17日と18日に
ジョージワシントン橋のたもとの町、フォートリーには日本人も多く住んでいるが、米国の独立史上重要な古戦場であることは日本人にはあまり知られていない。
英国からの独立を求め戦争中の1776年11月20日、のちに米国初代大統領となるジョージ・ワシントン将軍率いる軍勢が、マンハッタン島に陣取りハドソン川から侵攻してくる英国の大軍と激しい戦闘を繰り広げたのがフォートリー。この日、一旦撤退を決めたワシントンの一行はハッケンサックまで行軍し、そこで体勢を整え直して逆襲に転じ、英軍の撃退に成功した。この地での勝利が独立への大きな弾みになったと伝わっており、フォートリーは米国にとって、日本で言えば「関ヶ原」のような場所なのだ。 同市では毎年、この合戦の記念日に近い週末に、歴史保存協会と市が中心になって当時を再現したイベントを開催している。戦闘から242年目の今年は17日(土)と18日(日)に行われる。 17日の午前10時に、ワシントン橋に隣接したフォートリー・ヒストリック・パークに再現された「ワシントン軍」の駐屯地に、当事の軍服を身にまとい武器も携えたワシントン軍の面々が集結。その時代にタイムスリップしたような経験ができる。そこからワシントン軍は市内のモニュメントパークに向けて当時の行軍を模した行進を開始する。そして、モニュメントパークでは、鼓笛隊による演奏や、砲術隊によるデモンストレーションが行われる。数十人で構成された砲術隊による空砲の一斉掃射は圧巻だ。 翌日18日は、午後2時からヒストリックパークで砲術隊のデモンストレーションが行われる。
イベントへの参加、見学は無料。ヒストリックパークに車で行く場合は5ドルの入場料が発生するが、市内に路上駐車もしくはメーターパーキングに停めて徒歩で行く場合は入場料は発生しない。
また、18日正午には、ワシントン軍が撤退して形勢逆転への英気を養ったハッケンサック駐屯地があったリバーエッジの史跡公園「ヒストリック・ニューブリッジ・ランディング」でも、同合戦を祝うワークショップとツアーが行われる。詳細はバーゲン郡歴史保存協会のサイト、bergencountyhistory.orgにて。 ニューイングランドや、フィラデルフィア、ワシントンDCには独立にまつわる史跡が多くあるが、そこまでわざわざ行かなくても普段生活している地元で建国の歴史の一端を学ぶよい機会になる。特に、現地校で米国史を学ぶ児童がいる家庭では、家族連れで参加してみてはいかがだろうか。 (本紙・久松 茂)