いちごの年間生産量が53年連続日本一の「いちご王国」栃木県の、数あるブランドいちごの中でも最高級品種に位置する「スカイベリー」の販売が、このほど米国東海岸で始まった。
「スカイベリー」は県をあげてのプロジェクトで17年かけて開発された品種。栃木県の主力品種「とちおとめ」と比較するとかなり大粒で、上品な甘さとほのかな酸味とのバランスが良く、果汁がにじみ出るジューシーさが特徴。日本では贈答用として人気を得ている。栽培が難しく大量生産ができないため、最高品質のものは一粒300円〜500円ほどで市販される高級いちごだ。
今回、「スカイベリー」が米国に輸入されるきっかけは、日本酒や日本の食品の米国での市場展開を手伝うコンサルティング会社MU・GENインクの阿部嘉代子社長が、ワシントンDC地区で世界の最高級食材を集めて創る大胆な創作料理が評判の高級レストラン「JÔNT」のオーナーシェフ、ライアン・ラティーノ氏から、「デザートに使う日本の最高級いちごを入手したい」と相談され、阿部さんの出身県である栃木県の県庁に提案したことから実現。生鮮食品輸入・流通業者のトゥルーワールドフーズ社が、採れたてのいちごを産地直送、航空便輸送で輸入している。
「スカイベリー」は生産数が少なく対米輸出できる数量にも限りがあるため、NY近郊では、一部のレストランへの卸し以外、一般販売はNJのミツワマーケットプレースでのみ行われている。価格は、1パック(平均6〜8粒)34ドル99セント(2月5日現在)。同店では当面、毎週水曜日に新しい商品が入荷し店頭に並ぶそうだ。バレンタインのギフトとして今年はチョコの代わりに「スカイベリー」を渡してみるのもアイデアだ。