バレエ・プリンシパル
イザベラ・マリア・トーレスさん
東京生まれの米国人。3歳からクラシックバレエを始めた。篠原聖一、下村由理恵、溝下司朗に師事し、日本では、オリンピックを目指す選手の指導者として朝日生命体操クラブで女子の体操選手の床の振り付けとダンス指導を行っていた。 2019年に来米して母親がバレエ教室、プティ・アロンジェ・ベラニューヨークを設立、そこのプリンシパルとして現在活動している。ニューヨークのマンハッタンのスタジオで自身企画の幼児向けバレエワークショップを2019年に開催。またラスベガスでもジュニアの個人レッスン指導とキッズのバレエクラスを行う。旅行会社HIS USAのオンラインセミナーを開催、現地ニューヨークからのエクササイズクラスを発信している。
現役のダンサーとして活動しながら、指導者としても積極的に活躍の場をニューヨークで広げようと母親と共に日米各方面に働きかけているところだ。
しかし日本での活動がいかに素晴らしく、仮に有名だったとしても、米国での活動経歴がない場合は、どんなビジネス、芸術家であろうとも一から、というよりもゼロ、企業や団体のバックアップがなく個人でいきなりこの土地に来て徒手空拳でビジネスをしようとするなら、マイナスからの出発と言っても過言ではない。イザベラさんは、アメリカ国籍だが、日本生まれの日本育ち。中身はまるっきりの日本人で、わびさびもわかる大和撫子。日本ではインターナショナルスクールで日米文化を吸収して、高校生時代からバレエ指導を行ってきた経験を持って3年前に米国で生活基盤を整えて再出発することにして母親と共に「帰米」した。市内の日系私立学校でも教え、4月25日に、自分の教室の生徒の発表会も開催したところだ。
一方で、幼児バレエ教室を続けながら、プリンシパルとしての自身のプレーヤーとしての存在をこのNYでどのように花咲かせるのかということもまた課題。今はまだ種薪きの状態で先が見通せない。プティ・アロンジェ・ベラという教室の名前はバレエの恩師がつけてくれた。プティは、小さい、アロンジェは、フランス語で引き伸ばすという意味。両手を広げて伸ばしていくバレエのシルエットが重なる。「母国でありながら新天地でもあるこのNYであらゆる可能性を排除せずチャンスに挑んで行きたい」という。(三浦良一記者、写真も)