「れいわ一揆」上映

MoMAで2月12日
原一男監督が来米

 日本映画「れいわ一揆」(原一男監督)が2月12日(水)午後6時15分からニューヨーク近代美術館(MoMA)で北米プレミアとして上映される。同美術館が2月5日から19日まで開催するドック・フォートナイト2020参加作品として上映される。
 選挙ドキュメンタリー作品で、東京大学東洋文化研究所教授・安冨歩は2013年以来、「もっとも自然に生きる事ができる」スタイルとして、女性服を着る「女性装」を実践していた。
 彼女は、山本太郎代表率いるれいわ新選組から参議院選挙の出馬を決める。選挙活動を通して彼女が一貫して訴えるのは、「子どもを守ろう」。新橋SL広場、東京駅赤レンガ駅舎前、阿佐ヶ谷駅バスターミナル他都内各地から旭川、沖縄、京都まで白馬の相棒「ユーゴン」とともに全国を巡ってゆく。そして故郷の大阪府・堺市駅前に立った彼女は、美しい田園風景が無個性な住宅街に変わり、母校の校舎も取り壊されてしまい、喪失感を吐露し始める・・・「ニッポン=豪華な地獄をぶっ壊す!」と。

 令和元年夏、参議院選挙で注目を集めた「れいわ新選組」から出馬した安冨歩を中心に、10人の個性豊かな候補者たちを、「ゆきゆきて、神軍」の原一男が鋭く迫った。昨年の東京国際映画祭でワールドプレミアが行なわれ、世界の映画祭での上映が続々と決定し、選挙戦に留まらず、国内外の映画祭で注目を浴びている。過激な登場人物たちを通じて昭和・平成の時代を抉ったドキュメンタリー映画界の鬼才が、令和に突如現れた話題の政党にどのようにフォーカスしたのかを追う。
 監督の原一男は、87年、元日本兵・奥崎謙三が上官の戦争責任を過激に追究する『ゆきゆきて、神軍』を発表。大ヒットし、日本映画監督協会新人賞、ベルリン映画祭カリガリ賞、パリ国際ドキュメンタリー映画祭グランプリなどを受賞。
 庶民の怒りと叫びを描いた「ニッポン国vs泉南石綿村」は2018年にジャパン・ソサエテイーのジャパンカッツで上映され、昨年は原一男(疾走プロ作品)レトロスペクテイブがMoMAで行われ、その後、ハーバード大学ではドキュメンタリー・レトロスペクテイブ、フラハテイセミナーでは、3部作を上映し注目を浴びるなど寡作ながら、公開された作品はいずれも高い評価を得ている。
 映画のみの入場料は、一般12ドル。シニア10ドル、学生8ドル。上映時間4時間。購入はMoMAのウェブサイトwww.moma.org/calendar/film/5193