その7:西部の重要拠点アリゾナ州キングマン

魅惑のアメリカ旧国道「ルート66」をフォーカス

 ルート66ファンの皆さん、こんにちは! いよいよハロウィーンの季節も近づき、2019年も集大成のシーズンに移り行く今日この頃、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。東京は10月というのに「最後の真夏日」とのことで、30度超えの日が未だあり、秋はどこ? という感じです。大袈裟に言えば、東京は1年の3分の2は夏の気がします。NY&NJエリアにお住まいですと、気温30度など大したことないと思われる方も少なくないと思いますが、東京都内の湿気が加わればそれはキラーなのです。ここ2年ぐらい夏場に一時帰国された方は実感されたのではないでしょうか。すみません、そんな愚痴は置いておきましょう。とにかくお伝えしたいのはまだ東京は未だに暑くて、今頃は葉っぱの色も変わり始めているであろう、米国東部の美しい秋が恋しい!ということです(笑)、ご容赦。
 さて、今月の魅惑の旧街道を行くシリーズのシーズン③第7話は、アリゾナ州キングマンついてお伝えしようと思います。キングマンの街は過去、シリーズ①でアリゾナ州ルート66を通過する際に触れていますし、シリーズ②でも博物館をベスト10に組み込んでご紹介しました。今回敢えて再々度トピックとして扱う理由としては、やはりキングマンという場所はルート66を語る上で本当に重要な西部の拠点だからです。「ルート66は長すぎてどこから行ったら良いか分からない!」、そのような方はネバダ州ラスベガスに飛んでカジノと一緒に古き良きアメリカの歴史に触れてみるのもいかがでしょうか。
 キングマンは、米国アリゾナ州モハーベ郡の市と郡庁所在地でもあり、昨年の国勢調査では人口約3万人と発表されていますが、実際には近郊のコミュニティーを加えると約5万人弱です。上記でもお伝えした観光しやすい利点の一つは、キングマンはネバダ州ラスベガスの南東約105マイル(169キロメートル)に位置しているということでしょうか。キングマンに行くには、ラスベガスから国道93号線をひたすら南に向かって走るのみで、車での所要時間は2時間程度です。途中にはコロラド河を渡る、かの有名なフーバーダムもあり、中々ルート66に興味を示してくれないパートナーやお子さんを引きずって連れていく? 時も、オプションの一つでは良い理由となります。筆者も過去何十回、何百回と、このキングマン〜ラスベガス間を往復していますが、文字通り一本道でひたすら同じ景色が続くので、ついアクセルを踏み過ぎてしまいます。ポリスも結構うろうろしているので制限速度は守るよう予めお伝えしておきます。(筆者の過去経験は秘密です)その国道93号線はキングマンの街に入るとビール通り(Beale Street)という名が付き、「パワーハウス博物館&ビジターセンター」のある交差点でルート66と交わるわけです。Andy Devine Drive(アンディ・デヴィーン通り)と呼ばれるルート66は街を南北に通る幹線で、おおよそ殆どの観光スポットはこの通り沿いにあると言っても過言ではありません。「パワーハウス博物館&ビジターセンター」は街の中心的アイコンで、ルート66の歴史はもちろんのこと、米国車社会の発展を担ってきた各時代の自動車の展示等の常時展に加え特別展も開催し、何度訪れても飽きません。なお、世界中からのビジターが多いこの博物館は世界6、7か国語のパンフを用意していますが、その日本語版は筆者が担当させていただきました。(プチ自慢で恐縮です、笑)
 ところで、キングマン関連でご紹介したいことが二つほど。筆者も運営に関わっている「ルート66日本アソシエーション」に、早い段階から惜しみないサポートをしてくれているプロミュージシャンの茂村泰彦氏が、10月5日、Diana’s Cellar Doorでライブを行いました! 本当は先月この紙面上でご紹介したかったのですが、タイミングが上手くいかず事後報告となってしまいました。(事前に日本アソシエーションのウェブサイト見てくれてた方いるかな〜?笑)。現地からの報告では、その前夜には「First Friday」イベントでダウンタウン地区での飛び入りライブにも参加した模様。近年アソシエーションの定例懇親会では、必ずその美声とコミカルなトークで私たちを魅了し続けてくれる通称「シゲさん」、今年のキングマンでのライブを皮切りに世界中にその名を轟かせるお手伝いをしたいと筆者は勝手に企てているのですが。
 そしてキングマンと言えば、ジム・ヒンクリー(Jim Hinckley)氏を忘れるわけには行きません。ジムさんは、彼の心はルート66、そしてアメリカ南西部と共にあり! とばかりに最愛のジュディさんと共にキングマンに長く住み、多方面で精力的な活動をされています。彼の肩書は山ほどありますが、何と言ってもその豊富な知識に裏付けされた歴史家としての一面、そして「ルート66百科事典」「ルート66、ゴーストタウン」「ルート66裏道ガイド」「ルート66でするべき100の事柄」に代表される沢山の書物の著者としての一面でしょうか。数年前に最初に会った時以来良い親交が保て、いつもアソシエーションの運営を気遣ってくれながらサポートをしてくれます。キングマンを中心に、ルート66でジムさんの知らない場所はありません。予定が合えば「裏道ツアー」や、キングマン地域の歴史を辿るツアーも快く受けてくれます。もし興味のある方がいらしたらぜひ筆者までご連絡ください、ジムさんをご紹介しますよ! それではまた来月お目にかかります!(後藤 敏之/ルート66協会ジャパン・代表、写真も)