メトロポリタン美術館
お茶の歴史など展示
メトロポリタン美術館では「京都」展を開催中。同展は京都をテーマにした工芸美術品にスポットを当てる。日本で知られている茶室で一番小さいサイズのものは1・75畳と言われているが、同展のためにその大きさの茶室を設置。その茶室には千利休直筆の手紙を掛け軸にした作品や、利休が自ら削ったとされる茶杓、利休の理想に叶う茶碗を創り出した初代烙長次郎の抹茶茶碗、また豊臣秀吉や足利尊氏ゆかりの作品などが並ぶ。
また、幻の茶碗として知られる「12世紀の中国の天目茶碗」も出展されている。中国では作られなくなって久しく今ではどのように作られたのかも謎の「幻の天目茶碗」を日本人の現代作家が作ることに成功、同館の収蔵品となった。
「京都」展は米国で推進中の日本文化芸術紹介事業「Japan 2019」の一環で、来年夏まで一年間にわたり京都の工芸文化を大々的に展示する。総出展数は200点以上で4回の展示替えを行う。日本の社会、政治、宗教の変化がどのように日本のアート(芸術)に影響を与えてきたかをテーマに、同館の日本工芸美術専門のキュレーターであるモニカ・ビンチクさんが企画した。同展は、日本文化と美を「京都の粋と技術」を通して堪能できる展覧会に仕上がっている。
7日には、裏千家の茶道家を招いて日本館の書院室でティーセレモニーのプレゼンテーションが行われた。同館の広報担当上級オフィサーの高渕直美さんは、「この展覧会を通して茶道の精神もたくさんの方に理解していただけたら幸い」と話している。
同展の詳細はウェブサイトwww.metmuseum.orgを参照。