カーネギーホールで11月29日(木)
救出の恩返し無料公演
日本とトルコの友好をテーマにした「世界平和への訴えコンサート」が11月29日(木)午後8時から、カーネギーホール(7番街881番地)で開催される。
プログラムは「〃友情〃紀伊の国交響組曲」第5楽章 から「九死に一生 テヘラン脱出」、「エルトゥールル号の軌跡 エルトゥールル号の乗員に捧げる曲」。指揮・作詞作曲は向山精二。出演は風の環少年少女合唱団、特別ゲストにサークル・ウインド・ボーイズ・アンド・ガールズ・クワイア、アルプテキン・ナズル(ソプラノ)など。司会はムズラックル・ハリト。
1890年9月16日、和歌山県串本町沖で沈没したオスマン帝国(現トルコ)軍艦エルトゥールル号の乗組員69人を住民が救助したことをトルコの国民は忘れていなかった。およそ90年後、イラン・イラク戦争が勃発。イランはホメイニ師によるイスラム原理主義革命でパーレビ体制が崩壊した直後で当時の米国は、イラクを支持して敵対していた。1985年3月、時の大統領フセインが48時間後上空を通過する航空機をすべて無差別に攻撃すると宣言。イランに駐留する外国人たちは脱出を目指してテヘラン空港に殺到した。ところが各国が救援機をさし向けるなか、軍事行動のできない日本だけが動けず、救援機を出すことができなかった。イラン駐在の日本人には脱出する手段がなく取り残された。タイムリミットが迫るなか1機の旅客機が飛来した。絶望の淵から日本人を救うため、戦火をくぐって迎えに来たのはトルコの航空機だった。パイロットたちの合言葉は「エルトゥールル号の恩を忘れるな」だった。攻撃75分前に離陸、在留邦人216人全員が無事に帰国することができた。 この人間ドラマに感銘を受けた和歌山県海南市のガス製造販売会社社長でアマチュア音楽家の向山精二さん(72)が9月、ニューヨーク市内で記者会見し、コンサートを開催すると発表。日本クラブで記念展も開催される。
入場無料だが要事前予約。予約・詳細はウェブwww.nmsinfonietta.orgを参照。