脚本家のケイメン、作詞作曲のガスパリーニらと打ち合せする宮本(中央)
宮本亞門の演出で、1984年公開の大ヒット映画「The Karate Kid(邦題:ベストキッド)」のミュージカル化がニューヨークで進んでいる。まだ公演日程やキャストは決まっていないが、今後ブロードウェイ公演実施を目指している。舞台版の脚本は、オリジナルとなる「The Karate Kid」映画シリーズの脚本家であるロバート・マーク・ケイメン、作詞作曲家は若手の人気ソングライター、ドリュー・ガスパリーニが担当する。作品の原作はコロンビア・ピクチャーズによる大ヒット映画「The Karate Kid(邦題:ベストキッド)」、振付はキオネ&マリ・マドリード、舞台美術はデレック・マクレーン、プロデューサーは木下グループ、吉井久美子、マイケル・ウォーク。
プロデユーサーの吉井は次のように語る。
「『The Karate Kid』の不朽のストーリーを、いかにミュージカルとして舞台でよみがえらせ、新しい息吹を吹き込むかを試行錯誤しながら、クリエイティブ・チームと一丸となって舞台化に取り組んでいる。宮本亞門の演出は、この作品の鍵となるMr. ミヤギのキャラクター作りや空手そのものの精神論など、ミュージカル版『The Karate Kid』を生み出す過程において、重要な役割を担うと思う。『The Karate Kid』映画シリーズのオリジナルライター、ロバート・ケイメン自らによる脚本、新進気鋭のドリュー・ガスパリーニのスコア、独特のスタイルで現在ブロードウエーで注目を集めているキオネ&マリ・マドリードの振付、トニー賞受賞ベテランデザイナー、デレック・マクレーンによる舞台美術など、第一線で活躍するクリエイターとタッグを組み、この作品を作り上げていくことを楽しみにしている」。
また演出する宮本は「多くの人が現実から逃げるためにブロードウエーのミュージカルを観に行くと思いますが、私がブロードウエーミュージカルを愛しているのは、今を生きるヒントが詰まっているからです。私がカラテキッドをミュージカル化したいと思ったのは、グローバル化の後に、今起こっている「分断の時代」に何が必要なのかを考えたからです。ショーの中にも出て来るように、カラテの本質である「空手に先手なし」は、相手を傷つけ勝利するのが目的ではなく、受け入れて、最良の形で収める事です。 こういった概念を、これまでブロードウエーでは見たことがないような視覚的な方法やムーブメントスタイルを通じて舞台上で表現していく。どうぞ、お楽しみに!」と話している。