ハーレムのフードバンクに
ニューヨーク日系人会(JAA)とニューヨーク日本総領事館が合同で呼びかけて開催した食料品寄付キャンペーン「ジャパニーズ・フード・ドライブ」で集まった食料品が11日午後2時、ハーレムにあるフードバンク事務所に寄贈された。米700ポンド(半分は東北米)、スナック菓子、インスタントラーメン、カップ麺、北米伊藤園寄付の日本茶300本など総額8400ドル相当の食料品と寄付が贈られた。
食品は個人と企業からの寄付で購入されたものと日系食料品店の店頭や日系企業のオフィスなど10か所に設置された段ボール箱に集まった缶詰やそば、うどん、などの食品が袋詰めされて提供された。
寄贈式にはニューヨーク日本総領事館から奥奈津子広報センター次長、NY日系人会(JAA)から佐藤貢司会長、スキ・ポーツ同名誉理事、ゲイリー・森脇同終身顧問、日系企業を代表してMUFG取締役会会長の越和夫氏、ジョシュア・W・ウォーカー・ジャパン・ソサエティー理事長が出席した。このキャンペーンは東日本大震災時のニューヨークからの支援に感謝する気持ちを表すため2014年から毎年行われてきたが、パンデミックの一昨年と昨年は中止されており、2年ぶりの寄贈となった。
式で、奥広報センター次長は「米同時多発テロの9・11を経験したニューヨークの皆さんと東日本大震災の3・11を経験した私たち日本人が共に支え合い、日米の友情をこの活動を通して協力しながらさらに深めていけることを期待しています。お互いに頑張りましょう」と挨拶した。
佐藤日系人会会長は「11年前、東日本大震災の時に支援してくれたニューヨークの皆さんに日系社会は感謝している。今回も寄付に賛同して協力していただいたサンライズマート、ダイノブ、北米伊藤園、日系企業の皆さんに感謝します」と挨拶した。
MUFGの越会長は「日系社会多方面からの協力で実現できた」と来場者に感謝の言葉を述べた。本紙の取材に対しては「会社としての寄付だけではなく、社員がボランティアとして日系人会ホールで袋詰めなどの作業をして汗もかいて協力させてもらいました」と話した。
フードバンクのディレクター、サルタン・オカシオさんは「食料支援は、地域社会の異なったさまざまなコミュニティーからのサポートがあって成り立つ活動のため、日系アメリカ社会からの継続的な支援に心から感謝します」とお礼の言葉を述べた。
フードバンクのキッチンでは、毎日800食の食事が支援の必要なニューヨーカーに提供されている。この日もパーベキューチキンにライスが添えられたランチボックスを手際よく作っていたスタッフたちが、式典中は手を休めて参加し、寄付に感謝の拍手を送っていた。