事館で在外公館長表彰をうけた高岡英則北米三菱商事社長が会場で紹介された。コロンビア大学教授のジェラルド・カーチス氏が、ウクライナでの戦争の長期化と激化、トルコ・シリア大地震、アジア地域での米中間の緊張の高まりなど、世界をとりまく情勢の中で日米関係の重要性が今ほど高まっている時はないと述べた。
午後7時過ぎ、アダムス市長一行が大使公邸に到着。森大使から歓迎の挨拶を受けて登壇したアダムス市長は、祝辞のなかで日米文化交流の大切さ、東京とニューヨークを軸とした日米ビジネス関係の強化、若い世代の学術と技術の習得を支援するニューヨーク市の取り組みを紹介しながら、日米交流の重要性を壇上から力強くスピーチし、最後に「ハッピーバースデー・エンペラー」とお祝いの言葉を述べると大きな歓声が起こった。その後、しばし日米招待客とも気さくに会話をした市長は、会場で祝いの酒として出された新潟県産の日本酒「麒麟山」をニューヨーク新潟県人会の会長、大坪賢次さんから勧められて一口。「ザッツ・グレート」と美味しさを表現した=1面に写真=。
大坪会長によると「市長は当日はまだ次の予定があるため酒は飲まないと事前に聞いていたが、飲んだら美味しい美味しいって飲んでましたね」と満面の笑顔で話していた。
この後、市長は、会場に設置されたモニターで、ジャパンパレードのビデオ動画を見ながら森大使の説明に聞き入っていた。市長のサプライズ訪問で同夜は華やかな天皇誕生日のレセプションとなった。