ローワー・マン ハッタンのギャラリーホワイト・ボックス(ブルーム通り329番地、電話212・714・2347)で今月1日から12月1日まで、ファッションデザイナーのコシノ・ヒロコさん(81)の「コシノ・ヒロコ:バウハウスの香り」展(企画・佐藤恭子)が開かれている。
戦後日本のファッション界をリードしてきたコシノさん、その想像力の原点になっていたのが幼い頃から好きだった絵を描くことだった。これまでに墨絵や絵画など約1900点もの作品を生み出してきた。同展では、自宅のある芦屋のスタジオで同ギャラリー会場のサイズに合わせて描いた、長さ24メートルの墨絵の作品も初公開される。
ニューヨークでのコシノさんの絵画展は今回が初めて。同展では、コシノさんの絵画約30点とこれまのコレクションで発表してきた作品約20点が展示されている。また、コシノさんは三味線も長唄もプロ級の腕前で、ギャラリー内にはコシノさん自身が演奏する三味線の曲が流れている。
20世紀初頭、ドイツに設立された美術工芸学校「バウハウス」の理念は現在に至るまで世界のアート界に大きな影響を与えている。同ギャラリーのアジア部門ディレクターの佐藤さんは、今展に「バウハウスの香り」とタイトルをつけたことについて「コシノさんのアート、ファッションを区別なく一つの創造性として捉える理想は、バウハウスの理念そのもの」と話す。
12月5日(水)から31日(月)までは第2弾として、コシノさんの墨絵とアクリル画の展示会を行う予定だ。 (石黒かおる、写真も)