NYで日常的に駐車違反

ロシアの外交官、特権で罰金踏み倒す

未払い総額10万ドル以上

 ロシアのウクライナ侵攻で同国の新興財閥や議員に対する厳しい制裁が行われているが、ロシアの外交官はニューヨーク市内で日常的に駐車違反をしており、その違反金(罰金)の未払い総額は10万1000ドルになるという。外交官には刑事裁判や納税が免除される外交官特権があるため、罰金が踏み倒されているのが現状だ。

 一方、連邦国務省はロシアの外交官の20台以上の車両登録を認めておらず保留状態になっているという。これは外交官登録に関する2002年の覚書に沿った措置で、罰金の支払いが開始されるまでは新規の車両登録や登録更新を停止できるという内容だ。ロシアを含め全世界の在米外交官に適用されているという。

 キャロリン・マローニー連邦下院議員(民主、NY州第12区選出)は「措置を称賛する。ニューヨーク市は違法駐車のロシア車をレッカー移動することも考えるべきだ」と語っている。外交官特権があっても警察が違反車両をレッカー移動することはできるからだ。

 日本でも在日外交官による駐車違反と違反金踏み倒しは多くみられる。もっとも多いのはロシアで2019年度で1101件だった。日本は駐車違反金の納付が確認できない場合、ガソリン税免税証明書を発給しない措置を今年から始めている。

(写真)歩道や駐車禁止標識前に駐車されている車(東67丁目ロシア国連代表部前で)