眞子さまはJ-1ビザを取得されて美術館で勤務されるかもしれない

加藤弁護士のビザ最前線

 2週間前に当紙で、小室圭さんとご結婚される眞子さまはニューヨークで就労するのは難しいかもしれない、とお伝えしました。しかしながら眞子さまは、ご本人の希望とともに、メトロポリタン美術館、自然史博物館など美術館が受託して、J-1ビザを取得されれば、ニューヨークで就労されることは可能かもしれないのです。今回は、この

J-1ビザについて説明いたします。

 J-1ビザは、交換留学生、研究者、医者などが通常対象になりますが、期間や目的が限定された研修やインターンシップでもJ-1ビザが発行されます。

■J-1研修プログラム対象者

(1)アメリカ外の短大・大学・大学院を卒業後1年以上職務経験、または

(2)高校卒業以上でアメリカ外で5年以上の職務経験条件

① 研修の内容が職務経験に合った分野

② 研修内容は、芸術・文化、教育、行政、法律、メディア、ビジネス、財務、科学、技術系、観光・ホテル・レストラン・医療・介護などホスピタリティーを含む。

(3)最長18か月まで研修可能

 観光・ホテル・レストラン・医療・介護などホスピタリティーに関しての仕事は、最長12か月までの研修。ただし、ホテルやレストランのビジネスマネージメントでは、最長18か月研修を許可される。

プログラム参加回数の制限

① なし。ただし、すでにJ-1ビザを取得している場合は、前回取得してから2年以上経過しており、前回の研修内容と異なること。

② 新たな研修内容に関連した分野での職務経験が必要。

■ J-1インターンシップ・プログラム対象者

(1)アメリカ外の短大・大学・大学院に在学中の学生、または

(2)アメリカ外の短大・大学・大学院を卒業して1年以内条件

① アメリカ外の短大・大学・大学院の専攻にあった分野で、専攻を補強するための研修であること

② 最長12か月まで研修可能。延長申請は可能ですが、限られている。

 両方のプログラムで共通の条件は、英語力、アメリカに滞在できる十分な資金があり、アメリカに永住する意志がないことです。

 眞子さまは、大学で美術・文化財研究を専攻され、イギリスの大学院で博物館学で修士号も取得されています。また日本の学芸員の資格もお持ちで、すでに日本では大学の研究博物館に研究員として勤務されているとのことなので、ニューヨークの美術館や博物館が受入先または就労先ということならば、研修生としてのJ-1ビザは該当するでし

ょう。

(加藤恵子/ニューヨーク州弁護士)