バリトン歌手の大西宇宙(おおにし・たかおき)さんが2日、ニューヨークで行われたプレミエ・オペラ財団主催の国際声楽コンクールで優勝した。
また今年新たに設けられたディミトリ・ホロストフスキー記念特別賞も受賞した。
審査員にはリチャード・ボニング、バルバラ・フリットリ、アプリーレ・ミッロなどオペラ界著名人が名を連ね、ほぼ全員一致の評決だったという。
同記念特別賞は、昨年11月55歳の若さでがんで亡くなった世界的バリトン歌手ディミトリ・ホロストフスキーさんを追悼する目的で新設された。大西さんは同歌手の夫人のフローレンス・リリさんから賞を授与された=写真=。
大西さんは、「感無量です。一位のみならず、ディミトリと同じ誕生日に生まれ、彼の歌と芸術を敬愛してやまない私にとってこの記念賞は何にも代えられない名誉です。憧れのバリトンであり同じレパートリーを共有する者として非常にうれしく思います。今後の大きな自信になりました。これからも芸術のため精進していければと思います」とコメントしている。
大西さんは東京都出身。武蔵野音楽大学卒業後、ジュリアード音楽院を卒業後、シカゴ・リリック・オペラを経て、現在は主に日米で活動している。12月末には東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団「第九」公演にソリストとして出演、2019年の幕開けにはNHKニュー・イヤー・オペラコンサートに初出演、2月にはニューヨーク市カーネギーホールでシベリウスのクレルヴォ交響曲のソリストを務める予定。